撮る楽しさが倍増するかも!? デジ一眼用交換レンズランキング
デジタル一眼レフカメラの醍醐味は、撮影シーンや撮りたい写真に合わせてレンズを交換できることだ。美しい写真を撮影するにはカメラボディの性能はもちろん、レンズの性能も物を言う。今、市場ではどんなレンズが売れているのだろうか。そこで、「BCNランキング」で交換レンズの売れ筋をチェックしてみた。この機会に、手持ちのカメラに合うレンズを探してみてはどうだろうか。
デジ一眼用の交換レンズには、カメラメーカーが作っている「純正レンズ」と、レンズ専業メーカーが各マウントに合わせて製造している「サードパーティーレンズ」がある。一昔前、サードパーティレンズは「安かろう、悪かろう」と言われていたが、今は純正レンズと甲乙付けがたい高い性能を持ったレンズが多い。
レンズのランキングを見る前に、レンズキットを含むデジ一眼のメーカー別販売台数シェアと、カメラとレンズを接続する規格「レンズマウント」別の構成比を比べてみた。
11月月次データを見ると、デジ一眼のメーカー別販売台数シェアは、ニコンが38.1%で1位、キヤノンが36.6%で2位、3位はパナソニックで9.4%だった。1位のニコンと2位のキヤノンの差はわずか1.5ポイントだった。
対してマウント別の販売台数構成比では、キヤノンEF(キヤノン用)が42.4%、ニコンF(ニコン用)が29.9%、ペンタックスK(ペンタックス用)が10.4%だった。デジ一眼のメーカー別シェアと比べると、1、2位のメーカーが逆転している上に、1.5ポイントだった差が12.5ポイントまで開いていた。
デジ一眼のメーカーシェアと、マウント別構成比で、どうしてここまで違うのだろうか。ニコンはここ1-2年、デジ一眼の販売台数を伸ばし、デジ一眼市場でも高いシェアを獲得している。しかし、その以前はキヤノンのシェアが高く、ニコンはキヤノンに水をあけられていた。年間で最も販売台数シェアが高かった企業を表彰する「BCN AWARD」でも、08年にニコンに抜かれるまでキヤノンがずっと首位を走ってきた。つまり、最近ニコンユーザーが増えているが、現在、実際にデジ一眼を使っているユーザーはキヤノンの方が多い、とも考えられるのではないか。
___page___
★キヤノンEF
それではマウント別交換レンズの売れ筋をチェックしていこう。まずはマウント別販売台数構成比が高かった「キヤノンEF」から。1位はキヤノンの標準レンズ「EF50mm F1.8 II」。「APS-C」のデジタルカメラだけではなく、フルサイズや35mm銀塩フィルムカメラでも使用できるレンズで焦点距離は50mmの単焦点。最短撮影距離は45cm、開放F値は1.8、フィルター径は52mm。
本体サイズは最大径68.2×長さ41mm、重さは約130gと軽量、コンパクトさを実現。価格は1万2600円で、単焦点レンズ入門用としてもオススメなレンズだ。
2位はタムロンの「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO キヤノン用」。世界初、世界最大のズーム倍率15倍を達成したレンズで、広角18mmから超望遠270mmまで1本でカバーする。最短撮影距離は49cm、開放F値は3.5-6.3、フィルター径は72mm。
本体サイズは最大径79.6×長さ101mm、重さは約550g。レンズ内手ブレ補正機構「VC(Vibration Compensation)」を搭載する。価格は8万4000円。
3位はキヤノンの純正ズームレンズ「EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS」。18mmの広角から200mmの望遠までカバーできる約11倍の高倍率ズームレンズ。最短撮影距離は45cm、開放F値は3.5-5.6、フィルター径は72mm。
本体サイズは最大径78.6×長さ102mm、重さは約595g。シャッター速度換算で約4段分の手ブレ補正効果をもつISユニットを搭載する。価格は9万3450円。
★ニコンF
次に、ニコン用レンズの売れ筋を見ていこう。1位から4位までニコンの純正レンズがランクインしていた。1位は「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)」。70mmから300mmの超望遠までカバーする約4.3倍の望遠ズームレンズ。最短撮影距離は150cm、開放F値は4.5-5.6、フィルター径は67mm。
___page___
本体サイズは、最大径80×長さ143.5mm、重さは約745g。シャッター速度換算で約4段分の手ブレ補正効果をもつ「次世代手ブレ補正(VRII)」を搭載する。価格は8万1900円。
