BCN、夏のボーナス商戦見通し、薄型テレビはエコポイント効果で大きな伸び
BCNは6月10日、薄型テレビ、レコーダー、パソコンなどのデジタル家電について、今年の夏ボーナス商戦に向けた市場動向を発表した。5月にスタートしたエコポイント需要は、夏ボーナス商戦までは薄型テレビで20-30%程度の押し上げ効果が期待できるとの見方を示した。全国の大手家電量販店から実売データを収集・集計する「BCNランキング」を使って分析した。
テレビ、パソコンなどデジタル家電の販売金額の前年同期比や平均単価を指数化した「BCN指数」は、買い控えや年度末商戦の反動から09年4月に底打ちして5月に回復。デジタル家電市場でも最悪期を脱したとの見方を示した。
夏商戦の動向については、地上デジタル放送への移行に向けた潜在需要や、デジタルカメラの新製品投入、ネットブック市場のさらなる拡大可能性などの要素がプラスにはたらく一方で、戦後最低のGDP水準による個人消費への影響や、夏のボーナスが減って生活防衛意識の高まりなどのマイナス影響も予想されることから、デジタル家電全般では前年並みの水準を維持できる見通し。
また、5月にスタートしたエコポイントについては、立ち上がりの時点では市場に大きなプラス効果があったことを明らかにした。薄型テレビ、レコーダーといった主要デジタル家電の販売台数前年同週比では、買い控えの影響から、4月27日からの1週間でいったんマイナスに転じた後急上昇。エコポイントが開始された5月18日の週は大きな伸びを見せた。
さらに、5月1か月間のデータでも薄型テレビ全体で、前年同月比で42.9%増と大幅な伸び率を記録。金額でも21.0%増と大きく伸びた。夏のボーナス商戦に向けては、地上デジタル放送への完全移行を前に、まだまだ高い買い換え需要が見込まれることから、台数ではオリンピック需要を上回る勢いを持続できる一方、金額では昨年をやや上回る程度になる見込み。
レコーダーは、エコポイントの対象ではないものの薄型テレビの好調に後押しされ、5月は台数ベースで20.4%の増加を見せた。また、レコーダー全体にブルーレイディスク(BD)レコーダーが占める割合は5月、台数で66.4%、金額では79.5%と、ともに過去最大を記録。BDレコーダーの普及が大きく進んだことを示した。夏のボーナス商戦でも、薄型テレビのエコポイント特需が追い風となり、台数・金額ともにBD需要が拡大した前年を上回る可能性がありそうだ。
デジタルカメラでは、コンパクトタイプの不振が目立つ。昨年末から続いていた単価の下落は09年1月に底をうち、現在は一段落している。一方で3月以降は販売台数・金額ともに前年割れの状況が続いている。一方、4月に販売金額で前年同月比11.9%減と大きく落ち込んだデジタル一眼は、5月に入ってから台数で22.4%増、金額で10.1%増と回復。夏に向けて新製品の投入も見込まれることから、今後も同程度の伸び率を維持していくと予想される。
一眼のメーカー別シェアでは、キヤノンとニコンが市場をけん引する構図は変わらないものの、パナソニックの存在感が増している。09年5月は台数で9.3%・金額で9.5%と1割近いシェアを獲得し、いずれでもキヤノン・ニコンの2強に次ぐ3位につけている。
年末商戦以降伸び悩んでいるPC市場は、販売台数・金額ともに反転の兆しがみられ、5月は前年同月比で台数が28%増を記録。金額は6.6%減だったがマイナス幅は徐々に小さくなっており、今後、ゆるやかな回復傾向に入っていく見込みだ。5月は市場全体の約8割を占めるノートPCが4か月ぶりに台数で40%増だったが、デスクトップPCは台数で12.2%減、金額でも25.9%減と落ち込んだ。しかし、今秋の発売が予想される新OS「Windows 7」の影響でデスクトップのメインマシンの買い換え需要を喚起する可能性も大きい。
昨年来PC市場をけん引するネットブックは、年明け以降、販売台数の横ばいが続く。その一方で、画面サイズ別にみると10インチ台のモデルが急増。08年12月の時点で、21モデルしかなかった10インチ台の製品が、09年5月では69モデルとおよそ3倍に増えており、画面の大型化が進んでいる。
また、5月のネットブックのメーカー別シェアは、ASUSが27.8%で首位、日本エイサーが18.5%で2位と、08年12月と順位は変わらなかった。しかしそれぞれ10%ほどシェアを下げ、代わって国内メーカーがシェアを拡大。筆頭は東芝でシェア16.3%で3位につけ、日本エイサーに肉薄している。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで124品目を対象としています。
テレビ、パソコンなどデジタル家電の販売金額の前年同期比や平均単価を指数化した「BCN指数」は、買い控えや年度末商戦の反動から09年4月に底打ちして5月に回復。デジタル家電市場でも最悪期を脱したとの見方を示した。
