新聞全面もOKの卓上スキャナ コクヨS&T「Caminacs W」を使ってみた
業界最小クラスのコンパクトなボディながら、A3サイズの用紙にも対応できるコクヨS&Tのドキュメントスキャナ「Caminacs W」。この1台で、手書きの書類や伝票、新聞などの資料まで、あらゆるペーパーを高速スキャンでデジタル化し、PCで簡単に整理・活用できるという。その使い勝手と、活用の可能性について検証してみた。
実際に「Caminacs W」を箱から出して、まず感じたのがそのコンパクトさ。スキャナ専用モデルだけに、見慣れたプリンタ複合機と比べるとかなり小さい。筐体自体のサイズは幅353×奥行き150×高さ170mmと非常にコンパクトだ。これならオフィスのサイドワゴンの上はもちろんのこと、机に若干の空きスペースがあれば、余裕で設置できる。また、A3サイズの書類に標準で対応し、別売の「キャリアシート」があれば、新聞全面(A2)サイズのスキャンも可能だ。
PCとの接続にはUSBケーブルを使用する。スキャン操作は本体の「SCAN」ボタンか、付属の専用ソフト「Caminacs W Assistant」のコントロール画面にあるボタンで行うのだが、実際に操作してみるとそのスキャンスピードの速さに驚いた。
読み取りからデータ化までの処理を効率的に行う「DU-CISエンジン」の採用により、例えばA4サイズのモノクロ資料の裏表両面をスキャンしてPDF化するのに要する時間は1枚2-3秒程度。PCの処理速度にもよるが、A4片面(モノクロ)のペーパーなら1分間に約37枚スキャンできるという。複数ページにわたる書類の場合は、上部の「ADF」(オートドキュメントフィーダー)を使用する。
そして、スキャンが完了すると、全ページを順番に収録したPDFファイルを自動的に作成してくれる。この機能を活用すれば、引き出しや机の上に溜まりがちな書類を、簡単にPDF化し、保存・管理することができるだろう。
「Caminacs W」のスキャン機能で優れている点は、オフィスにあるさまざまな書類や資料のデジタル化を前提に設計されていることだ。例えば、A4とA3などのサイズが異なる書類も、まとめて一度にスキャンできるのがポイント。書類サイズが混在するケースでは、用紙方向の違いでスキャンした画像が90度横になってしまう場合もある。そうなると画像を後から回転させる必要が出てくるが、これがなかなか面倒な作業だ。
しかし、「Caminacs W」は文字の向きから原稿の上下左右を自動的に認識し、スキャンした内容を自動的に正しい方向へと修正してくれる。同様に、裏表で縦横の用紙方向が異なる場合にも自動的に向きが修正される。つまり、必要な書類や資料は用紙のサイズ違いや方向を気にせずに、「ADF」にすべてまとめてセットする。あとは、ボタンを押すだけで、手間なく理想的な状態でデジタル化できるというわけだ。プリンタ複合機のスキャン機能と比較すれば、この使い勝手の差はかなり大きいといえる。
また、A3までしか対応しないスキャナで新聞全面のA2サイズを読み込むには工夫がある。両面スキャンの応用だ。まず新聞を二つ折りにして別売りのキャリアシートにはさむ。この状態でスキャンし、表裏の画像を展開して合成。これで大きな1枚の画像になる、というわけだ。
さらに、新聞の必要な記事だけを切り取った不定形のペーパーなども、このキャリアシートに挟んで読み取れるので、記事の切り抜きも簡単にデジタル化できる。ただ、キャリアシートを使用する場合は、本体カバー裏の「パッドユニット」を取り外す必要があるのが少し面倒だった。技術的に可能であれば、今後の改良に期待したいところだ。
とはいえ、あらゆるタイプの書類や資料のスキャンに対応し、効率的にデジタル化できるのは「Caminacs W」ならではのメリットといえる。画像としてのPDF保存だけでなく、OCR(文字認識)機能を利用して文字をテキスト化して保存することもできるので、ファイル内のテキスト全文検索も可能になり、資料の整理や検索に役立つ。
操作が簡単だという点も大きな特徴だ。付属のソフトウェア「Caminacs W Assistant」には、「A4 PDF(片面・グレースケール)」や「A3/A4サイズ混載PDF」といった、よく利用されるスキャンモードが標準で装備され、ボタンを押すだけで実行できる。さらに、各ボタンのスキャン設定やファイルの保存形式などはカスタマイズ可能で、よく利用するスキャンモードを登録しておけば、毎回の操作をワンボタンで素早く行うことができる。
このように「Caminacs W」には、オフィスで想定されるスキャンニーズの多くに対応し、特にSOHOなどでその威力を発揮してくれそうだ。増え続けていくペーパーの山に、オフィスの大切なスペースを占領されないためにも、書類の「完全デジタル化」という課題に挑戦してみてはどうだろう。(フリーライター・石川貢士)
