カナル型なら5000円以上、「チョイ高」イヤホン&へッドホンの売れ筋
iPodなどの携帯オーディオで音楽を楽しむのに欠かせないのがイヤホンやヘッドホンだ。タイプ別では「カナル型」と「ヘッドバンド型」が台数でヘッドホン・イヤホン全体の6割と人気を集めている。いずれもちょっと高めの製品を選べば、音質も装着感もずっとよくなる。「チョイ高」モデルの売れ筋を探った。
09年3月の「BCNランキング」によると、ゴム製などのイヤーパットが付いている「カナル型」イヤホンの税別平均単価は2419円。一方、一般的にヘッドホンと呼ばれている「ヘッドバンド型」で、サラウンド対応モデルを除いた製品の平均単価は3948円だった。
そこで、それぞれ平均単価のおよそ2倍以上のものを「チョイ高」モデルと名づけ、「カナル型」は5000円以上、「ヘッドバンド型」では1万円以上の製品に絞って、カラーバリエーションを合算したシリーズ別販売個数シェアトップ10をチェックしてみた。
2位はソニーの「MDR-EX500SL」でシェアは16.9%。ドライバーユニットを外耳道に対して垂直に配置する形状を採用。装着しやすく、クリアな音声を再生する。カラーはホワイトとブラックの2色で、ブラックの市場推定価格は9200円。
3位も同じくソニーで、周囲の騒音を約4分の1に抑える「ノイズキャンセリング機能」を備える「MDR-NC22」が入った。シェアは6.4%。航空機用のプラグアダプタを同梱する。カラーはブラック、ホワイト、ピンク。ブラックの市場推定価格は7300円。
また、4位は45cmという短めのケーブルを採用したShureの「SE102-J」、5位にはオーディオテクニカのノイズキャンセリング機能搭載モデル「ATH-ANC3」がランクインした。トップ10中、ノイズキャンセリング機能を備えた製品は2モデル。また、08年中に発売されたものが6モデルと過半数を占め、比較的新しい製品が売れ筋のようだ。
2位・3位もオーディオテクニカで、「ATH-ES7」が7.3%、トップ10中、唯一ノイズキャンセリング機能を備えた「ATH-ANC7」が7%で続いた。、「ATH-ES7」は、ハウジング背面の素材にステンレスを用いた美しい鏡面仕上げが特徴。本体はすっきりとしたシンプルなデザインで、持ち運びしやすい折りたたみ式。カラーはブラックとホワイト。ブラックの市場推定価格は1万3600円。
「ATH-ANC7」は、ノイズキャンセリング機能を搭載し、周囲の騒音を85%以上低減できるという。同機能を使うには乾電池が必要だが、電池が切れても通常のヘッドホンとして使用できる。本体は折りたたみ式で持ち運び可能。市場推定価格は1万7500円。
このほか5位には、1990年5月発売というロングセラーのソニー・ミュージックコミュニケーションズ「MDR-CD900ST」、6位はボーズの「BOSE-OE-S」がランクインした。なお、トップ10中、ハウジング部の背面が塞がっている「密閉型」が9モデルを占め、背面に格子状の穴が開いている「開放型」は6位の「BOSE-OE-S」のみだった。また、メーカー別で見ると、オーディオテクニカが6モデルと他社を大きく引き離している。
それぞれトップ10を見ると、イヤホンは1万円前後、へッドホンなら2万円前後が売れ筋の価格帯となっている。こうした「チョイ高」モデルを選べば、ごく普通のイヤホンに比べて、高音・低音の伸びや音の広がり、臨場感がぐっと増す。着け心地も良くなることだろう。携帯オーディオを毎日使うなら、イヤホン・ヘッドホンにこだわって損はないはずだ。(BCN・井上真希子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで124品目を対象としています。
*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。
09年3月の「BCNランキング」によると、ゴム製などのイヤーパットが付いている「カナル型」イヤホンの税別平均単価は2419円。一方、一般的にヘッドホンと呼ばれている「ヘッドバンド型」で、サラウンド対応モデルを除いた製品の平均単価は3948円だった。
そこで、それぞれ平均単価のおよそ2倍以上のものを「チョイ高」モデルと名づけ、「カナル型」は5000円以上、「ヘッドバンド型」では1万円以上の製品に絞って、カラーバリエーションを合算したシリーズ別販売個数シェアトップ10をチェックしてみた。
ボーズとソニーの2モデルがせめぎあい――カナル型イヤホントップ10
順位 | メーカー | シリーズ | 発売月 | 販売個数 シェア(%) |
---|---|---|---|---|
1 | ボーズ | BOSE-IE-S | 2007/12 | 18.6 |
2 | ソニー | MDR-EX500SL | 2008/10 | 16.9 |
3 | ソニー | MDR-NC22 | 2006/10 | 6.4 |
4 | Shure | SE102-J | 2008/10 | 5.3 |
5 | オーディオ テクニカ | ATH-ANC3 | 2008/02 | 5.3 |
6 | オーディオ テクニカ | ATH-CKM70 | 2008/07 | 3.8 |
7 | ビクター | HP-FXC70 | 2008/09 | 3.3 |
8 | パイオニア | SE-CLX50 | 2008/11 | 3.2 |
9 | デノン | AH-C551 | 2007/09 | 2.7 |
10 | デノン | AH-C700 | 2006/11 | 2.4 |
※オレンジ色の製品はノイズキャンセリング対応
「BCNランキング」09年3月 月次 <最大パネル>