夏商戦の動向については、地上デジタル放送への移行に向けた潜在需要や、デジタルカメラの新製品投入、ネットブック市場のさらなる拡大可能性などの要素がプラスにはたらく一方で、戦後最低のGDP水準による個人消費への影響や、夏のボーナスが減って生活防衛意識の高まりなどのマイナス影響も予想されることから、デジタル家電全般では前年並みの水準を維持できる見通し。
また、5月にスタートしたエコポイントについては、立ち上がりの時点では市場に大きなプラス効果があったことを明らかにした。薄型テレビ、レコーダーといった主要デジタル家電の販売台数前年同週比では、買い控えの影響から、4月27日からの1週間でいったんマイナスに転じた後急上昇。エコポイントが開始された5月18日の週は大きな伸びを見せた。
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特にエコポイント付与の対象になった薄型テレビでは前年同週比で台数が71.5%増。金額ベースでも48.5%増と大きく伸びた。また、テレビと同時に購入する「ついで買い」効果がみられた、レコーダーも台数ベースで30.9%増、金額ベースで23.6%増と、薄型テレビに次ぐ伸びを示した。さらに、5月1か月間のデータでも薄型テレビ全体で、前年同月比で42.9%増と大幅な伸び率を記録。金額でも21.0%増と大きく伸びた。夏のボーナス商戦に向けては、地上デジタル放送への完全移行を前に、まだまだ高い買い換え需要が見込まれることから、台数ではオリンピック需要を上回る勢いを持続できる一方、金額では昨年をやや上回る程度になる見込み。
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レコーダーは、エコポイントの対象ではないものの薄型テレビの好調に後押しされ、5月は台数ベースで20.4%の増加を見せた。また、レコーダー全体にブルーレイディスク(BD)レコーダーが占める割合は5月、台数で66.4%、金額では79.5%と、ともに過去最大を記録。BDレコーダーの普及が大きく進んだことを示した。夏のボーナス商戦でも、薄型テレビのエコポイント特需が追い風となり、台数・金額ともにBD需要が拡大した前年を上回る可能性がありそうだ。
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デジタルカメラでは、コンパクトタイプの不振が目立つ。昨年末から続いていた単価の下落は09年1月に底をうち、現在は一段落している。一方で3月以降は販売台数・金額ともに前年割れの状況が続いている。一方、4月に販売金額で前年同月比11.9%減と大きく落ち込んだデジタル一眼は、5月に入ってから台数で22.4%増、金額で10.1%増と回復。夏に向けて新製品の投入も見込まれることから、今後も同程度の伸び率を維持していくと予想される。
一眼のメーカー別シェアでは、キヤノンとニコンが市場をけん引する構図は変わらないものの、パナソニックの存在感が増している。09年5月は台数で9.3%・金額で9.5%と1割近いシェアを獲得し、いずれでもキヤノン・ニコンの2強に次ぐ3位につけている。
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年末商戦以降伸び悩んでいるPC市場は、販売台数・金額ともに反転の兆しがみられ、5月は前年同月比で台数が28%増を記録。金額は6.6%減だったがマイナス幅は徐々に小さくなっており、今後、ゆるやかな回復傾向に入っていく見込みだ。5月は市場全体の約8割を占めるノートPCが4か月ぶりに台数で40%増だったが、デスクトップPCは台数で12.2%減、金額でも25.9%減と落ち込んだ。しかし、今秋の発売が予想される新OS「Windows 7」の影響でデスクトップのメインマシンの買い換え需要を喚起する可能性も大きい。
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昨年来PC市場をけん引するネットブックは、年明け以降、販売台数の横ばいが続く。その一方で、画面サイズ別にみると10インチ台のモデルが急増。08年12月の時点で、21モデルしかなかった10インチ台の製品が、09年5月では69モデルとおよそ3倍に増えており、画面の大型化が進んでいる。
また、5月のネットブックのメーカー別シェアは、ASUSが27.8%で首位、日本エイサーが18.5%で2位と、08年12月と順位は変わらなかった。しかしそれぞれ10%ほどシェアを下げ、代わって国内メーカーがシェアを拡大。筆頭は東芝でシェア16.3%で3位につけ、日本エイサーに肉薄している。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで124品目を対象としています。