自作PCユーザーに送るPCパーツダイアリー

特集

2008/10/15 14:29

 PCパーツとひと言でいっても、PCケースからCPU、メモリ、マザーモードなどさまざま。とりあえず、1からPCを組み立てる上で必要になるPCパーツのランキングを1週間になぞらえて紹介していこう。なお、紹介する製品は各ジャンルでの売れ筋。これらを単純に組み合わせただけではPCは組み立てられないので、注意してほしい。

 

●月曜日 PCの顔、PCケースを選ぼう、必要ならば電源も


 まずはPCの顔、PCケース選び。これがPCを組み立てる際のベースになるので、最初に決めていきたい。また初めて自作に挑戦する人は、ミドルタワーサイズがいい。省スペース設計のスリムタワータイプは小さいので、作業がしにくいからだ。


 1位はアンテックの「Three Hundred」で、12cmと14cmのファンを搭載し、しっかり内部を冷却できるのが特徴。また、内部スペースも広めにとっているので、作業しやすい。2位はCOOLER MASTERの「CM 690」。フロントパネルをメッシュにしているので、通気性がよい。またファンを2基搭載できる。
 PCケースは電源付きのものもあるが、ほとんどは電源を搭載していない。PCケースを購入する時は一緒に電源も購入しておくとよいだろう。なお、電源は400-500Wぐらいのものが売れ筋だ。

 電源ランキング1位は、サイズの「CoRE PoWER2 400W」で、電源容量は400W。静音性と冷却性の高い小軸タイプ設計のファンを搭載している。このほか、負荷状況を監視し、システム環境にあったファン回転数に調整する「サイレントファンコントロールサーキットver.2」を搭載した。2位はアビーの「ZUMAX ZU-420W」で、容量は420W。電源ユニットの内部温度が約20度に達したところで回転を始める12cmの静音型ファンを搭載する。

 

●火曜日 PCの心臓部、CPUを選ぼう

 次に計算・処理を行うPCの心臓部、CPUを選ぼう。いろいろなモデルがあるが、まずは用途を考えて選んでいこう。例えば、サクサクと動く処理速度の速いものか、処理速度はそこそこだが、発熱を抑えられるものか、はたまた省エネモデルか、など好みで絞り込んでいこう。また、一概には言えないが、処理速度の目安として動作周波数、GHz数チェックするのもいいだろう。

 それでは売れ筋を見ていこう。1位は「Core 2 Duo E8400(3.0GHz)」。市場推定価格は2万円前後。2位は「Core 2 Duo E8500(3.16GHz)」で、市場推定価格は2万2000円前後だ。2モデルとも2つのコア(演算回路)を搭載した「Core 2 Duo」で、処理速度が速いだけではなく、静音化も図った低消費電力モデルだ。

 

●水曜日 CPUのソケットに合わせてマザーボードを選ぼう

 CPUを選んだら、次はCPUを載せるマザーボードを選びだ。購入する時は必ずCPUのソケットと対応するものを選ぶ必要がある。またサイズも、通常サイズのATX規格と、小型のMicroATX規格があるため、組み込むPCケースに合わせて選択しよう。
 1位はASUSTeK Computer(ASUS)の「P5Q Deluxe」。ソケットは「Core 2 Duo」や「Core 2 Quad」に対応する「ソケット775」。規格はATX。放熱性能が高い冷却用基板Stack Cool 2を採用するほか、ヒートパイプを利用してチップセットをしっかり冷やすことができる。2位は同じくASUSの「P5Q」で、「P5Q Deluxe」のコストパフォーマンスモデルだ。

 

●木曜日 搭載OSからメモリを選ぼう

 メモリ容量は多ければ多い方がいいが、まずは搭載するOSから最低容量を決めていこう。例えばWindows XPであれば512MB、Windows Vistaであれば1GBは最低でもほしいところだ。あとはインストールする予定のソフトやお財布と相談して決めていこう。使ってみて物足りなかったら、増設してもいい。

 デスクトップPC用メモリのランキングで、1位になったのははシー・エフ・デー販売の「W2U800CQ-1GLZJ」。1GBのメモリを2枚セットにしたモデルだ。2位はUMAXの「Pulsar DCDDR2-4GB-800」で、2GBのメモリを2枚セットにした。

 

●金曜日 データの保存庫、HDDを選ぼう

 デジタルカメラで撮影した画像、ダウンロードした音楽・動画データなどを溜め込むことができるデータの保存庫、HDDを選ぼう。ランキングは内蔵型の3.5インチモデルのみを抽出した。

 1位はバッファローの「HD-H500FBS2/3G」。「HD-HFBS2/3Gシリーズ」の500GBモデルで、第2世代Serial ATA IIを採用しており、最大3Gbpsの高速転送が可能。2位は同じく「HD-HFBS2/3Gシリーズ」の250GBモデル、「HD-H250FBS2/3G」だった。

 

●土曜日 ソフトのインストールに必須のCD/DVDドライブを選ぼう

 PCソフトをインストールする際に必ずといっていいほど必要になるのがCD/DVDドライブ。最近では次世代DVD、ブルーレイディスク(BD)を再生できるドライブも増えてきた。

 1位はLGエレクトロニクスの「GH20NS10BL」。2層対応のDVDスーパーマルチドライブで、DVD±Rへの20倍速、DVD±R DLへの12倍速記録に対応する。2位はソニーNECオプティアークの「AD-7200A-0B」で、DVD±Rへの20倍速、DVD-R DLへ12倍速の記録が可能。

 

●日曜日 こだわりユーザー向けのオマケパーツ

 これで基本的なパーツは揃い、なんとかPCの形にはなるだろう。こだわり派の人はさらにグラフィックボード(ビデオカード)や、冷却ファン、最近市場に出回り始めたTVチューナーなども搭載してみてはいかがだろうか。

 マザーボードにグラフィックチップを搭載したモデルもあるが、WEBの閲覧やOfficeなどの作業ができる程度の機能しか載っていない。そのため、PCでクオリティの高いゲームやテレビなどの映像を楽しみたい人にはグラフィックボードを用意しよう。

 1位はASUSの「EN9600GT/HTDI/512M R3」。「GeForce 9600GT」を搭載したグラフィックボードで、GPUクーラーには静音性と冷却能力のある「Glaciator/グラシエイター」を搭載する。2位はGIGABYTEの「GV-NX96T512H」で、「GeForce 9600GT」、512MBメモリを搭載する。

 自分好みのPCを作れる自作PCだが、費用の面ではどうだろうか? PCケース、電源、CPU、マザーボード、メモリ、HDD、ドライブそれぞれの平均価格を合算したところ、8万円前後となった。とはいえパーツを購入しただけではPCにはならない。これに組み立ての手間や時間などが必要になるが、そんな時間こそ「プライスレス」の楽しい時間になることだろう。(BCN・山下彰子)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。