人気は単焦点! デジタル一眼の醍醐味、交換レンズランキング

特集

2009/05/19 12:30

 低価格モデルの普及で、ユーザー層が一気に広がっているデジタル一眼。その醍醐味は、なんといっても交換レンズを使って、自分の撮りたいシーンに合わせた写真が撮れること。「BCNランキング」で、いま人気の交換レンズは何かをチェックしてみた。

 デジタル一眼用の交換レンズには、大きくわけて、カメラメーカーが作っている「純正レンズ」と、レンズメーカーが、カメラとレンズを接続する部分「レンズマウント」ごとに作る「サードパーティーレンズ」の2種類がある。今回のランキングでは、そのレンズがどのメーカーのカメラに使用できるか、ということで「レンズマウント」別に、売れ筋レンズを紹介しよう。

キヤノン



キヤノンEFマウント採用レンズ 機種別販売台数ランキング 2009年4月
順位 メーカー 製品名 焦点距離 最短撮影距離
1 キヤノン EF50mm F1.8 II 50mm 45cm
2 キヤノン EF50mm F1.8 II(国外モデル) 50mm 45cm
3 タムロン AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC
LD Aspherical [IF] MACRO
18-270mm 49cm
4 キヤノン EF-S55-250mm F4-5.6 IS 55-250mm 110cm
5 キヤノン EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS 18-200mm 45cm
6 キヤノン EF-S60mm F2.8 マクロ USM 60mm 20cm
7 キヤノン EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM 10-22mm 24cm
8 タムロン SP AF17-50mm F/2.8 XR DiII LD Aspherical [IF] 17-50mm 27cm
9 キヤノン EF24-105mm F4L IS USM 24-105mm 45cm
10 キヤノン EF50mm F1.4 USM 50mm 45cm

「BCNランキング」 09年4月月次 <最大パネル>


 まず、キヤノン用の「キヤノンEFマウント」レンズから。1位はキヤノン純正の単焦点レンズ「EF50mm F1.8 II」だった。重さわずか130gというコンパクトモデルで、同社は単焦点レンズの入門用として適したレンズとして位置づけている。2位も同じ製品の海外向けモデルだった。

キヤノン「EF50mm F1.8 II」

 3位がタムロンの「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO」がランクイン。焦点距離が18-270mmで、世界最大の15倍のズーム倍率を実現したレンズで、広角18mmから超望遠270mmまでを1本でカバーできるモデルだ。

タムロン「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO」

ニコン



ニコンFマウント採用レンズ 機種別販売台数ランキング 2009年4月
順位 メーカー 製品名 焦点距離 最短撮影距離
1 ニコン AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G 35mm 30cm
2 ニコン AF-S VR Zoom-Nikkor ED
70-300mm F4.5-5.6G(IF)
70-300mm 150cm
3 タムロン AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD
Aspherical [IF] MACRO
18-270mm 49cm
4 ニコン AF-S VR Zoom Nikkor ED
70-300mm F4.5-5.6G(IF)(国外モデル)
70-300mm 150cm
5 ニコン AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED
18-200mm F3.5-5.6G(IF)
18-200mm 50cm
6 ニコン AF-S NIKKOR 50mm F1.4G 50mm 45cm
7 ニコン AF-S Micro-NIKKOR 60mm F2.8G ED 60mm 18.5cm
8 シグマ 18-200mm F3.5-6.3 DC OS HSM 18-200mm 45cm
9 ニコン AF Zoom-Nikkor 70-300mm F4-5.6G ブラック 70-300mm 150cm
9 ニコン AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED 24-70mm 38cm

「BCNランキング」 09年4月月次 <最大パネル>


 続いて、ニコン用「ニコンFマウント」を採用した交換レンズの売れ筋を見てみよう。1位はニコン純正の「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」。同社で初めて「D300」「D90」「D60」などのDXフォーマット専用に開発した単焦点レンズだ。35mmフィルムカメラ換算で52.5mm相当で、APS-Cサイズ用の標準レンズともいえる。

ニコン「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」

 2位が「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)」で、70mmから300mmをカバーする望遠ズームレンズ。そして、3位を獲得したのは、キヤノン用でも3位に入ったタムロン「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO」のニコン用だった。

(左から)ニコン「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)」と、タムロン「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO」

