人気は単焦点! デジタル一眼の醍醐味、交換レンズランキング
低価格モデルの普及で、ユーザー層が一気に広がっているデジタル一眼。その醍醐味は、なんといっても交換レンズを使って、自分の撮りたいシーンに合わせた写真が撮れること。「BCNランキング」で、いま人気の交換レンズは何かをチェックしてみた。
デジタル一眼用の交換レンズには、大きくわけて、カメラメーカーが作っている「純正レンズ」と、レンズメーカーが、カメラとレンズを接続する部分「レンズマウント」ごとに作る「サードパーティーレンズ」の2種類がある。今回のランキングでは、そのレンズがどのメーカーのカメラに使用できるか、ということで「レンズマウント」別に、売れ筋レンズを紹介しよう。
まず、キヤノン用の「キヤノンEFマウント」レンズから。1位はキヤノン純正の単焦点レンズ「EF50mm F1.8 II」だった。重さわずか130gというコンパクトモデルで、同社は単焦点レンズの入門用として適したレンズとして位置づけている。2位も同じ製品の海外向けモデルだった。
3位がタムロンの「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO」がランクイン。焦点距離が18-270mmで、世界最大の15倍のズーム倍率を実現したレンズで、広角18mmから超望遠270mmまでを1本でカバーできるモデルだ。
続いて、ニコン用「ニコンFマウント」を採用した交換レンズの売れ筋を見てみよう。1位はニコン純正の「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」。同社で初めて「D300」「D90」「D60」などのDXフォーマット専用に開発した単焦点レンズだ。35mmフィルムカメラ換算で52.5mm相当で、APS-Cサイズ用の標準レンズともいえる。
2位が「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)」で、70mmから300mmをカバーする望遠ズームレンズ。そして、3位を獲得したのは、キヤノン用でも3位に入ったタムロン「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO」のニコン用だった。
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ソニーのデジタル一眼用「ソニーαマウント」採用の交換レンズでは、サードパーティ製のレンズが目立つ。上位11本のうち、およそ半分の6本を占めた。その中で1位はソニー製の純正レンズ「75-300mm F4.5-5.6」。75-300mmをカバーするズームレンズだ。
2位がタムロンの「AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro」。広角から望遠までをカバーする、ズーム倍率11倍のレンズだ。3位にはソニー製の単焦点レンズ「50mm F1.4」がランクインした。
パナソニックとオリンパスは、共に「フォーサーズマウント」を採用している。また、パナソニックの「LUMIX Gシリーズ」が採用している「マイクロフォーサーズ」規格対応レンズについては、該当製品が4機種しかないため、「フォーサーズマウント」に含めて集計した。
1位はオリンパス製「ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6」。ニコン、ソニーの両マウントでも人気の70-300mm前後の望遠ズーム。しかし、フォーサーズ系では、35mmフィルムカメラに換算した焦点距離がレンズの焦点距離のほぼ2倍になるため、さらに望遠効果の高いレンズだといえる。
2位もオリンパス製の単焦点レンズ「ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8」。本体が非常に薄いことからパンケーキレンズと呼ばれるモデルだ。同社のデジタル一眼レフカメラ「E-420」と組み合わせた時のコンパクトさが印象に残っている人も多いだろう。3位にも同様に、オリンパス製の単焦点レンズ「ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro」がランクインした。
各マウントで人気のレンズを眺めると、上位に必ず単焦点レンズが入っていることに気がつく。ズームレンズが一般的になっているなか、焦点距離が変更できない単焦点レンズが人気を集めているのは、いくつかのメリットがあるからだ。
最大のポイントは画質の高さ。特定の焦点距離で画質を考慮すればいいため設計が比較的容易で、高画質で明るいレンズが多い。また、構造が単純なので、小さく軽くすることができ、ズームレンズに比べ安価だ。
一方、単焦点レンズのデメリットは「ズーム機能が使えないこと」に尽きる。例えば、よく使われる18-200mmの高倍率ズームレンズを、単焦点レンズで置き換えるとすると、18mm、20mm、24mm、28mm、35mm、50mm、85mm、105mm、135mm、200mmと10本ほどのレンズを使わなければならない。もちろん、それぞれの間の焦点距離では使えないことになる。
1本の単焦点レンズでさまざまな画角をカバーしようとすれば、カメラを持った撮影者自身が、被写体に近づいたり遠ざかったりして動いて構図を決めなければならない。このように単焦点レンズを使い「自ら動きながら構図を決める」撮影方法は、一見すると面倒だが写真撮影の基本とされ、上達への近道とも言われている。交換レンズを選ぶなら、単焦点レンズも候補に入れてみてはどうだろう。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで124品目を対象としています。
デジタル一眼用の交換レンズには、大きくわけて、カメラメーカーが作っている「純正レンズ」と、レンズメーカーが、カメラとレンズを接続する部分「レンズマウント」ごとに作る「サードパーティーレンズ」の2種類がある。今回のランキングでは、そのレンズがどのメーカーのカメラに使用できるか、ということで「レンズマウント」別に、売れ筋レンズを紹介しよう。
キヤノン
順位 | メーカー | 製品名 | 焦点距離 | 最短撮影距離 |
---|---|---|---|---|
1 | キヤノン | EF50mm F1.8 II | 50mm | 45cm |
2 | キヤノン | EF50mm F1.8 II(国外モデル) | 50mm | 45cm |
3 | タムロン | AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO | 18-270mm | 49cm |
