オリンパス「E-P1」出足好調 「EOS Kiss X3」に鼻差で迫る2位発進
オリンパスイメージングが7月3日に発売したレンズ交換式のデジタルカメラ「オリンパス・ペン E-P1」の出足が好調だ。発売1週目となる09年6月29日-7月5日の「BCNランキング」では、レンズキットなどを合算したデジタル一眼のシリーズ別販売台数で19.3%のシェアを獲得し、売れ筋ランキング2位のスタートを切った。
「E-P1」は、同社として初めてマイクロフォーサーズ規格を採用したカメラ。昨年の開発発表以来、注目を集めていた機種で、ライブビューのみで光学ファインダーのないコンパクトデジタルカメラのような撮影スタイルをとりながら、他のデジタル一眼のようにレンズ交換ができる点が特徴だ。
菊川剛・オリンパス代表取締役社長は同製品を「コンパクトでもなく一眼レフでもない、まったく新しい『新世代マイクロ一眼』」と位置づけており、コンパクトデジカメからのステップアップユーザーを取り込むと同時に、一眼ユーザーのサブ機としての需要を見込んで、新たな市場を開拓する狙いだ。
「BCNランキング」で販売台数シェアの推移をみると、「E-P1」は6月16日に予約が開始されてから着実にシェアを伸ばし、6月の月次では予約分だけで11位に食い込んでいた。さらに発売日の7月3日を含む6月29日-7月5日の週次では、ニコン「D5000」やキヤノン「EOS Kiss X2」といった並みいる人気機種をかわし、19.3%と高いシェアを獲得。1位の「EOS Kiss X3」の20.7%に肉薄する健闘ぶりだ。
また、キット別の売り上げをみてみると、最も人気が高いのがボディに加えて標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」と単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」をセットにした「E-P1 ツインレンズキット(シルバー)」。以下、「E-P1 パンケーキキット(シルバー)」、「E-P1 ツインレンズキット(ホワイト)」と続く。純正レンズがまだ2本しかないということで、やはりツインレンズキットが一番人気だ。
オリンパスでは来春を目途に超広角ズームレンズと高倍率ズームを投入するなど、対応レンズを徐々に増やしていく計画。現在、純正レンズはツインレンズキットの2本だけだが、「E-P1」と同時にフォーサーズレンズ用やOMレンズ用のアダプタも発売されており、手持ちのレンズ資産を活用して楽しむこともできる。また、同じくマイクロフォーサーズ規格のパナソニック「G1シリーズ」向けのレンズも使用可能だ。
見事なスタートダッシュを決めた「E-P1」。とはいえ、長らく登場が待たれていた製品ということもあり、予約などが積みあがった発売直後の瞬間風速的な売り上げともいえる。その結果、現在は品薄の状態で、次回入荷は7月中旬という販売店も多い。いずれにせよ、問題はこの好調をどれだけ維持できるかだ。
一眼が好調なデジタルカメラ市場だが、コンパクトも加えた市場全体では販売台数、金額とも前年割れが続いており、メーカー各社は苦戦を強いられている。そんななか、自ら市場を切り拓く意欲に満ちた製品が受け入れられれば、新しい展望も開ける。「E-P1」をきっかけに、魅力的な製品がどんどん登場し、市場に活力が戻ることを期待したい。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで124品目を対象としています。
オリンパス・ペン E-P1
「E-P1」は、同社として初めてマイクロフォーサーズ規格を採用したカメラ。昨年の開発発表以来、注目を集めていた機種で、ライブビューのみで光学ファインダーのないコンパクトデジタルカメラのような撮影スタイルをとりながら、他のデジタル一眼のようにレンズ交換ができる点が特徴だ。
菊川剛・オリンパス代表取締役社長は同製品を「コンパクトでもなく一眼レフでもない、まったく新しい『新世代マイクロ一眼』」と位置づけており、コンパクトデジカメからのステップアップユーザーを取り込むと同時に、一眼ユーザーのサブ機としての需要を見込んで、新たな市場を開拓する狙いだ。
「BCNランキング」で販売台数シェアの推移をみると、「E-P1」は6月16日に予約が開始されてから着実にシェアを伸ばし、6月の月次では予約分だけで11位に食い込んでいた。さらに発売日の7月3日を含む6月29日-7月5日の週次では、ニコン「D5000」やキヤノン「EOS Kiss X2」といった並みいる人気機種をかわし、19.3%と高いシェアを獲得。1位の「EOS Kiss X3」の20.7%に肉薄する健闘ぶりだ。
順位 | メーカー名 | 型番・シリーズ名 | 画素数(万画素) | 販売台数シェア(%) |
---|---|---|---|---|
1 | キヤノン | EOS Kiss X3 | 1510 | 20.7 |
2 | オリンパス | OLYMPUS PEN E-P1 | 1230 | 19.3 |
3 | ニコン | D90 | 1230 | 8.5 |
4 | ニコン | D5000 | 1230 | 7.5 |
5 | キヤノン | EOS Kiss X2 | 1220 | 6.5 |
6 | ニコン | D40 | 610 | 4.4 |
7 | パナソニック | LUMIX G1 | 1210 | 4.0 |
8 | ニコン | D60 | 1020 | 2.7 |
9 | キヤノン | EOS 50D | 1510 | 2.6 |
10 | HOYA | PENTAX K-7 | 1460 | 2.5 |
「BCNランキング」 09年6月29-7月5日 週次 <最大パネル>
また、キット別の売り上げをみてみると、最も人気が高いのがボディに加えて標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」と単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」をセットにした「E-P1 ツインレンズキット(シルバー)」。以下、「E-P1 パンケーキキット(シルバー)」、「E-P1 ツインレンズキット(ホワイト)」と続く。純正レンズがまだ2本しかないということで、やはりツインレンズキットが一番人気だ。
現時点での純正レンズは2本
(左から)M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6(シルバーとブラック)
(左から)M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6(シルバーとブラック)
オリンパスでは来春を目途に超広角ズームレンズと高倍率ズームを投入するなど、対応レンズを徐々に増やしていく計画。現在、純正レンズはツインレンズキットの2本だけだが、「E-P1」と同時にフォーサーズレンズ用やOMレンズ用のアダプタも発売されており、手持ちのレンズ資産を活用して楽しむこともできる。また、同じくマイクロフォーサーズ規格のパナソニック「G1シリーズ」向けのレンズも使用可能だ。
見事なスタートダッシュを決めた「E-P1」。とはいえ、長らく登場が待たれていた製品ということもあり、予約などが積みあがった発売直後の瞬間風速的な売り上げともいえる。その結果、現在は品薄の状態で、次回入荷は7月中旬という販売店も多い。いずれにせよ、問題はこの好調をどれだけ維持できるかだ。
一眼が好調なデジタルカメラ市場だが、コンパクトも加えた市場全体では販売台数、金額とも前年割れが続いており、メーカー各社は苦戦を強いられている。そんななか、自ら市場を切り拓く意欲に満ちた製品が受け入れられれば、新しい展望も開ける。「E-P1」をきっかけに、魅力的な製品がどんどん登場し、市場に活力が戻ることを期待したい。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで124品目を対象としています。