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ソニー



ソニーαマウント採用レンズ 機種別販売台数ランキング 2009年4月
順位 メーカー 製品名 焦点距離 最短撮影距離
1 ソニー 75-300mm F4.5-5.6 75-300mm 150cm
2 タムロン AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD
Aspherical[IF]Macro
18-200mm 45cm
3 ソニー 50mm F1.4 50mm 45cm
4 ソニー 70-400mm F4-5.6 G SSM 70-400mm 150cm
5 タムロン SP AF17-50mm F/2.8 XR DiII LD Aspherical [IF] 17-50mm 27cm
6 シグマ APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO 70-300mm 95cm
6 シグマ 30mm F1.4 EX DC 30mm 40cm
6 ソニー 50mm F2.8 Macro 50mm 20cm
9 ソニー DT 11-18mm F4.5-5.6 11-18mm 25cm
9 タムロン AF70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2 70-300mm 95cm
9 ソニー 70-300mm F4.5-5.6 G SSM 70-300mm 120cm

「BCNランキング」 09年4月月次 <最大パネル>


 ソニーのデジタル一眼用「ソニーαマウント」採用の交換レンズでは、サードパーティ製のレンズが目立つ。上位11本のうち、およそ半分の6本を占めた。その中で1位はソニー製の純正レンズ「75-300mm F4.5-5.6」。75-300mmをカバーするズームレンズだ。

ソニー「75-300mm F4.5-5.6」

 2位がタムロンの「AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro」。広角から望遠までをカバーする、ズーム倍率11倍のレンズだ。3位にはソニー製の単焦点レンズ「50mm F1.4」がランクインした。

(左から)タムロン「AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro」と、ソニー「50mm F1.4」


パナソニック+オリンパス



フォーサーズマウント採用レンズ 機種別販売台数ランキング 2009年4月
順位 メーカー 製品名 焦点距離 最短撮影距離
1 オリンパス ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6 70-300mm 96cm
2 オリンパス ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 25mm 13cm
3 オリンパス ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro 35mm 14.6cm
4 オリンパス ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 9-18mm 25cm
5 パナソニック LUMIX G VARIO 45-200mm/
F4.0-5.6/MEGA O.I.S.
45-200mm 100cm
6 オリンパス ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro 50mm 24cm
7 オリンパス ZUIKO DIGITAL ED 18-180mm F3.5-6.3 18-180mm 45cm
8 パナソニック LUMIX G VARIO 7-14mm/F4.0 ASPH. 7-14mm 25cm
9 オリンパス ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 14-54mm 22cm
9 オリンパス ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD 50-200mm 120cm

※オレンジ色の製品はマイクロフォーサーズ規格
「BCNランキング」 09年4月月次 <最大パネル>


 パナソニックとオリンパスは、共に「フォーサーズマウント」を採用している。また、パナソニックの「LUMIX Gシリーズ」が採用している「マイクロフォーサーズ」規格対応レンズについては、該当製品が4機種しかないため、「フォーサーズマウント」に含めて集計した。

 1位はオリンパス製「ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6」。ニコン、ソニーの両マウントでも人気の70-300mm前後の望遠ズーム。しかし、フォーサーズ系では、35mmフィルムカメラに換算した焦点距離がレンズの焦点距離のほぼ2倍になるため、さらに望遠効果の高いレンズだといえる。

オリンパス「ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6」

 2位もオリンパス製の単焦点レンズ「ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8」。本体が非常に薄いことからパンケーキレンズと呼ばれるモデルだ。同社のデジタル一眼レフカメラ「E-420」と組み合わせた時のコンパクトさが印象に残っている人も多いだろう。3位にも同様に、オリンパス製の単焦点レンズ「ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro」がランクインした。

(左から)オリンパス「ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8」と「ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro」

ズーム機能はないけれど人気 単焦点レンズとは?



 各マウントで人気のレンズを眺めると、上位に必ず単焦点レンズが入っていることに気がつく。ズームレンズが一般的になっているなか、焦点距離が変更できない単焦点レンズが人気を集めているのは、いくつかのメリットがあるからだ。

 最大のポイントは画質の高さ。特定の焦点距離で画質を考慮すればいいため設計が比較的容易で、高画質で明るいレンズが多い。また、構造が単純なので、小さく軽くすることができ、ズームレンズに比べ安価だ。

 一方、単焦点レンズのデメリットは「ズーム機能が使えないこと」に尽きる。例えば、よく使われる18-200mmの高倍率ズームレンズを、単焦点レンズで置き換えるとすると、18mm、20mm、24mm、28mm、35mm、50mm、85mm、105mm、135mm、200mmと10本ほどのレンズを使わなければならない。もちろん、それぞれの間の焦点距離では使えないことになる。

 1本の単焦点レンズでさまざまな画角をカバーしようとすれば、カメラを持った撮影者自身が、被写体に近づいたり遠ざかったりして動いて構図を決めなければならない。このように単焦点レンズを使い「自ら動きながら構図を決める」撮影方法は、一見すると面倒だが写真撮影の基本とされ、上達への近道とも言われている。交換レンズを選ぶなら、単焦点レンズも候補に入れてみてはどうだろう。(BCN・山田五大)


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