新MacBookレビュー第1弾! 「ユニボディ」は秀逸の使い心地
10月15日発売のアップルの新MacBookファミリー。発売から2週間ほどたったが、この間、テレビをはじめさまざまなメディアで取り上げられ、旧来のMacユーザーだけでなく、Windows PCユーザーや、これからノートPCを買おうというPC初心者層からも、高い関心が寄せられている。新MacBookの使い心地を確かめてみた。
今回、お借りしたのは新MacBookの上位モデル「MB467J/A」。ひと世代前の白いMacBookを持っていたので、旧モデルと比較しながら新MacBookの特徴をお伝えしよう。
まずはパッケージ。ボディ本体の幅と奥行きは新旧でそれほど変わらないのに、箱の大きさはずいぶんと違う。新MacBookのパッケージはひと回り小さく、持ち運びしやすい。上ぶたの裏側にクッション素材が取り付けられており、それがボディ本体の固定と、外部からの衝撃への緩衝材になっている。
梱包方法は、iPhone 3Gとよく似ている。上ぶたを開けると、黒いケースに本体が収まっていて、その下の黒い紙箱に、インストールディスクや取り扱い説明書などがしまい込まれている。なお、付属品であるインストールディスクは、MacOS X用とアプリケーション用の2枚ある。MagSafe電源アダプタは、旧MacBookからとくに変更はないようだ。
それでは本体を見ていこう。デザインの基本的な方向性は新旧で変わっていないが、旧MacBookのボディがポリカーボネートだったのに対して、新MacBookはアルミ削り出しの「ユニボディ」になったことで、見た目の印象はずいぶんと違っている。
新MacBookは、その金属の重厚感から、見た目には何だか重そうに思える。しかし、実際に手に取ってみると、旧MacBookよりもかなり軽くなっていることがわかる。計ってみると約230gほど新MacBookのほうが軽かった。
この軽量化には、アルミ自体が高剛性で軽いことに加え、「ユニボディ」の採用によって内部のフレームなどをなくし、部品点数を大幅に削減できたことも寄与しているのだろう。
また、新旧MacBookを並べてみると、ちょうど旧MacBookのディスプレイ分だけ、新MacBookのほうが薄くなっていることがわかる。ディスプレイのバックライトがLEDに変更されたことで軽量になったのと、それによってボディ全体の厚みも薄くなったので、手に持ったときに、よりいっそう軽く感じられる。
薄く軽くなった新MacBookだが、ボディの剛性感は、旧MacBookよりもはるかに高い。試しに両手で持ってねじれ方向に力を加えてみたが、まったくびくともしなかった。旧MacBookでは、さすがにここまで力を加えることは怖くてできなかった。
最後に背面を見ていこう。新MacBookのヒンジ部の黒いプラスチック部分には、無線LANのためのアンテナが仕込まれている。旧MacBookのヒンジ部左右には、スピーカー用のスリットがあるが、新MacBookにはない。新MacBookのスピーカーは、キーボードの下に埋め込まれているそうだ。キーボード部分から音が立ち上がってくるので、旧MacBookよりも良い音質に聞こえる。
デザイン性では、アルミの一枚板から削り出された「ユニボディ」の、キーボード面から側面にかけてのラインが実に美しかった。とくにキーボード手前側のパームレスト部分とその側面は、使用時に手のひらが頻繁に触れるところで、長時間使っていると手首が痛くなったり、ボディがひどく汚れたりするものだが、新MacBookでは、継ぎ目がまったくないので手のひらへの感触も心地良く、汚れやたわみも気にする必要がないので、安心して作業に没頭できる。
心地良いといえば、新MacBookの新しいガラス製「マルチタッチトラックパッド」の触り心地だ。指のすべり具合は、もはや官能的とでもいうべき次元にある。少し触っただけではあまり実感できないかもしれないが、しばらく使い続けていると、もう他のトラックパッドでは満足できなくなってくるくらいだ。エッチング加工されたガラス製のトラックバッドなのだが、単なるガラスとも、もちろんアルミやポリカーボネートとも違った、独特の手触り感を実現している。
