自作心をくすぐるハイパワー電源、ENERMAX「ERV1050EWT」
久々にPC自作ユーザーたちの「やる気」を呼び起こす電源ユニットが登場した。それが「ERV1050EWT」。PC用電源、ケース、周辺機器を製造する台湾メーカー、ENERMAXの製品だ。ATX電源ユニットで、エネルギー変換効率が高い「REVOLUTION85+シリーズ」の中で、1050Wという電源容量を持つ最上位モデル。黒を基調としたデザインや着脱式モジュラーケーブルの採用、高い静音声などの特徴を備え、最高の一台を組み上げるための心強い心臓部となってくれるはず。その全貌に迫ってみた。
★ENERMAXのPCケースファン「CLUSTER UCCL12」レビューはこちら
「80 PLUS」という言葉をご存じだろうか。これは電気機器の省電力化を目指す「80 PLUSプログラム」によって推進される規格で、PCやサーバーの電源装置が、ある一定負荷時(20-100%出力時)に80%以上の変換効率を達成した製品に与えられる認証だ。
「80 PLUS」にはレベルがあり、出力20%時に80%以上の実効率を持つ製品に与えられる「80PLUS スタンダード」、出力20%時に82%以上の「80PLUS BRONZE」、出力20%時に85%以上の「80PLUS SILVER」、出力20%時に87%以上の「80PLUS GOLD」の4段階で格付けされている。
今回紹介する「ERV1050EWT」はこのうち「80PLUS SILVER」の認証を受けた高性能な電源ユニットだ。高い変換効率を持つということは、発熱しにくいということを意味する。この電源が1050Wというモンスター級の電源容量を持つことを考えれば、この特性は非常にありがたい。大容量電源搭載のための特別な冷却対策を行う必要がないからだ。いわば昨今のエコ時代を反映した規格だと言えるだろう。
1050Wという電源容量は、マシンを組み立てる上での自由度が高い。ハイエンドサーバー並の大容量ストレージ環境や、3Dゲーマー向けのSLI及びCrossFireX等のマルチグラフィックカード仕様なども思いのまま。また、intelのCore i7やCore 2シリーズ、AMDのPhenomシリーズといったマルチコアCPUとの相性もよい。高負荷時でも供給電力不足の心配がなく、高いパフォーマンスでマシンを動作させることができる。
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もう一つ、この電源の大きな特徴が「着脱式のモジュラーケーブルを採用している」という点。自作を経験したユーザーならわかると思うが、未使用の電源ケーブルほど邪魔な存在はない。ケース内にヘビのような未使用ケーブルがのたうつことで排気が妨げられ、熱がこもる原因にもなる。
「ERV1050EWT」ならば、不必要なケーブルを外しておけるのでケース内がスッキリし、拡張カードやコネクタの着脱などメンテナンス面でも有利。同時にケース内に充分なスペースが生まれ、排熱性も大きく向上する。ミドルタワークラスのケースでも、広々としたスペースを確保できたのは少々驚きだった。
また、電源内部の温度や負荷に連動してファン速度を700-1500RPMの間で自動制御するオートスピードコントロール機能と、13.5cm大口径静音ファンによって静音性も非常に高い。実際に動作させてみたが、通常時から高負荷時までを通して、1050Wのスペックを持つ電源とは思えないほど静か。むしろCPUファンの動作音の方が気になってしまうほどだった。
加えてPCシャットダウン後、自動的に30-60秒間冷却ファンが回転しケース内に残った熱を排出するヒートガード機能など、安全性と製品寿命の向上にも充分な配慮が成されている点にも注目したい。
「デザイン性にも優れる」というのもこの電源の大きな特徴の一つ。写真を見て分かる通り、マットなブラックを基調としたデザインはなかなか精悍。ファンの赤いマウントなどブラックボディに映えるワンポイントと相まって、PC自作への情熱を強く喚起してくれる。加えてオリジナルデザインのマジックバンドやケーブル収納ケースなどが付属する点などもなかなか嬉しい演出だ。
1050Wという圧倒的な電源容量に、優れた静音性と高性能を極める独自機能の数々、そして「やる気」を喚起するデザイン。ハイエンドマシンの自作だけでなく、既存マシンの高負荷時の不安定性に悩んでいるようなら、「ERV1050EWT」は心強いパートナーになってくれるだろう。(ITジャーナリスト 市川 昭彦)
