今や40-42V型でも20万円前後、リビングの大画面化は夢じゃない!

特集

2008/10/29 18:50

 地デジ移行を機に、多くの人が薄型テレビの購入を検討していることだろう。しかし、お店に所狭しと並ぶ製品をみると、どれを選んだらよいのか迷う。決して安い買い物ではないので、サイズや価格、機能などをチェックして、購入に備えておきたい。そこで今回は、9月の「BCNランキング」をもとに、薄型テレビのトレンドを紹介しよう。

【連載】リビングのハイビジョン化計画
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薄型テレビの人気は液晶、9割占める



 「薄型テレビは、液晶テレビとプラズマテレビのこと」というのはすでに知っている人が多いだろう。しかし、実際には違いがよくわからないというのが本音ではないだろうか。


 人気が高いのは液晶で、薄型テレビの販売台数の約9割を占めている。液晶は、パネルに光が映り込むことがほとんどないので、明るい場所での視聴にも向いていることや、プラズマに比べて消費電力が低いことが強み。

 一方、プラズマは、視野角が広く斜めからでもみやすいことや、早い動きでも映像に残像が出ないことが強み。また、「黒」をきれいに再現できるので、映像が引き締まってみえる。映画をみたりスポーツをみることを重視するならば、プラズマもチェックしてほしい。

 プラズマには37V型未満のサイズがないので、それ以上の大きさの薄型テレビを購入する時には、液晶にするのか、プラズマするのかを決めなければならないのだが、液晶、プラズマともに技術革新が進み、それぞれの弱点は改善されてきているので、液晶かプラズマということには、それほどこだわらなくてもよいだろう。

40-42Vは税抜き20万円前後、庶民も手の届く価格に




 では、一番気になる価格と画面サイズについて確認しよう。薄型テレビの一番の売れ筋は32V型で販売台数の約3割を占め、需要の中心になっているが、今回のテーマは「リビングのハイビジョン化計画」なので、より大画面の臨場感を実感できる40-52V型を中心に紹介してみよう。

 9月のBCNランキングで薄型テレビの平均単価をみると、40V型は税抜き約17万円、42V型は約20万円、50V型は約30万円、52V型は約33万円。ちなみに32V型は10万円強、37V型は15万円強。40-42Vは20万円前後が平均なので、大画面のなかでも手の届きやすい価格だ。

 さて、実際に買う場合は、まず部屋のサイズに合うかどうか、確かめておきたい。薄型テレビの視聴距離は、パネルの縦幅の3倍が目安と言われている。42V型の場合、パネルの高さは約53センチなので、約1.6メートルの視聴距離が必要。そのほか、40-42V型の薄型テレビの外形寸法は、横幅が約1メートル、パネルの縁とテレビスタンドを含んだ高さが70センチ前後、奥行きが30-40センチくらい。現在、29型のブラウン管テレビを置いている場合は、同じスペースに42V型の薄型テレビを置くことが可能だ。


フルHD、コントラスト比、消費電力もチェック



 機能面では何に注目すればよいのか。大画面テレビ選びでまずチェックしたいのはフルハイビジョン(フルHD)対応かどうか。フルHDとは、解像度1920×1080画素。最近の40-52V型のテレビは、ほとんどフルHD対応だが、フルHDよりも解像度が低い1366×768画素などの「フルではないハイビジョンタイプ」もある。大画面テレビは、フルHDのほうが高精細な画質を実感できるので、フルHD対応を選ぶことをお勧めする。

 画質を左右するスペックには、コントラスト比というものもある。これは輝度を表した数値で、映像のメリハリを示す。最近の40-52V型は、液晶が2000-3000:1、プラズマが1万5000-3万:1が主流。コントラスト比が高いのはプラズマのメリットの1つだ。

 そのほか画質に影響を与えるのは、画像処理回路。例えばソニーなら「ブラビアエンジン」、東芝なら「メタブレイン」など。これらは、メーカーごとの映像技術の特色が反映される重要な部分。パネルの画素数やコントラスト比のように数値で表示されているわけではないので、比べることは難しいが、メーカーごとに製品を並べて比べてみると、それぞれの特色がパネルに現れているので、違いは店頭でチェックしてみよう。


 画質のほかに、知っておきたいのが録画機能の有無。番組を録画する際に、レコーダーを繋がなくても、テレビ本体に録画機能が付いている製品がある。テレビのリモコンで録画操作ができるので便利。現在は、パナソニック、日立製作所、東芝がHDD(ハードディスクドライブ)を搭載したテレビを発売しているほか、11月下旬には、シャープがテレビ本体にブルーレイディスク(BD)レコーダーを搭載した液晶テレビを発売する予定だ。

 また、テレビ本体の消費電力や重さもチェックしておこう。消費電力は、40-42V型の場合、液晶が平均284.7W(ワット)、プラズマが388.9Wで、今のところ液晶が優位。省エネの基準については、緑色の「省エネラベル」が付いていれば、省エネ基準を達成した製品なので、後々の電気代節約やエコに貢献できる。重さについても、40-42V型のみの液晶の平均が27.2kgに対し、プラズマは33.3kg。液晶のほうがプラズマよりも軽いので、設置や移動する際の参考にしてほしい。

機種別ランキング1位は40V型の液晶、2位は42V型のプラズマ




 最後に、9月の「BCNランキング」で40-52V型の液晶、プラズマを合わせた機種別販売台数ランキングを紹介しよう。上位5機種は、スタンダードモデルが占めた。

 1位は40V型液晶テレビで、ソニーの「BRAVIA(ブラビア)KDL-40V1」。機種別台数シェア15.2%を占めた。40V型の大画面ながら、BCNが集計した9月の市場推定価格は17万1700円。40V型で20万円を切る価格なので、大画面テレビのなかでも手ごろだ。


 2-5位までの台数シェアは6.5%前後なので、人気に差はない。2位は42V型プラズマテレビのパナソニック「VIERA(ビエラ)TH-42PZ80-K」。市場推定価格は20万800円。


 3位は42V型液晶のシャープ「AQUOS LC-42EX5」で22万8800円。4位は42V型液晶の東芝「REGZA(レグザ)42ZV500」で19万7700円。5位は40V型液晶のソニー「ブラビアKDL-40F1(B) サファイアブラック」で20万6600円。

 すべて今年の春夏モデルで、地上・BS・CSデジタルチューナー搭載し、パネルはフルHDに対応している。コントラスト比は、2位のパナソニック「TH-42PZ80-K」が3万:1、1位のソニー「KDL-40V1」と5位「KDL-40F1」は3000:1、3位のシャープ「LC-42EX5」は2000:1、4位の東芝「42ZV500」は非公開。

 地デジ移行を機に、高画質な映像を楽しむなら薄型テレビはマストアイテム。価格は毎年下がりながらも、地デジチューナー搭載はほぼ標準化し、画質や機能も向上している。そろそろ買い替えを本格的に検討してみてはどうだろうか。(BCN・田沢理恵)
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*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。