2位は、「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)」。18mmの広角から200mmの望遠までカバーする約11倍の高倍率ズームレンズ。最短撮影距離は50cm、開放F値は3.5-5.6、フィルター径は72mm。
本体サイズは最大径77×長さ96.5mm、重さは約560g。手ブレ補正機構VRIIを搭載する。価格は11万250円。
3位は「Ai AF Nikkor 50mm F1.4D」。高性能、小型・軽量を追求して設計した、F1.4と明るい標準レンズ。諸収差を補正し、開放絞りからコントラストの高いシャープな画像が得られるという。最短撮影距離は45cm、フィルター径は52mm。
本体サイズは、最大径64.5×長さ42.5mm、重さは約230g。風景、ポートレートなど、幅広い撮影用途に用いることができる。価格は3万9900円。
11月月次データで、ズームレンズ、単焦点の販売台数構成比を調べたところ、ズームレンズの構成比は60.2%と半数以上。キヤノン用、ニコン用とも、ズームレンズが人気だった。一台で広い焦点距離をカバーできるレンズが、便利で使いやすいためだろう。
また、以前はカメラボディとセットになっていた単焦点の標準レンズが、キヤノン、ニコンとも上位3位以内にランクイン。ボディと一緒に購入することも多いと見られるが、ある程度焦点距離をカバーできるレンズを揃えたら、次は単焦点レンズで、というニーズもありそうだ。(BCN・山下彰子)
*注釈 記事中の焦点距離はすべてレンズの仕様上のものです。APS-Cを搭載した一般的なデジ一眼と、フルサイズのデジ一眼、35mm銀塩フィルムカメラで使用した場合、画角が異なります。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで123品目を対象としています。
★冬のボーナスで手に入れたいデジタル一眼特集
交換レンズ市場を牽引しているのは? マウント別構成比をチェック
デジ一眼用の交換レンズには、カメラメーカーが作っている「純正レンズ」と、レンズ専業メーカーが各マウントに合わせて製造している「サードパーティーレンズ」がある。一昔前、サードパーティレンズは「安かろう、悪かろう」と言われていたが、今は純正レンズと甲乙付けがたい高い性能を持ったレンズが多い。
レンズのランキングを見る前に、レンズキットを含むデジ一眼のメーカー別販売台数シェアと、カメラとレンズを接続する規格「レンズマウント」別の構成比を比べてみた。
11月月次データを見ると、デジ一眼のメーカー別販売台数シェアは、ニコンが38.1%で1位、キヤノンが36.6%で2位、3位はパナソニックで9.4%だった。1位のニコンと2位のキヤノンの差はわずか1.5ポイントだった。
対してマウント別の販売台数構成比では、キヤノンEF(キヤノン用)が42.4%、ニコンF(ニコン用)が29.9%、ペンタックスK(ペンタックス用)が10.4%だった。デジ一眼のメーカー別シェアと比べると、1、2位のメーカーが逆転している上に、1.5ポイントだった差が12.5ポイントまで開いていた。
デジ一眼のメーカーシェアと、マウント別構成比で、どうしてここまで違うのだろうか。ニコンはここ1-2年、デジ一眼の販売台数を伸ばし、デジ一眼市場でも高いシェアを獲得している。しかし、その以前はキヤノンのシェアが高く、ニコンはキヤノンに水をあけられていた。年間で最も販売台数シェアが高かった企業を表彰する「BCN AWARD」でも、08年にニコンに抜かれるまでキヤノンがずっと首位を走ってきた。つまり、最近ニコンユーザーが増えているが、現在、実際にデジ一眼を使っているユーザーはキヤノンの方が多い、とも考えられるのではないか。
___page___
マウント別にみるレンズの売れ筋とは? 中望遠ズームレンズが人気
★キヤノンEF
それではマウント別交換レンズの売れ筋をチェックしていこう。まずはマウント別販売台数構成比が高かった「キヤノンEF」から。1位はキヤノンの標準レンズ「EF50mm F1.8 II」。「APS-C」のデジタルカメラだけではなく、フルサイズや35mm銀塩フィルムカメラでも使用できるレンズで焦点距離は50mmの単焦点。最短撮影距離は45cm、開放F値は1.8、フィルター径は52mm。
本体サイズは最大径68.2×長さ41mm、重さは約130gと軽量、コンパクトさを実現。価格は1万2600円で、単焦点レンズ入門用としてもオススメなレンズだ。
2位はタムロンの「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical [IF] MACRO キヤノン用」。世界初、世界最大のズーム倍率15倍を達成したレンズで、広角18mmから超望遠270mmまで1本でカバーする。最短撮影距離は49cm、開放F値は3.5-6.3、フィルター径は72mm。
