店員さんに聞いてきた、メインマシンとして使える最新ノートPCのポイント

特集

2009/02/24 20:00

 新生活のスタートを控え、ノートPCの購入を考えている人も多いだろう。メインマシンとして使うなら、若干値が張っても、処理能力の高いモデルを選びたい。ということで、現在店頭に並んでいる09年春モデルについて、家電量販店の店員さんに最新トレンドと、実勢価格15万円前後の各メーカーの主力モデルのポイントを聞いてきた。

春モデルのトレンドは、Windows Vistaを生かす4GBメモリ



ビックカメラ有楽町店・本館5F・Windowsコーナーの渡部賢三さん

 今回お話を伺ったのは、ビックカメラ有楽町店・本館5F・Windowsコーナーの渡部賢三さん。渡部さんは、ノートPC春モデルの特徴として、まず、「普及価格帯のモデルでも、標準で4GBのメモリを搭載するモデルが出てきたことですね」と教えてくれた。

 メモリは、PCの処理能力を左右するスペックの一つ。これが大きいほど、同時に実行できるソフトウェアの数が増えたり、大量のデータをまとめて処理することができる。とくに、ハイビジョン映像の編集や画像処理など、負荷の高い作業する場合、メモリ容量は重要なポイントだ。

 「Windows Vista搭載モデルでは、これまでは2GBが主流でした。しかし、Vistaをより快適に動かしたいと、購入時にメモリを増設される方が多かったです。やはりユーザーの方は使い勝手を重視されますので、動作の軽快さはポイントになります。その意味で、増設しなくても4GBのメモリを搭載しているというのは大きいと思いますよ」と渡部さん。

 普及価格帯といわれる実勢価格15万-20万円程度のモデルに、4GBメモリを搭載しているのは東芝、NEC、ソニーの3社。そこで、ここからは、その価格帯に該当する、各社の主力モデルのポイントを紹介していこう。

東芝 dynabook TXシリーズ



dynabook TXシリーズ

 春モデルでは、シリーズ共通仕様として4GBのメモリを標準搭載。また、薄型テレビと同じ、アスペクト比16:9の16型ワイド液晶ディスプレイを装備し、ハイビジョンコンテンツをフル画面で表示できる。

渡部さんのオススメポイント!
「画面の大きさもそうですが、音質に定評のあるスピーカーを搭載しているので、DVD鑑賞や音楽CDの再生など、マルチメディアの部分で力を発揮する面白い製品です」


→東芝、16:9の16型ワイド液晶搭載モデルなど「dynabook」新モデル計7シリーズ


NEC LaVie Lシリーズ



LaVie Lシリーズ

 上位モデルの「LL850/SG」とスタンダードモデルの「LL770」「LL750」は、4GBのメモリを標準搭載。ディスプレイには、色再現比72%と、明るい画面が特徴の「スーパーシャインビューEX2液晶」を採用する。

渡部さんのオススメポイント!
「画面の色が良いというのがNEC製品の特徴です。以前、旧モデルと新モデルで画質の比較展開を行ったこともあるんですが、発色のよさという点から見ると、モデルチェンジの度にきれいになっている印象を受けます」


→NEC、春モデル・ノートPC、デジタルフォトフレーム機能を搭載した3シリーズ


ソニー VAIO type F



VAIO type F

 「VAIO」の春モデルは、「type F」や「type A」など一部のシリーズで、4GBメモリに加え、OSにWindows Vistaの64bit版を採用。従来の32bit版のVistaでは、4GBのメモリを搭載していても、構造上およそ3.2GBまでしか認識できなかったが、64ビット版なら、4GBのメモリをフルに活用できるという。

渡部さんのオススメポイント!
「ソニーといえば、デザインの多様性は昔から特徴ですが、最近はブルーレイディスクドライブを選択できるのもポイントですね。また、デジタルビデオカメラの『ハンディカム』を使われていて、VAIOを選ぶ方もいらっしゃいます」

→ソニー、ノートPCの春モデル7シリーズ、Windows Vista 64ビット版を搭載


富士通 FMV-BIBLO NFシリーズ



FMV-BIBLO NFシリーズ

 富士通の09年春モデルには、標準で4GBメモリを搭載する機種はないが、直販サイトでは、4GBメモリをオプションとして選択することが可能。また、「NFシリーズ」と「NWシリーズ」の一部モデルでは、縦横比16:9の液晶ディスプレイを採用している。

渡部さんのオススメポイント!
「スペックもさることながら、デザインが非常に注目されています。また、キーボードに10キーを搭載しており、数字入力が簡単に行えるなど、操作性の面でもユーザーには好評です」

→富士通、セカンドディスプレイを搭載した「NWシリーズ」など5シリーズ


まだまだあるチェックポイント、地デジチューナーとHDMI端子の有無に注目



 メモリ容量と並んで、注目したいポイントは液晶画面の縦横比。一部の上位機種にしか採用されていなかった、アスペクト比16:9の液晶ディスプレイが、相次いで、普及価格帯のモデルにも採用され始めたからだ。

 これまでノートPCの液晶ディスプレイの縦横比は16:10が一般的で、ハイビジョン映像の再生時には、画面の上下に黒帯が映ってしまうのが常だった。しかし、16:9ならば、ハイビジョン映像を全画面で鑑賞できる。今回紹介したなかでは、東芝の「dynabook TX」、ソニーの「VAIO type F」、富士通の「FMV-BIBLO NFシリーズ」の一部モデルのみだが、PCでハイビジョンコンテンツを扱うケースも増えており、将来的には16:9が主流になりそうだ。

 最後に、渡部さんは最近のユーザーの傾向として、地上デジタルチューナーやHDMI端子が搭載されているか、という点を気にするユーザーが増えてきていると話した。チューナーについては、「徐々にではありますが、以前より問い合わせは増えてきています」という。

 HDMI端子に関しては、「ご年配の方に写真を見せたいというということで、お問い合わせをいただくことがあります。家族の動画や写真をノートPCに保存して、実家のご両親のお宅へ持っていき、大画面テレビに接続して鑑賞する、といった用途に使用されたりしているようです」と渡部さん。

 最新の薄型テレビは、ほぼすべてHDMI入力端子を備えており、PC側にHDMI出力端子があれば、ケーブル1本でPC内のコンテンツをテレビに出力できる。ただし、TVチューナーのように、後から増設することはできないので、テレビとつないで使いたいなら、必ずHDMI端子の有無をチェックしよう。デスクトップPCに比べ、ノートPCはどうしても拡張性が低い。長期間、快適に使えるように、スペック・デザインともに、満足できるモデルを選ぼう。(BCN・山田五大)