お風呂のなかでメールやワンセグ、最近の防水ケータイ事情
防水ケータイは女性を中心によく売れているという。最近の女性は、バスタイムのお供に携帯電話を使用している人が増えているらしく、湯舟に浸かりながら電話やメール、ワンセグ視聴といった使い方が広がっている。
そうした「防水ニーズ」の高まりに応え、各キャリアの08年秋冬モデルでも、計4機種の防水ケータイが登場。NTTドコモからは、富士通製「F-01A」、「F-02A」、「F-04A」の3機種、auからは京セラ製「W65K」の1機種。ソフトバンクモバイルは、08年春夏モデルで「824SH Elegant Line」、「824 Active Line」、「823P」の3機種をラインアップしている。ここ最近の防水ケータイのトレンドは、防水ケータイというと、以前は頑丈でタフなデザインという印象が強かったが、どの機種も薄さ・デザインにこだわった作りになっている点だ。
例えば、「F-04A」はワンセグと防水機能を搭載しながら、約12.8mmという通常の端末にも引けをとらない薄さを実現。「F-01A」は、防水のタッチパネルと指紋センサー、500万画素のカメラ機能を備え、ハイスペックな仕様になっている。また、auの「W65K」は、3色のカラー展開ごとに違った天板デザインにするなど、薄さとデザインを求める女性をターゲットにした作りが特徴的だ。
防水性能はどの機種も同じ。この5機種を含め、ほぼ全ての携帯電話で防水基準「IPX7&IPX5」を採用している。この防水性能があれば、バスタイムやキッチンなど、暮らしの中で想定される防水シーンで力を発揮するという。では、「IPX7&IPX5」はどの程度の防水性能なのだろう。
防水規格(IEC規格) | 保護の程度 |
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IPX7 | 水深1mの水槽に端末を約30分間放置しても内部に浸水しない |
IPX5 | 約3mの距離から約12.5リットル/分の水を3分以上注水しても影響なし |
例えば、雨の日。雨のなか濡れ手でもメールや通話をすることはでき、端末が雨に濡れたとしても浸水することはない。同様に、プールサイドやキッチンなど水まわりでも、浸水を気にすることなく使用可能。しかし、ジュースやコーヒー、油といった、水道水以外の液体は想定してないので注意したい。また、携帯電話をまるごと水で洗うことができるのも1つの特徴だ。液晶に付いた指紋や汚れなどをさっと水で洗い流すことができる。
では、お風呂場での使用はどうなのだろうか。基本的に防水機能は、常温・水道水での使用を想定しているが、各メーカーお風呂場での使用も想定し、40度ぐらいの温水シャワーが掛かる程度なら、温水でも充分耐えられる仕様になっている。しかし、お風呂場での使用にもいくつかの注意点がある。例えば、水圧による故障に繋がるため、浴槽に端末を沈めたり、投げ込んではならないとか、洗剤に端末を浸けたり、入浴剤を含んだ浴槽や温泉では使用できないなど。お風呂場では、とくにボディソープやシャンプーに気を付けたい。
そして、最も注意したいのは「防水キャップ」の閉め忘れ。携帯電話には、充電のための接続コネクタや電気パック、イヤホンジャックというように、接続端子が多く存在する。各端子には、浸水を防ぐ防水キャップが付属し、閉め忘れたまま水に浸けるとショートして故障してしまう。「防水ケータイ」といえど使用するさいには注意が必要だ。また、万が一のために、各キャリアが用意する補償サービスやサポートプランはチェックしておくといいだろう。
このように防水ケータイは、いままで使用を制限されていた雨の中やプールサイド、お風呂場での使用を実現する「夢」の端末といえる。従来は防水機能をとるか、デザインや薄さを優先するかでしかなかったが、いまは両方を実現する。「ワンセグ」同様、標準機能になるかもしれない(BCN・津江昭宏)