サイドワゴンや机のわずかなスペースで設置可能
実際に「Caminacs W」を箱から出して、まず感じたのがそのコンパクトさ。スキャナ専用モデルだけに、見慣れたプリンタ複合機と比べるとかなり小さい。筐体自体のサイズは幅353×奥行き150×高さ170mmと非常にコンパクトだ。これならオフィスのサイドワゴンの上はもちろんのこと、机に若干の空きスペースがあれば、余裕で設置できる。また、A3サイズの書類に標準で対応し、別売の「キャリアシート」があれば、新聞全面(A2)サイズのスキャンも可能だ。
PCとの接続にはUSBケーブルを使用する。スキャン操作は本体の「SCAN」ボタンか、付属の専用ソフト「Caminacs W Assistant」のコントロール画面にあるボタンで行うのだが、実際に操作してみるとそのスキャンスピードの速さに驚いた。
専用ソフト「Caminacs W Assistant」のボタンでスキャン実行
読み取りからデータ化までの処理を効率的に行う「DU-CISエンジン」の採用により、例えばA4サイズのモノクロ資料の裏表両面をスキャンしてPDF化するのに要する時間は1枚2-3秒程度。PCの処理速度にもよるが、A4片面(モノクロ)のペーパーなら1分間に約37枚スキャンできるという。複数ページにわたる書類の場合は、上部の「ADF」(オートドキュメントフィーダー)を使用する。
ペーパーの裏表両面を一度にスキャンしてPDFファイルを作成できる
そして、スキャンが完了すると、全ページを順番に収録したPDFファイルを自動的に作成してくれる。この機能を活用すれば、引き出しや机の上に溜まりがちな書類を、簡単にPDF化し、保存・管理することができるだろう。
書類サイズの混在や新聞全面のスキャンもOK、文字の方向で自動回転
「Caminacs W」のスキャン機能で優れている点は、オフィスにあるさまざまな書類や資料のデジタル化を前提に設計されていることだ。例えば、A4とA3などのサイズが異なる書類も、まとめて一度にスキャンできるのがポイント。書類サイズが混在するケースでは、用紙方向の違いでスキャンした画像が90度横になってしまう場合もある。そうなると画像を後から回転させる必要が出てくるが、これがなかなか面倒な作業だ。
しかし、「Caminacs W」は文字の向きから原稿の上下左右を自動的に認識し、スキャンした内容を自動的に正しい方向へと修正してくれる。同様に、裏表で縦横の用紙方向が異なる場合にも自動的に向きが修正される。つまり、必要な書類や資料は用紙のサイズ違いや方向を気にせずに、「ADF」にすべてまとめてセットする。あとは、ボタンを押すだけで、手間なく理想的な状態でデジタル化できるというわけだ。プリンタ複合機のスキャン機能と比較すれば、この使い勝手の差はかなり大きいといえる。
用紙サイズや縦横方向が違っても、正しい方向に自動修正される
また、A3までしか対応しないスキャナで新聞全面のA2サイズを読み込むには工夫がある。両面スキャンの応用だ。まず新聞を二つ折りにして別売りのキャリアシートにはさむ。この状態でスキャンし、表裏の画像を展開して合成。これで大きな1枚の画像になる、というわけだ。
さらに、新聞の必要な記事だけを切り取った不定形のペーパーなども、このキャリアシートに挟んで読み取れるので、記事の切り抜きも簡単にデジタル化できる。ただ、キャリアシートを使用する場合は、本体カバー裏の「パッドユニット」を取り外す必要があるのが少し面倒だった。技術的に可能であれば、今後の改良に期待したいところだ。
とはいえ、あらゆるタイプの書類や資料のスキャンに対応し、効率的にデジタル化できるのは「Caminacs W」ならではのメリットといえる。画像としてのPDF保存だけでなく、OCR(文字認識)機能を利用して文字をテキスト化して保存することもできるので、ファイル内のテキスト全文検索も可能になり、資料の整理や検索に役立つ。
操作も簡単! オフィスの書類の「完全デジタル化」に貢献
操作が簡単だという点も大きな特徴だ。付属のソフトウェア「Caminacs W Assistant」には、「A4 PDF(片面・グレースケール)」や「A3/A4サイズ混載PDF」といった、よく利用されるスキャンモードが標準で装備され、ボタンを押すだけで実行できる。さらに、各ボタンのスキャン設定やファイルの保存形式などはカスタマイズ可能で、よく利用するスキャンモードを登録しておけば、毎回の操作をワンボタンで素早く行うことができる。
このように「Caminacs W」には、オフィスで想定されるスキャンニーズの多くに対応し、特にSOHOなどでその威力を発揮してくれそうだ。増え続けていくペーパーの山に、オフィスの大切なスペースを占領されないためにも、書類の「完全デジタル化」という課題に挑戦してみてはどうだろう。(フリーライター・石川貢士)