4 | キヤノン | EF-S55-250mm F4-5.6 IS | 55-250mm | 110cm |
5 | キヤノン | EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS | 18-200mm | 45cm |
6 | キヤノン | EF-S60mm F2.8 マクロ USM | 60mm | 20cm |
7 | キヤノン | EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM | 10-22mm | 24cm |
8 | タムロン | SP AF17-50mm F/2.8 XR DiII LD Aspherical [IF] | 17-50mm | 27cm |
9 | キヤノン | EF24-105mm F4L IS USM | 24-105mm | 45cm |
10 | キヤノン | EF50mm F1.4 USM | 50mm | 45cm |
「BCNランキング」 09年4月月次 <最大パネル>
まず、キヤノン用の「キヤノンEFマウント」レンズから。1位はキヤノン純正の単焦点レンズ「EF50mm F1.8 II」だった。重さわずか130gというコンパクトモデルで、同社は単焦点レンズの入門用として適したレンズとして位置づけている。2位も同じ製品の海外向けモデルだった。
キヤノン「EF50mm F1.8 II」
3位がタムロンの「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO」がランクイン。焦点距離が18-270mmで、世界最大の15倍のズーム倍率を実現したレンズで、広角18mmから超望遠270mmまでを1本でカバーできるモデルだ。
タムロン「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO」
ニコン
順位 | メーカー | 製品名 | 焦点距離 | 最短撮影距離 |
---|---|---|---|---|
1 | ニコン | AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G | 35mm | 30cm |
2 | ニコン | AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF) | 70-300mm | 150cm |
3 | タムロン | AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO | 18-270mm | 49cm |
4 | ニコン | AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)(国外モデル) | 70-300mm | 150cm |
5 | ニコン | AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF) | 18-200mm | 50cm |
6 | ニコン | AF-S NIKKOR 50mm F1.4G | 50mm | 45cm |
7 | ニコン | AF-S Micro-NIKKOR 60mm F2.8G ED | 60mm | 18.5cm |
8 | シグマ | 18-200mm F3.5-6.3 DC OS HSM | 18-200mm | 45cm |
9 | ニコン | AF Zoom-Nikkor 70-300mm F4-5.6G ブラック | 70-300mm | 150cm |
9 | ニコン | AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED | 24-70mm | 38cm |
「BCNランキング」 09年4月月次 <最大パネル>
続いて、ニコン用「ニコンFマウント」を採用した交換レンズの売れ筋を見てみよう。1位はニコン純正の「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」。同社で初めて「D300」「D90」「D60」などのDXフォーマット専用に開発した単焦点レンズだ。35mmフィルムカメラ換算で52.5mm相当で、APS-Cサイズ用の標準レンズともいえる。
ニコン「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」
2位が「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)」で、70mmから300mmをカバーする望遠ズームレンズ。そして、3位を獲得したのは、キヤノン用でも3位に入ったタムロン「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO」のニコン用だった。
(左から)ニコン「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)」と、タムロン「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO」
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ソニー
順位 | メーカー | 製品名 | 焦点距離 | 最短撮影距離 |
---|---|---|---|---|
1 | ソニー | 75-300mm F4.5-5.6 | 75-300mm | 150cm |
2 | タムロン | AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro | 18-200mm | 45cm |
3 | ソニー | 50mm F1.4 | 50mm | 45cm |
4 | ソニー | 70-400mm F4-5.6 G SSM | 70-400mm | 150cm |
5 | タムロン | SP AF17-50mm F/2.8 XR DiII LD Aspherical [IF] | 17-50mm | 27cm |
6 | シグマ | APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO | 70-300mm | 95cm |
6 | シグマ | 30mm F1.4 EX DC | 30mm | 40cm |
6 | ソニー | 50mm F2.8 Macro | 50mm | 20cm |
