突然の停電でも正常に電源オフ!転ばぬ先の杖「無停電電源装置(UPS)」
突然停電したりブレーカーが落ちたりして、作業中のデータが消えてしまった……という経験はないだろうか。そんなとき役立つのが「無停電電源装置(UPS)」だ。今年の夏は、「ゲリラ豪雨」による停電や雷の被害が多かったことから8-9月に「UPS」の販売台数が伸びた。「UPS」について詳しく説明しながら「BCNランキング」で直近の売れ筋モデルを紹介しよう。
「無停電電源装置」とは、万一停電などの異常が発生しても一定時間は停電することなく電力を供給し続ける装置のことで「UPS(アンインタラプティブルパワーサプライ)」と呼ばれる。一般的には、電力供給をストップできない機器を扱う業務用というイメージが強いが、家庭でもPCやレコーダー、PS3などのゲーム専用機にUPSを利用するケースが増えている。停電によって機器の電源が突然切断された場合、データの消失や機器の損傷を引き起こしてしまうことがあるからだ。
UPSに接続しておけば、停電しても機器に一定時間電力を供給することが可能になる。電力を供給できる時間は機器の電源容量によって異なるが、個人向けUPSの多くは3-30分程度の短時間であるものが多い。UPSはあくまで短時間の電力供給が目的だが、この間に機器の電源を手動で正常に終了させることで停電による機器の損傷やデータの消失を防ぐことができる。また、接続する機器がPCの場合は停電時に自動でPCをシャットダウンできるソフトを付属するUPSもある。価格は、個人向けのUPSであれば1万円以下で購入できるものが多い。
UPSの主な機能は停電時の短時間の電力供給だが、雷のトラブルを防ぐ機能がついた製品もある。雷によって瞬間的に過電圧や過電流が発生し、コンセントを経由して通常より多くの電流が機器に流れ込み、データを破壊するなどの被害をもたらす危険性が高い。こうした被害を軽減する機能を内蔵する製品も多く、雷対策にもなる。
今年の夏は各地で突発的な豪雨や落雷を伴う「ゲリラ豪雨」による被害が相次いだ。この影響で8-9月にかけてのUPSの伸び率を見ると前年よりも実績を上回っており、雷による被害対策として購入した人が多かったようだ。
08年9月のメーカー別販売台数シェアではAPCとオムロンが市場のほぼ8割を占めている。機種別シェアでも、APC社の製品がトップ4を占めた。1位は「APC ES 500」が24.1%、2位は「SurgeArrest 雷ガードタップ+電源バックアップ」が12.5%、3位は「APC ES 725」が11.4%だった。この中で、2位の「SurgeArrest 雷ガードタップ+電源バックアップ」は自動シャットダウン機能は付属しない。
実際にUPSを購入する場合には、接続する機器のコンセントの合計数、電源容量を確認して、最適なモデルを選ぶことが重要だ。そのほか、対応OSや電力供給時間はだいたいどれくらいか、自動シャットダウン機能を搭載しているかなども機種により異なるので、事前に確認しておこう。また、意外と忘れがちなのがバッテリーの寿命だ。いざという時にバッテリーが劣化していて使えない……ということにならないように、忘れずにチェックしておこう。突然の停電で大切なデータが消えたり、高価な機器を壊してしまう前に、保険としてUPSの購入を検討してみてはどうだろうか。(BCN・岩渕恵)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。
※08年11月12日追記
当初掲載していた図表の一部に誤りがあったため、訂正いたしました。
「無停電電源装置(UPS)」とは?
「無停電電源装置」とは、万一停電などの異常が発生しても一定時間は停電することなく電力を供給し続ける装置のことで「UPS(アンインタラプティブルパワーサプライ)」と呼ばれる。一般的には、電力供給をストップできない機器を扱う業務用というイメージが強いが、家庭でもPCやレコーダー、PS3などのゲーム専用機にUPSを利用するケースが増えている。停電によって機器の電源が突然切断された場合、データの消失や機器の損傷を引き起こしてしまうことがあるからだ。
UPSに接続しておけば、停電しても機器に一定時間電力を供給することが可能になる。電力を供給できる時間は機器の電源容量によって異なるが、個人向けUPSの多くは3-30分程度の短時間であるものが多い。UPSはあくまで短時間の電力供給が目的だが、この間に機器の電源を手動で正常に終了させることで停電による機器の損傷やデータの消失を防ぐことができる。また、接続する機器がPCの場合は停電時に自動でPCをシャットダウンできるソフトを付属するUPSもある。価格は、個人向けのUPSであれば1万円以下で購入できるものが多い。
落雷によるトラブルにも役立つUPS
UPSの主な機能は停電時の短時間の電力供給だが、雷のトラブルを防ぐ機能がついた製品もある。雷によって瞬間的に過電圧や過電流が発生し、コンセントを経由して通常より多くの電流が機器に流れ込み、データを破壊するなどの被害をもたらす危険性が高い。こうした被害を軽減する機能を内蔵する製品も多く、雷対策にもなる。
今年の夏は各地で突発的な豪雨や落雷を伴う「ゲリラ豪雨」による被害が相次いだ。この影響で8-9月にかけてのUPSの伸び率を見ると前年よりも実績を上回っており、雷による被害対策として購入した人が多かったようだ。
実際に売れているUPSはどんなタイプ?
08年9月のメーカー別販売台数シェアではAPCとオムロンが市場のほぼ8割を占めている。機種別シェアでも、APC社の製品がトップ4を占めた。1位は「APC ES 500」が24.1%、2位は「SurgeArrest 雷ガードタップ+電源バックアップ」が12.5%、3位は「APC ES 725」が11.4%だった。この中で、2位の「SurgeArrest 雷ガードタップ+電源バックアップ」は自動シャットダウン機能は付属しない。
実際にUPSを購入する前に要チェック!
実際にUPSを購入する場合には、接続する機器のコンセントの合計数、電源容量を確認して、最適なモデルを選ぶことが重要だ。そのほか、対応OSや電力供給時間はだいたいどれくらいか、自動シャットダウン機能を搭載しているかなども機種により異なるので、事前に確認しておこう。また、意外と忘れがちなのがバッテリーの寿命だ。いざという時にバッテリーが劣化していて使えない……ということにならないように、忘れずにチェックしておこう。突然の停電で大切なデータが消えたり、高価な機器を壊してしまう前に、保険としてUPSの購入を検討してみてはどうだろうか。(BCN・岩渕恵)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。
※08年11月12日追記
当初掲載していた図表の一部に誤りがあったため、訂正いたしました。