デジタル一眼、夏商戦を占う09年4月のトップはキヤノン「EOS Kiss X2」
各社から新機能を盛り込んだ製品が発表され、ますます盛り上がりそうなデジタル一眼レフカメラ。キーワードは、動画撮影機能の搭載や高画素化だ。これら新製品が出揃うのは6月下旬以降だが、今後の人気機種を占うという意味で、09年4月の売れ筋ランキングを紹介しよう。
カラーバリエーションや付属レンズなど同梱品の違いを合算して集計したシリーズ別で、1位を獲得したのは、キヤノン「EOS Kiss X2」。08年4月の発売以来、ロングセラーとなっている製品だ。エントリーモデルながら、1220万画素のCMOSセンサーに、ライブビューや画像補正機能、センサーのゴミ取り機能といった実用的な機能を満遍なく備えている点が評価されているようだ。レンズキットに付属するレンズは手ブレ補正機能も備えており、コンパクトデジタルカメラからのステップアップなど、デジタル一眼初心者でも安心の1台だ。
2位はニコン「D60」で、3位も同じくニコンの「D40」。上位は、やはり低価格なエントリーモデルが並ぶ。とくに3位のニコン「D40」は06年に発売された製品で、その根強い人気には驚かされる。また、トップ10のうち7製品がキヤノンもしくはニコンの製品で、あらためて両社製品のラインアップの豊富さと人気の高さが浮き彫りになった。
キヤノン、ニコンの製品を除いて、最も上位にランクインしたのが6位のパナソニック「LUMIX G1」。デジタル一眼の新規格「マイクロフォーサーズシステム」を初めて採用し、ミラーなどを取り除いた軽くてコンパクトなボディが特徴で、主に女性を中心に人気を集めているモデルだ。
そして、今年発売の最新機種で唯一トップ10にランクインしたのが、7位のキヤノン「EOS Kiss X3」。今回1位の「EOS Kiss X2」の後継機種で、有効画素数は1220万画素から1510万画素にアップ。新たにフルHD動画撮影機能も備えた。「EOS Kiss X3」に限らず、各社の新製品には「動画機能」の搭載が目立つ。加えて、顔認識機能の搭載率も高まっており、コンパクトデジカメで標準化している機能をデジタル一眼にも、という動きはさらに進みそうだ。
おそらく5月のランキングでは、多くの新モデルが上位に食い込んでくると予想されるが、その一方で、価格が下がり、値ごろ感の高まった旧モデルも引き続きランクインしそうだ。新機種が旧機種よりも優れている点として、高画素化や動画撮影機能といった付加価値が挙げられる。ただ、デジタル一眼の場合、交換レンズなどのアクセサリーやテクニックでカバーできる要素も大きい。カメラメーカー各社が打ち出した、こうした新しい魅力が受け入れられるのか。今後のランキングに注目したい。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで124品目を対象としています。
順位 | メーカー名 | 型番・シリーズ名 | 画素数(万画素) |
---|---|---|---|
1 | キヤノン | EOS Kiss X2 | 1220 |
2 | ニコン | D60 | 1020 |
3 | ニコン | D40 | 610 |
4 | ニコン | D90 | 1230 |
5 | キヤノン | EOS 50D | 1510 |
6 | パナソニック | LUMIX G1 | 1210 |
7 | キヤノン | EOS Kiss X3 | 1510 |
8 | ソニー | α300 | 1020 |
9 | HOYA | K-m | 1020 |
10 | キヤノン | EOS Kiss F | 1010 |
「BCNランキング」 09年4月月次 <最大パネル>
カラーバリエーションや付属レンズなど同梱品の違いを合算して集計したシリーズ別で、1位を獲得したのは、キヤノン「EOS Kiss X2」。08年4月の発売以来、ロングセラーとなっている製品だ。エントリーモデルながら、1220万画素のCMOSセンサーに、ライブビューや画像補正機能、センサーのゴミ取り機能といった実用的な機能を満遍なく備えている点が評価されているようだ。レンズキットに付属するレンズは手ブレ補正機能も備えており、コンパクトデジタルカメラからのステップアップなど、デジタル一眼初心者でも安心の1台だ。
(左から)「EOS Kiss X2」と「D60」
2位はニコン「D60」で、3位も同じくニコンの「D40」。上位は、やはり低価格なエントリーモデルが並ぶ。とくに3位のニコン「D40」は06年に発売された製品で、その根強い人気には驚かされる。また、トップ10のうち7製品がキヤノンもしくはニコンの製品で、あらためて両社製品のラインアップの豊富さと人気の高さが浮き彫りになった。
キヤノン、ニコンの製品を除いて、最も上位にランクインしたのが6位のパナソニック「LUMIX G1」。デジタル一眼の新規格「マイクロフォーサーズシステム」を初めて採用し、ミラーなどを取り除いた軽くてコンパクトなボディが特徴で、主に女性を中心に人気を集めているモデルだ。
LUMIX G1
そして、今年発売の最新機種で唯一トップ10にランクインしたのが、7位のキヤノン「EOS Kiss X3」。今回1位の「EOS Kiss X2」の後継機種で、有効画素数は1220万画素から1510万画素にアップ。新たにフルHD動画撮影機能も備えた。「EOS Kiss X3」に限らず、各社の新製品には「動画機能」の搭載が目立つ。加えて、顔認識機能の搭載率も高まっており、コンパクトデジカメで標準化している機能をデジタル一眼にも、という動きはさらに進みそうだ。
EOS Kiss X3
おそらく5月のランキングでは、多くの新モデルが上位に食い込んでくると予想されるが、その一方で、価格が下がり、値ごろ感の高まった旧モデルも引き続きランクインしそうだ。新機種が旧機種よりも優れている点として、高画素化や動画撮影機能といった付加価値が挙げられる。ただ、デジタル一眼の場合、交換レンズなどのアクセサリーやテクニックでカバーできる要素も大きい。カメラメーカー各社が打ち出した、こうした新しい魅力が受け入れられるのか。今後のランキングに注目したい。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで124品目を対象としています。