9 | ソニー | DT 11-18mm F4.5-5.6 | 11-18mm | 25cm |
9 | タムロン | AF70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2 | 70-300mm | 95cm |
9 | ソニー | 70-300mm F4.5-5.6 G SSM | 70-300mm | 120cm |
「BCNランキング」 09年4月月次 <最大パネル>
ソニーのデジタル一眼用「ソニーαマウント」採用の交換レンズでは、サードパーティ製のレンズが目立つ。上位11本のうち、およそ半分の6本を占めた。その中で1位はソニー製の純正レンズ「75-300mm F4.5-5.6」。75-300mmをカバーするズームレンズだ。
ソニー「75-300mm F4.5-5.6」
2位がタムロンの「AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro」。広角から望遠までをカバーする、ズーム倍率11倍のレンズだ。3位にはソニー製の単焦点レンズ「50mm F1.4」がランクインした。
(左から)タムロン「AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro」と、ソニー「50mm F1.4」
パナソニック+オリンパス
順位 | メーカー | 製品名 | 焦点距離 | 最短撮影距離 |
---|---|---|---|---|
1 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6 | 70-300mm | 96cm |
2 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 | 25mm | 13cm |
3 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro | 35mm | 14.6cm |
4 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 | 9-18mm | 25cm |
5 | パナソニック | LUMIX G VARIO 45-200mm/ F4.0-5.6/MEGA O.I.S. | 45-200mm | 100cm |
6 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro | 50mm | 24cm |
7 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 18-180mm F3.5-6.3 | 18-180mm | 45cm |
8 | パナソニック | LUMIX G VARIO 7-14mm/F4.0 ASPH. | 7-14mm | 25cm |
9 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 | 14-54mm | 22cm |
9 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD | 50-200mm | 120cm |
※オレンジ色の製品はマイクロフォーサーズ規格
「BCNランキング」 09年4月月次 <最大パネル>
パナソニックとオリンパスは、共に「フォーサーズマウント」を採用している。また、パナソニックの「LUMIX Gシリーズ」が採用している「マイクロフォーサーズ」規格対応レンズについては、該当製品が4機種しかないため、「フォーサーズマウント」に含めて集計した。
1位はオリンパス製「ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6」。ニコン、ソニーの両マウントでも人気の70-300mm前後の望遠ズーム。しかし、フォーサーズ系では、35mmフィルムカメラに換算した焦点距離がレンズの焦点距離のほぼ2倍になるため、さらに望遠効果の高いレンズだといえる。
オリンパス「ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6」
2位もオリンパス製の単焦点レンズ「ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8」。本体が非常に薄いことからパンケーキレンズと呼ばれるモデルだ。同社のデジタル一眼レフカメラ「E-420」と組み合わせた時のコンパクトさが印象に残っている人も多いだろう。3位にも同様に、オリンパス製の単焦点レンズ「ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro」がランクインした。
(左から)オリンパス「ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8」と「ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro」
ズーム機能はないけれど人気 単焦点レンズとは?
各マウントで人気のレンズを眺めると、上位に必ず単焦点レンズが入っていることに気がつく。ズームレンズが一般的になっているなか、焦点距離が変更できない単焦点レンズが人気を集めているのは、いくつかのメリットがあるからだ。
最大のポイントは画質の高さ。特定の焦点距離で画質を考慮すればいいため設計が比較的容易で、高画質で明るいレンズが多い。また、構造が単純なので、小さく軽くすることができ、ズームレンズに比べ安価だ。
一方、単焦点レンズのデメリットは「ズーム機能が使えないこと」に尽きる。例えば、よく使われる18-200mmの高倍率ズームレンズを、単焦点レンズで置き換えるとすると、18mm、20mm、24mm、28mm、35mm、50mm、85mm、105mm、135mm、200mmと10本ほどのレンズを使わなければならない。もちろん、それぞれの間の焦点距離では使えないことになる。
1本の単焦点レンズでさまざまな画角をカバーしようとすれば、カメラを持った撮影者自身が、被写体に近づいたり遠ざかったりして動いて構図を決めなければならない。このように単焦点レンズを使い「自ら動きながら構図を決める」撮影方法は、一見すると面倒だが写真撮影の基本とされ、上達への近道とも言われている。交換レンズを選ぶなら、単焦点レンズも候補に入れてみてはどうだろう。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで124品目を対象としています。