★ENERMAXのPCケースファン「CLUSTER UCCL12」レビューはこちら
1ランク上の性能の証「80PLUS SILVER」を取得
「80 PLUS」という言葉をご存じだろうか。これは電気機器の省電力化を目指す「80 PLUSプログラム」によって推進される規格で、PCやサーバーの電源装置が、ある一定負荷時(20-100%出力時)に80%以上の変換効率を達成した製品に与えられる認証だ。
「80 PLUS」にはレベルがあり、出力20%時に80%以上の実効率を持つ製品に与えられる「80PLUS スタンダード」、出力20%時に82%以上の「80PLUS BRONZE」、出力20%時に85%以上の「80PLUS SILVER」、出力20%時に87%以上の「80PLUS GOLD」の4段階で格付けされている。
「ERV1050EWT」
オリジナルのマジックバンドやケーブル収納ケースなども付属する
オリジナルのマジックバンドやケーブル収納ケースなども付属する
今回紹介する「ERV1050EWT」はこのうち「80PLUS SILVER」の認証を受けた高性能な電源ユニットだ。高い変換効率を持つということは、発熱しにくいということを意味する。この電源が1050Wというモンスター級の電源容量を持つことを考えれば、この特性は非常にありがたい。大容量電源搭載のための特別な冷却対策を行う必要がないからだ。いわば昨今のエコ時代を反映した規格だと言えるだろう。
あらゆるハイエンドマシン構築を可能としてくれる特徴の数々
1050Wという電源容量は、マシンを組み立てる上での自由度が高い。ハイエンドサーバー並の大容量ストレージ環境や、3Dゲーマー向けのSLI及びCrossFireX等のマルチグラフィックカード仕様なども思いのまま。また、intelのCore i7やCore 2シリーズ、AMDのPhenomシリーズといったマルチコアCPUとの相性もよい。高負荷時でも供給電力不足の心配がなく、高いパフォーマンスでマシンを動作させることができる。
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もう一つ、この電源の大きな特徴が「着脱式のモジュラーケーブルを採用している」という点。自作を経験したユーザーならわかると思うが、未使用の電源ケーブルほど邪魔な存在はない。ケース内にヘビのような未使用ケーブルがのたうつことで排気が妨げられ、熱がこもる原因にもなる。
「ERV1050EWT」ならば、不必要なケーブルを外しておけるのでケース内がスッキリし、拡張カードやコネクタの着脱などメンテナンス面でも有利。同時にケース内に充分なスペースが生まれ、排熱性も大きく向上する。ミドルタワークラスのケースでも、広々としたスペースを確保できたのは少々驚きだった。
13.5cmの大口径静音ファンは非常に静かな動作音
また、電源内部の温度や負荷に連動してファン速度を700-1500RPMの間で自動制御するオートスピードコントロール機能と、13.5cm大口径静音ファンによって静音性も非常に高い。実際に動作させてみたが、通常時から高負荷時までを通して、1050Wのスペックを持つ電源とは思えないほど静か。むしろCPUファンの動作音の方が気になってしまうほどだった。
加えてPCシャットダウン後、自動的に30-60秒間冷却ファンが回転しケース内に残った熱を排出するヒートガード機能など、安全性と製品寿命の向上にも充分な配慮が成されている点にも注目したい。
自作心をくすぐるデザイン
「デザイン性にも優れる」というのもこの電源の大きな特徴の一つ。写真を見て分かる通り、マットなブラックを基調としたデザインはなかなか精悍。ファンの赤いマウントなどブラックボディに映えるワンポイントと相まって、PC自作への情熱を強く喚起してくれる。加えてオリジナルデザインのマジックバンドやケーブル収納ケースなどが付属する点などもなかなか嬉しい演出だ。
ブラックを基調としたデザインにもこだわりが
1050Wという圧倒的な電源容量に、優れた静音性と高性能を極める独自機能の数々、そして「やる気」を喚起するデザイン。ハイエンドマシンの自作だけでなく、既存マシンの高負荷時の不安定性に悩んでいるようなら、「ERV1050EWT」は心強いパートナーになってくれるだろう。(ITジャーナリスト 市川 昭彦)