5000円以上のカナル型イヤホンの1位は、ボーズの「BOSE-IE-S」でシェアは18.6%。独自の技術「トライポート・テクノロジー」を採用し、力強い低音を再生するのが特徴。ソフトシリコン製のイヤーパッドが付属する。市場推定価格は1万1700円。「BCNランキング」09年3月 月次 <最大パネル>
2位はソニーの「MDR-EX500SL」でシェアは16.9%。ドライバーユニットを外耳道に対して垂直に配置する形状を採用。装着しやすく、クリアな音声を再生する。カラーはホワイトとブラックの2色で、ブラックの市場推定価格は9200円。
(上段から)ボーズの「BOSE-IE-S」、ソニーの「MDR-EX500SL」「MDR-NC22」
3位も同じくソニーで、周囲の騒音を約4分の1に抑える「ノイズキャンセリング機能」を備える「MDR-NC22」が入った。シェアは6.4%。航空機用のプラグアダプタを同梱する。カラーはブラック、ホワイト、ピンク。ブラックの市場推定価格は7300円。
(左から)Shureの「SE102-J」、オーディオテクニカの「ATH-ANC3」
また、4位は45cmという短めのケーブルを採用したShureの「SE102-J」、5位にはオーディオテクニカのノイズキャンセリング機能搭載モデル「ATH-ANC3」がランクインした。トップ10中、ノイズキャンセリング機能を備えた製品は2モデル。また、08年中に発売されたものが6モデルと過半数を占め、比較的新しい製品が売れ筋のようだ。
オーディオテクニカが6モデル――ヘッドバンド型トップ10
順位 | メーカー | シリーズ | 構造 | ノイズ キャンセリング | 発売月 | 販売個数 シェア(%) |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | オーディオ テクニカ | ATH-A900 | 密閉型 | × | 2002/10 | 8.9 |
2 | オーディオ テクニカ | ATH-ES7 | 密閉型 | × | 2005/10 | 7.3 |
3 | オーディオ テクニカ | ATH-ANC7 | 密閉型 | ○ | 2007/02 | 7.0 |
4 | オーディオ テクニカ | ATH-M50 | 密閉型 | × | 2007/09 | 5.1 |
5 | ソニー・ミュージック コミュニケーションズ | MDR-CD900ST | 密閉型 | × | 1990/05 | 5.1 |
6 | ボーズ | BOSE-OE-S | 開放型 | × | 2006/12 | 4.6 |
7 | ボーズ | TP-1SB | 密閉型 | × | 2005/11 | 4.5 |
8 | オーディオ テクニカ | ATH-PRO700 | 密閉型 | × | 2004/10 | 4.0 |
9 | デノン | AH-D1000 | 密閉型 | × | 2007/03 | 3.3 |
10 | オーディオ テクニカ | ATH-ESW9 | 密閉型 | × | 2007/10 | 3.2 |
※サラウンド対応モデルを除く
「BCNランキング」09年3月 月次 <最大パネル>
サラウンド対応モデルを除いた1万円以上のヘッドバンド型の1位は、オーディオテクニカの「ATH-A900」でシェアは8.9%。自宅で映像を視聴する際など、長時間装着しても疲れにくい機構「3D方式ウィングサポート」をバンド部に搭載。内側にはクッションを備え、頭にフィットしやすいという。ハウジング背面のカラーはブルー。市場推定価格は1万7000円。「BCNランキング」09年3月 月次 <最大パネル>
2位・3位もオーディオテクニカで、「ATH-ES7」が7.3%、トップ10中、唯一ノイズキャンセリング機能を備えた「ATH-ANC7」が7%で続いた。、「ATH-ES7」は、ハウジング背面の素材にステンレスを用いた美しい鏡面仕上げが特徴。本体はすっきりとしたシンプルなデザインで、持ち運びしやすい折りたたみ式。カラーはブラックとホワイト。ブラックの市場推定価格は1万3600円。
(上段から反時計回りに)オーディオテクニカの「ATH-A900」「ATH-ES7」「ATH-ANC7」
「ATH-ANC7」は、ノイズキャンセリング機能を搭載し、周囲の騒音を85%以上低減できるという。同機能を使うには乾電池が必要だが、電池が切れても通常のヘッドホンとして使用できる。本体は折りたたみ式で持ち運び可能。市場推定価格は1万7500円。
このほか5位には、1990年5月発売というロングセラーのソニー・ミュージックコミュニケーションズ「MDR-CD900ST」、6位はボーズの「BOSE-OE-S」がランクインした。なお、トップ10中、ハウジング部の背面が塞がっている「密閉型」が9モデルを占め、背面に格子状の穴が開いている「開放型」は6位の「BOSE-OE-S」のみだった。また、メーカー別で見ると、オーディオテクニカが6モデルと他社を大きく引き離している。
(左から)ソニー・ミュージックコミュニケーションズ「MDR-CD900ST」、ボーズの「BOSE-OE-S」
それぞれトップ10を見ると、イヤホンは1万円前後、へッドホンなら2万円前後が売れ筋の価格帯となっている。こうした「チョイ高」モデルを選べば、ごく普通のイヤホンに比べて、高音・低音の伸びや音の広がり、臨場感がぐっと増す。着け心地も良くなることだろう。携帯オーディオを毎日使うなら、イヤホン・ヘッドホンにこだわって損はないはずだ。(BCN・井上真希子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで124品目を対象としています。
*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。