ところで、新MacBookでは、ディスプレイ前面がガラスパネルで覆われたことで、「画面への映り込みが気になる」という声をよく耳にする。ディスプレイ自体は、新旧どちらのMacBookも光沢タイプなのだが、旧MacBookは反射を低減する処理が施されていたのに対して、新MacBookではその処理がなくなり、加えてガラスパネルで覆われるようになった。
結論から言ってしまえば、新MacBookでは、画面への映り込みがそれなりにある。蛍光灯の下で暗闇のシーンなどを鑑賞していると、見る位置と角度によっては、部屋の明かりの映り込みが気になることがあるかもしれない。しかし、通常の使用では、映り込みはほとんど気にならないレベルだ。
それよりも、LEDバックライトの採用によって、画面全体が均一な明るさになったことと、旧MacBookと比べて輝度が高くなったことの恩恵のほうが大きい。また、スリープからの復帰時に、ほとんど瞬間的に画面が明るく表示されるのも使い勝手が良くなった。旧MacBookも、画面が明るくなるのが遅かったわけではないが、それでもLEDバックライトと比べるとその効果は歴然だ。
モバイルでの出動機会も増えそうな新MacBookだけに、屋外での映り込みも気になるところ。試してみたところ、Web画面やWord書類を開いているときには、映り込みはそれほど気にはならなかった。ただ、ディスプレイの周囲が黒いベゼルに変わったので、この部分では、空の反射などがけっこう目立つようだ。どうしても気になるようであれば、ディスプレイに市販のアンチグレアフィルムを貼るなどの対策を講じれば良いだろう。(フリーライター・中村光宏)
「新MacBookレビュー第2弾! キーボードもトラックパッドもイカスぜ」に続く
■おもなスペック
CPU……Intel Core 2 Duo(2.4GHz)
システムバス……1066MHz
メモリ……2GB
HDD……250GB
グラフィック機能……チップ統合型のNVIDIA GeForce 9400M
ディスプレイ……解像度1280×800ピクセルの13.3インチLEDバックライトクリアワイドスクリーン
新旧で、まるで違った印象を見せるMacBook
今回、お借りしたのは新MacBookの上位モデル「MB467J/A」。ひと世代前の白いMacBookを持っていたので、旧モデルと比較しながら新MacBookの特徴をお伝えしよう。
まずはパッケージ。ボディ本体の幅と奥行きは新旧でそれほど変わらないのに、箱の大きさはずいぶんと違う。新MacBookのパッケージはひと回り小さく、持ち運びしやすい。上ぶたの裏側にクッション素材が取り付けられており、それがボディ本体の固定と、外部からの衝撃への緩衝材になっている。
ひと回り小さくなったパッケージとクッションを取り付けた内ぶた
梱包方法は、iPhone 3Gとよく似ている。上ぶたを開けると、黒いケースに本体が収まっていて、その下の黒い紙箱に、インストールディスクや取り扱い説明書などがしまい込まれている。なお、付属品であるインストールディスクは、MacOS X用とアプリケーション用の2枚ある。MagSafe電源アダプタは、旧MacBookからとくに変更はないようだ。
パッケージの中身と付属品
本体をチェック! 「ユニボディ」で軽くなったのに剛性感はアップ
それでは本体を見ていこう。デザインの基本的な方向性は新旧で変わっていないが、旧MacBookのボディがポリカーボネートだったのに対して、新MacBookはアルミ削り出しの「ユニボディ」になったことで、見た目の印象はずいぶんと違っている。
「ユニボディ」で容姿も進化した新MacBook
新MacBookは、その金属の重厚感から、見た目には何だか重そうに思える。しかし、実際に手に取ってみると、旧MacBookよりもかなり軽くなっていることがわかる。計ってみると約230gほど新MacBookのほうが軽かった。
この軽量化には、アルミ自体が高剛性で軽いことに加え、「ユニボディ」の採用によって内部のフレームなどをなくし、部品点数を大幅に削減できたことも寄与しているのだろう。
また、新旧MacBookを並べてみると、ちょうど旧MacBookのディスプレイ分だけ、新MacBookのほうが薄くなっていることがわかる。ディスプレイのバックライトがLEDに変更されたことで軽量になったのと、それによってボディ全体の厚みも薄くなったので、手に持ったときに、よりいっそう軽く感じられる。
