HDDやBDにかんたん録画! 録れるテレビの売れ筋は? 

特集

2009/02/01 11:00

 内蔵HDDなどに番組を手軽に録画できるテレビが増えている。以前から東芝や日立は力を入れていたが、08年秋以降、パナソニックやシャープも同様の製品を新たに投入。1TBの大容量HDDを内蔵したプラズマテレビ、BDレコーダー一体型の液晶テレビなど、選択肢が豊富になってきた。そこで今回は「BCNランキング」をもとに、「録れるテレビ」のランキングを紹介しよう。

観て消す派はHDD内蔵タイプ、BDも見るならBDレコーダー内蔵タイプを




 録画ができるテレビは、大きくわけて2タイプある。HDDを内蔵した製品と、最近登場したBDレコーダーを内蔵した製品だ。どちらも、テレビ本体に録画機能を備え、リモコンの「録画」ボタンを押すだけで録画を開始。再生も、画面に表示されたリストから選ぶだけで簡単に行える。

 HDDを内蔵したタイプは、テレビだけで手軽に録画できるのが最大の特徴。電子番組表を使った予約録画も可能で、外出中に放送されるテレビ番組を録画し、見終わったら消す使い方なら十分だろう。たいていの場合、録画中でも、録画を開始した場面にさかのぼって再生できるタイムシフト再生機能も備えており、ディスクに焼けない点を除けば、使い勝手は一般的なレコーダーとほぼ同じだ。

 一方、BDレコーダー内蔵タイプは、09年1月末時点では、シャープの「AQOUS(アクオス) DX1」シリーズのみ。録画するために別途BD-Rなどのメディアが必要という欠点はあるが、HDD内蔵タイプ同様、リモコン1つでテレビ番組を録画できる上、BD/DVDプレーヤーとして利用することもできる。ディスクを挿入するだけで再生を開始するなど、より簡単な操作性も追求。設置場所を余り取りたくない、レンタルソフトも観たい、といった人にオススメだ。


 なお、録画ができるテレビは、基本的にデジタルチューナーを2つ搭載しており、録画中にほかの番組を観たり、地上デジタル放送の番組を2画面同時に表示したりできる。ただ、BDレコーダー内蔵の「AQOUS DX1」シリーズは、2番組表示に対応していない。

 気になる価格だが、売れ筋の32V型の場合で比較すると、08年10月発売の東芝のHDD内蔵液晶テレビ「32H7000」の12万円前後に対して、08年11月発売のシャープのBDレコーダー内蔵液晶テレビ「LC-32DX1」は16万円前後と、BDレコーダー内蔵タイプのほうが少し高い。メーカーやシリーズにもよるが、録画機能のない普通の薄型テレビと比べると、価格差はおおむね2万円前後。発売から日の経ったモデルなど、ほとんど価格差のないケースもある。

シャープのBD内蔵「AQUOS DX1」シリーズが人気



録画ができる薄型テレビランキング
順位 メーカー名 シリーズ名 画面サイズ 録画媒体 販売台数
シェア(%)
1 シャープ LC-32DX1 32V型 BD/DVD 22.0
2 日立製作所(※) P42-HR02 42V型 HDD(250GB) 15.0
3 シャープ LC-26DX1 26V型 BD/DVD 11.8
4 東芝 32H7000 32V型 HDD(300GB) 10.7
5 シャープ LC-37DX1 37V型 BD/DVD 9.6
6 日立製作所(※) P37-HR02 37V型 HDD(250GB) 7.0
7 シャープ LC-42DX1 42V型 BD/DVD 4.8
8 東芝 37H7000 37V型 HDD(300GB) 4.7
9 東芝 32RH500 32V型 HDD(300GB) 1.5
10 東芝 42H7000 42V型 HDD(300GB) 1.3

(※)はプラズマテレビ、その他は液晶テレビ。カラーバリエーションは合算して集計
「BCNランキング」09年1月19-25日 <最大パネル>


 では、09年1月第2週(09年1月19-25日)の「BCNランキング」をもとに、録画ができる薄型テレビのみを集計したランキングをみていこう。1番人気は、シャープの32V型液晶テレビ「AQOUS LC-32DX1」だった。BDレコーダー内蔵タイプの新製品で、販売台数シェアは22.0%。同シリーズからは、3位に26V型、5位に37V型、7位に42V型もランクインした。

「AQOUS DX1シリーズ」は、ブラック、ホワイト、レッドの3色をラインアップ


 2位は、日立製作所の42V型プラズマテレビ「Wooo(ウー)P42-HR02」でシェアは15.0%。250GBのHDDのほか、カセット式HDD「iVDR」を差し込んで録画ができる「iVポケット」というスロットを搭載。「iVDR」を購入すれば、より多くの番組を録画したり、HDDに録った番組をダビングしたり、便利に活用できる。

日立の「P42-HR02」は、カセット式HDD「iVDR」にも対応

 4位は、東芝の32V型液晶テレビ「REGZA(レグザ)32H7000」が入った。シェアは10.5%。300GBの内蔵HDDに加えて、パソコン用のeSATA接続の外付けHDDをつなげば、いくらでも録画容量を増やせるのが特徴。対応する外付けHDDは、アイ・オー・データ機器とバッファローから販売されている。

東芝の「32H7000」は、eSATA接続の外付けHDDで拡張可能
(左から、アイ・オー・データ機器「RHD-UX」、バッファロー「HD-HSSU2」)

 なお、1TB(テラバイト)の大容量HDDを搭載したパナソニックのプラズマテレビ「VIERA TH-PZR900」シリーズは、42V型の22位が最上位。50V型など、シリーズすべて20位以下にとどまった。

 録画機能付きテレビは、レコーダーとテレビを別々に買うよりも安く、かつ設置場所も取らずに済む優れもの。ハイビジョン画質で手軽に録画したい人や、配線が苦手な人、部屋をすっきりさせたいという人にはぴったりだ。薄型テレビを購入する前に、ぜひチェックしてほしい。(BCN・田沢理恵)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで123品目を対象としています。