本体サイズは最大径79.6×長さ101mm、重さは約550g。レンズ内手ブレ補正機構「VC(Vibration Compensation)」を搭載する。価格は8万4000円。
キヤノンの「EF50mm F1.8 II」(上)
タムロンの「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical
[IF] MACRO キヤノン用(左)
キヤノンの「EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS」(右)
タムロンの「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC LD Aspherical
[IF] MACRO キヤノン用(左)
キヤノンの「EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS」(右)
3位はキヤノンの純正ズームレンズ「EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS」。18mmの広角から200mmの望遠までカバーできる約11倍の高倍率ズームレンズ。最短撮影距離は45cm、開放F値は3.5-5.6、フィルター径は72mm。
本体サイズは最大径78.6×長さ102mm、重さは約595g。シャッター速度換算で約4段分の手ブレ補正効果をもつISユニットを搭載する。価格は9万3450円。
★ニコンF
次に、ニコン用レンズの売れ筋を見ていこう。1位から4位までニコンの純正レンズがランクインしていた。1位は「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)」。70mmから300mmの超望遠までカバーする約4.3倍の望遠ズームレンズ。最短撮影距離は150cm、開放F値は4.5-5.6、フィルター径は67mm。
___page___
本体サイズは、最大径80×長さ143.5mm、重さは約745g。シャッター速度換算で約4段分の手ブレ補正効果をもつ「次世代手ブレ補正(VRII)」を搭載する。価格は8万1900円。
2位は、「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)」。18mmの広角から200mmの望遠までカバーする約11倍の高倍率ズームレンズ。最短撮影距離は50cm、開放F値は3.5-5.6、フィルター径は72mm。
本体サイズは最大径77×長さ96.5mm、重さは約560g。手ブレ補正機構VRIIを搭載する。価格は11万250円。
ニコンの「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)」(上)
「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)」(左)
「Ai AF Nikkor 50mm F1.4D」(右)
「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)」(左)
「Ai AF Nikkor 50mm F1.4D」(右)
3位は「Ai AF Nikkor 50mm F1.4D」。高性能、小型・軽量を追求して設計した、F1.4と明るい標準レンズ。諸収差を補正し、開放絞りからコントラストの高いシャープな画像が得られるという。最短撮影距離は45cm、フィルター径は52mm。
本体サイズは、最大径64.5×長さ42.5mm、重さは約230g。風景、ポートレートなど、幅広い撮影用途に用いることができる。価格は3万9900円。
1本で広い焦点距離をカバーできるズームレンズが人気
11月月次データで、ズームレンズ、単焦点の販売台数構成比を調べたところ、ズームレンズの構成比は60.2%と半数以上。キヤノン用、ニコン用とも、ズームレンズが人気だった。一台で広い焦点距離をカバーできるレンズが、便利で使いやすいためだろう。
また、以前はカメラボディとセットになっていた単焦点の標準レンズが、キヤノン、ニコンとも上位3位以内にランクイン。ボディと一緒に購入することも多いと見られるが、ある程度焦点距離をカバーできるレンズを揃えたら、次は単焦点レンズで、というニーズもありそうだ。(BCN・山下彰子)
*注釈 記事中の焦点距離はすべてレンズの仕様上のものです。APS-Cを搭載した一般的なデジ一眼と、フルサイズのデジ一眼、35mm銀塩フィルムカメラで使用した場合、画角が異なります。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで123品目を対象としています。
★冬のボーナスで手に入れたいデジタル一眼特集