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特集

2008/12/03 15:30

 連載「リビングのハイビジョン化計画」最終回は、テレビやレコーダーとつなげば、ハイビジョン(HD)の高画質や高音質がもっと楽しめる3アイテム「デジタルビデオカメラ」「プロジェクター」「サラウンドシステム」を紹介する。「そもそも接続すると何がいいの?」「どうやってつなぐの?」などの素朴な疑問にお答えしよう。

【連載】リビングのハイビジョン化計画
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ケーブルや外部メモリなどつなぎ方は多彩 ~デジタルビデオカメラ編~



 家族の日常を手軽に記録できるデジタルビデオカメラ。解像度が1920×1080のフルHD対応モデルなら、フルHD対応テレビとつなげば高精細な映像で楽しむことができる。レコーダーと接続すれば、録画した映像をそのままの画質でBDやDVDに保存することも可能だ。


 接続方法を具体的にみていこう。フルHDに対応したデジタルビデオカメラは、基本的に映像と音声を1本のケーブルで伝送できるデジタル端子「HDMI端子」を備えている。テレビとはこの端子を使ってHDMIケーブルで接続すればよい。

 一方、レコーダーとはUSBケーブルやiLINKケーブルでつないで、内蔵HDDやBD、DVDに映像をダビングできる。接続先のレコーダーは、ビデオカメラメーカー各社が動作確認済みの推奨モデルを提示している。購入する際は対応機種を確認してから選ぼう。また、記録媒体に8cmBDや8cmDVDを採用するモデルは、対応するレコーダーであればそのままメディアを挿入して再生できる。

 なお、テレビもレコーダーも、メモリカードスロットを搭載していれば、映像を記録したSDカードやメモリースティックを直接差し込めるので便利だ。


 多くのフルHD対応ビデオカメラが採用する、動画記録方式「AVCHD規格」についても触れておきたい。AVCHD規格とは、HD映像をHDDやメモリカードなどに記録できるフォーマットのこと。この規格で録画した映像は、テレビやレコーダーも同規格に対応していないと再生することができないので気を付けよう。

 ちなみに、ビデオカメラで録画した映像を取り込む先として、PCという選択肢もある。ただ、HD画質のまま保存するにはそれなりの容量が必要。例えば、ビデオカメラが搭載するHDDが容量120GBの場合、フルHD画質で記録すると15時間程度記録できる。しかし、長時間のHD映像をPCに録り溜めるには、PCの内蔵HDDではすぐにいっぱいになってしまう。

 大容量のBDに記録する方法もあるが、現在BDドライブを搭載するPCは少ない。外付けHDDや外付けBDドライブを別途接続するのも、正直煩わしいだろう。これらの点を考慮すると、レコーダーのHDDやBD、DVDに保存した方が手軽だ。 ___page___

テレビよりも低価格で大画面化 ~プロジェクター編~



 プロジェクターのよさは低価格で大画面が実現する点だ。例えば、最大300型まで投影できる、エプソンのプロジェクター「EH-DM2S」の税別の平均価格は8万円前後。最近ではプロジェクター全体の価格も下がってきており、11月の税別の平均価格は11万円半ばで、1年前と比べると2万円ほど安くなっている。


 また、持ち運びできるコンパクトなモデルや、スクリーンをセットにしたモデルもあるので、使わない時は本体やスクリーンを収納しておける利点もある。


 確認したい仕様は、パネル解像度がHDもしくはフルHDに対応するかどうか、インターフェイスにHDMI端子があるかどうかの2点。レコーダーと接続する場合、このHDMI端子を使用する。なお、プロジェクターは本体にスピーカーを備えるものとそうでないモデルがあるので注意したい。

迫力ある音声でデジタル放送やBDを満喫 ~サラウンドシステム編~



 デジタル放送やBDソフトのHD映像を存分に楽しみたいなら、音響面にもこだわりたい。HD映像は画質だけでなく、独自の音声フォーマットを採用することで、音質もCD並みもしくはそれ以上に向上している。テレビやレコーダーにサラウンドシステムを組み合わせれば、まるでその場にいるかのような、前後左右に広がりのある音場を体験できる。


 一般的にサラウンドシステムは、AVアンプと複数のスピーカー、低音を再生するウーファーで構成されている。形状は、テレビ台を兼用できる「ラック型」、テレビの下など前面に配置する長方形の「フロントサラウンド型」、複数のスピーカーを一つひとつ個別に置く「スピーカーシステム型」などがある。手軽なのはラック型とフロントサラウンド型で、これらのタイプなら複雑な配線をすることなく、初心者でも簡単に臨場感あるサラウンド環境が手に入る。

 「2.1ch」「3.1ch」「5.1ch」「7.1ch」などのチャンネル数もチェックしたい。整数の部分がスピーカーの数、小数点第一位の「1」はウーファーを意味している。数字が大きいほどスピーカーの数が増えるので、奥行きや広がりのある音を再現できる。

 例えば、2.1chはフロントスピーカー2本とウーファー1本。5.1chは2.1chに加え、センタースピーカー1本、背面に置くサラウンドスピーカー2本が加わる。デジタル放送は5.1ch、BDソフトは最大8chに対応するので、導入する際の目安にしよう。

 ちなみに、ラック型やフロントサラウンド型は1つしかスピーカーがないように見えるが、内部にAVアンプや複数のスピーカー、ウーファーを備えることで仮想的に2.1chや5.1chの環境を作り出している。たくさんのスピーカーを部屋中に配置するスピーカーシステム型と比べると、場所を取らずにすっきり設置できる。


 ラック型サラウンドシステムとテレビを接続するには、基本的にHDMI端子と光デジタル音声端子の2つを使用する。さらに、レコーダーとサラウンドシステムをHDMI端子で接続すれば、テレビとレコーダーは直接つながずに済む。

 相互のメーカーをそろえれば「リンク機能」を利用でき、リモコン1つで音量の調節や電源の連動、入力切替などを操作できる。また、ヤマハやオンキヨーなどのサラウンドシステムの一部機種も、テレビメーカー各社の「リンク機能」に対応している。

 フロントサラウンド型もラック型と接続方法は同じたが、HDMI端子を装備していないモデルもある。その場合、テレビとレコーダーをHDMIケーブルでつなぎ、サラウンドシステムとはそれぞれ光デジタルケーブルで接続すればよい。(BCN・井上真希子)