新MacBook(左)と旧MacBook(右)
薄く軽くなった新MacBookだが、ボディの剛性感は、旧MacBookよりもはるかに高い。試しに両手で持ってねじれ方向に力を加えてみたが、まったくびくともしなかった。旧MacBookでは、さすがにここまで力を加えることは怖くてできなかった。
最後に背面を見ていこう。新MacBookのヒンジ部の黒いプラスチック部分には、無線LANのためのアンテナが仕込まれている。旧MacBookのヒンジ部左右には、スピーカー用のスリットがあるが、新MacBookにはない。新MacBookのスピーカーは、キーボードの下に埋め込まれているそうだ。キーボード部分から音が立ち上がってくるので、旧MacBookよりも良い音質に聞こえる。
上が新MacBook、黒い部分に無線LANのためのアンテナが仕込まれている
アルミ削り出しによる美しいライン、魅せる工夫がここにも……
デザイン性では、アルミの一枚板から削り出された「ユニボディ」の、キーボード面から側面にかけてのラインが実に美しかった。とくにキーボード手前側のパームレスト部分とその側面は、使用時に手のひらが頻繁に触れるところで、長時間使っていると手首が痛くなったり、ボディがひどく汚れたりするものだが、新MacBookでは、継ぎ目がまったくないので手のひらへの感触も心地良く、汚れやたわみも気にする必要がないので、安心して作業に没頭できる。
心地良いといえば、新MacBookの新しいガラス製「マルチタッチトラックパッド」の触り心地だ。指のすべり具合は、もはや官能的とでもいうべき次元にある。少し触っただけではあまり実感できないかもしれないが、しばらく使い続けていると、もう他のトラックパッドでは満足できなくなってくるくらいだ。エッチング加工されたガラス製のトラックバッドなのだが、単なるガラスとも、もちろんアルミやポリカーボネートとも違った、独特の手触り感を実現している。
すべり具合が心地よいガラス製の「マルチタッチトラックパッド」
映り込みはあるが、LEDバックライトで明るい液晶ディスプレイ
ところで、新MacBookでは、ディスプレイ前面がガラスパネルで覆われたことで、「画面への映り込みが気になる」という声をよく耳にする。ディスプレイ自体は、新旧どちらのMacBookも光沢タイプなのだが、旧MacBookは反射を低減する処理が施されていたのに対して、新MacBookではその処理がなくなり、加えてガラスパネルで覆われるようになった。
結論から言ってしまえば、新MacBookでは、画面への映り込みがそれなりにある。蛍光灯の下で暗闇のシーンなどを鑑賞していると、見る位置と角度によっては、部屋の明かりの映り込みが気になることがあるかもしれない。しかし、通常の使用では、映り込みはほとんど気にならないレベルだ。
それよりも、LEDバックライトの採用によって、画面全体が均一な明るさになったことと、旧MacBookと比べて輝度が高くなったことの恩恵のほうが大きい。また、スリープからの復帰時に、ほとんど瞬間的に画面が明るく表示されるのも使い勝手が良くなった。旧MacBookも、画面が明るくなるのが遅かったわけではないが、それでもLEDバックライトと比べるとその効果は歴然だ。
モバイルでの出動機会も増えそうな新MacBookだけに、屋外での映り込みも気になるところ。試してみたところ、Web画面やWord書類を開いているときには、映り込みはそれほど気にはならなかった。ただ、ディスプレイの周囲が黒いベゼルに変わったので、この部分では、空の反射などがけっこう目立つようだ。どうしても気になるようであれば、ディスプレイに市販のアンチグレアフィルムを貼るなどの対策を講じれば良いだろう。(フリーライター・中村光宏)
屋外に持ち出してみた。多少の映り込みはあるが、気にならない程度
「新MacBookレビュー第2弾! キーボードもトラックパッドもイカスぜ」に続く
■おもなスペック
CPU……Intel Core 2 Duo(2.4GHz)
システムバス……1066MHz
メモリ……2GB
HDD……250GB
グラフィック機能……チップ統合型のNVIDIA GeForce 9400M
ディスプレイ……解像度1280×800ピクセルの13.3インチLEDバックライトクリアワイドスクリーン