ラオックスを中国の家電販売最大手「蘇寧電器」などが買収
家電量販大手のラオックス(山下巖社長)は6月25日、中国の蘇寧電器と日本観光免税との業務・資本提携を行い、第三者割当増資を実施して計19億円を調達すると発表した。7月24日に開く臨時株主総会で正式決定する。これにより、蘇寧電器と日本観光免税側はラオックス株の55.0%を取得し経営権を掌握。取締役4名、監査役2名を派遣し経営再建を急ぐ。
09年3月期を含め8期連続の最終赤字が続き、経営難に陥っているラオックス。07年には、それまで秋葉原のランドマークともいわれていた「ザ・コンピュータ館」を閉め、09年には郊外型の家電販売事業から撤退するなど、事業規模を縮小して再建に取り組んでいる。
今回、ラオックスが蘇寧電器傘下入りすることで、蘇寧電器の情報システムや物流サービスをはじめ、免税品販売などで中国語圏顧客への販売ノウハウなども取り入れ、経営改善を行っていく。また蘇寧電器も、ラオックスの小売サービスノウハウ、ブランド力を高く評価していることから、両社での共同仕入体制を確立し、双方が自国にで展開している売れ筋商品を互いに供給したりPB商品を共同で開発したり、といったことも計画している。中国からの観光客がラオックスで購入した商品を蘇寧電器のサービス網を使い中国で修理やアフターケアを受ける、といった連携も考えているという。
日本観光免税も、主に中華圏からの訪日観光客と在日中国人に向けた顧客の誘致と商品販売のノウハウを有するため、これを秋葉原地区での免税品販売事業強化に役立てていく方針だ。
さらに、ラオックスブランドは中国や東南アジアで高い知名度を有していることから、蘇寧電器を足がかりに物販流通業として中華圏や海外への進出も視野に入れているという。
蘇寧電器は中国江蘇省南京市に本社を構える中国家電量販の最大手。01年6月に設立し、現在では従業員4886名を数える。08年12月期の売上高は日本円で6570億円、最終利益は285億8000万円を計上した。一方、東京都目黒区に本社を構える日本観光免税は、社員数95名。ラオックスとは10年来の取引実績があり、フランチャイズ契約も行い、大阪で中国語圏から訪れる観光客などに免税品などを販売するショッピングモール上海新天地を運営している。09年3月期の売上高は20億6000万円、最終利益は1100万円だった。
今回調達する19億円の使途は、約15億円を秋葉原地区で展開する小売事業を強化するため、仕入れや宣伝広告費、店舗改装などの運転資金に充当。約4億円を優先株の一部償還に充てる。
調達する資金の内訳は、第三者割当による新株発行で15億円、第三者割当による新株予約権の発行で4億円。新株は、1株あたり12円で1億2500万株を発行。また、行使期間を2010年1月15日-2013年1月14日までとする新株予約権は普通株式2000万株分を発行する。
これにより、同社の発行済み株式総数は、A種優先株式の普通株式への転換も含め、1億7500万株増の2億6364万2288株になり、増資前の6864万2288株から一気に3.84倍に希薄化する。ラオックスでは、長期にわたる赤字が続いている現状では自己資本が大きく毀損しているとして、早期の立て直しには今回の増資が必要不可欠だと説明している。
増資の引き受け先は蘇寧電器の100%孫会社にあたりケイマン諸島を所在地とする「GRANDA MAGIC LIMITED」と東京都の「日本観光免税」。新株予約権が全部実行された場合の持ち株比率はGRANDA MAGIC LIMITEDが29.33%、日本観光免税が25.67%で両社が過半数を保有し、ラオックスの筆頭株主になる。
中華圏をはじめとする海外進出も視野に
09年3月期を含め8期連続の最終赤字が続き、経営難に陥っているラオックス。07年には、それまで秋葉原のランドマークともいわれていた「ザ・コンピュータ館」を閉め、09年には郊外型の家電販売事業から撤退するなど、事業規模を縮小して再建に取り組んでいる。
今回、ラオックスが蘇寧電器傘下入りすることで、蘇寧電器の情報システムや物流サービスをはじめ、免税品販売などで中国語圏顧客への販売ノウハウなども取り入れ、経営改善を行っていく。また蘇寧電器も、ラオックスの小売サービスノウハウ、ブランド力を高く評価していることから、両社での共同仕入体制を確立し、双方が自国にで展開している売れ筋商品を互いに供給したりPB商品を共同で開発したり、といったことも計画している。中国からの観光客がラオックスで購入した商品を蘇寧電器のサービス網を使い中国で修理やアフターケアを受ける、といった連携も考えているという。
日本観光免税も、主に中華圏からの訪日観光客と在日中国人に向けた顧客の誘致と商品販売のノウハウを有するため、これを秋葉原地区での免税品販売事業強化に役立てていく方針だ。
さらに、ラオックスブランドは中国や東南アジアで高い知名度を有していることから、蘇寧電器を足がかりに物販流通業として中華圏や海外への進出も視野に入れているという。
蘇寧電器は中国江蘇省南京市に本社を構える中国家電量販の最大手。01年6月に設立し、現在では従業員4886名を数える。08年12月期の売上高は日本円で6570億円、最終利益は285億8000万円を計上した。一方、東京都目黒区に本社を構える日本観光免税は、社員数95名。ラオックスとは10年来の取引実績があり、フランチャイズ契約も行い、大阪で中国語圏から訪れる観光客などに免税品などを販売するショッピングモール上海新天地を運営している。09年3月期の売上高は20億6000万円、最終利益は1100万円だった。
株式は3.84倍に希薄化するが、早期の立て直しには増資が必須
今回調達する19億円の使途は、約15億円を秋葉原地区で展開する小売事業を強化するため、仕入れや宣伝広告費、店舗改装などの運転資金に充当。約4億円を優先株の一部償還に充てる。
調達する資金の内訳は、第三者割当による新株発行で15億円、第三者割当による新株予約権の発行で4億円。新株は、1株あたり12円で1億2500万株を発行。また、行使期間を2010年1月15日-2013年1月14日までとする新株予約権は普通株式2000万株分を発行する。
これにより、同社の発行済み株式総数は、A種優先株式の普通株式への転換も含め、1億7500万株増の2億6364万2288株になり、増資前の6864万2288株から一気に3.84倍に希薄化する。ラオックスでは、長期にわたる赤字が続いている現状では自己資本が大きく毀損しているとして、早期の立て直しには今回の増資が必要不可欠だと説明している。
増資の引き受け先は蘇寧電器の100%孫会社にあたりケイマン諸島を所在地とする「GRANDA MAGIC LIMITED」と東京都の「日本観光免税」。新株予約権が全部実行された場合の持ち株比率はGRANDA MAGIC LIMITEDが29.33%、日本観光免税が25.67%で両社が過半数を保有し、ラオックスの筆頭株主になる。