今と変わらぬ2強の激突、デジタル一眼ランキングヒストリー
一昔前のランキングから、懐かしの製品を振り返るコーナー、BCNランキングヒストリー。今回はちょうど1年前、07年10月のデジタル一眼レフカメラの販売台数ランキングTop5を振り返ってみる。ちなみにボディ、レンズセットは合算して集計している。時代は変われど勢力図は変わらず――あの2強が激戦を繰り広げる構図は今と変わっていない。
機能面では初心者向けながら有効1010万画素のCMOSセンサーを搭載。画質がよいことに加えて、AF(オートフォーカス)が速かったことから、女性や高齢者を中心に人気を博した。また、サイズが幅126.5×高さ94.2×奥行き65mm、重さは510gと小型・軽量な点も人気を集めていたようだ。
しかし「撮った写真を大きくプリントしたい」「写真は高精細なほうが好み」といった理由で「D40」購入に二の足を踏んでいた人にはうってつけの機種だ。筆者の知人はまさにそういった理由で「D40x」を購入。「カメラはよくわからない」という理由で、購入するときに量販店の売り場に無理やり連れて行かれたのも今ではいい思い出だ。
4位 ニコン D80
「D80」も、おもに中級者をターゲットにした機種。有効1020万画素のCCDを搭載し、新開発の画像処理回路で、なめらかな階調の画像撮影ができるほか、処理速度の高速化、省電力化を図った。06年9月1日の発売から最初の週は売上好調だったが、直後にキヤノンの「EOS KissデジタルX」が登場したことやボディの重さが585gとほかの機種と比べるとやや重めなことから苦戦していた。しかし、その後は堅調な売り上げを維持し、この時期でも4位にランクインする結果となった。
5位 ニコン D40
「D40」は、発売当時、ボディの実勢価格が6万円前後で、デジタル一眼レフの価格破壊を起こしたカメラとして大人気を博した。また、一眼レフはカメラ上級者向けというイメージを覆し、女性やファミリー層といった初心者もターゲットに設定したことで、コンパクトカメラからの乗り換え需要などを喚起した。
画素数は610万と当時としても少々物足りず、AFの測距点が3点しかないなど、機能的な制限はあるが、一眼レフの敷居を下げ、近年誰もが気軽に一眼レフを購入するようになった土台を作った製品だ。06年12月の発売ながら、この当時のランキングでTop5入りを果たしているところに根強い人気を感じることができる。このカメラからデジタル一眼レフを始めたという人も多いのではないだろうか。
いかがだっただろう? 現在のランキングと比べてみると機種の顔ぶれこそ違えど、当時からキヤノンとニコンの2社が激しい争いを繰り広げながら、市場をリードしているのは変わらない。最近では動画撮影機能まで搭載したモデルが登場するなど、デジタル一眼レフの世界はますます広がっている。相変わらず目が離せない市場ではあるが、時にはこうして以前のランキングを眺めてみるのも面白いだろう。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。
キヤノンとニコン、お互い譲らず
この時期圧倒的な強さを見せていたのがキヤノン「EOS Kiss デジタルX」だ。06年9月の発売以来、14か月連続で月間トップを獲得。以降も08年4月に後継機「EOS Kiss X2」にかわされるまで、なんと19か月連続で首位の座を守っていくことになる。
機能面では初心者向けながら有効1010万画素のCMOSセンサーを搭載。画質がよいことに加えて、AF(オートフォーカス)が速かったことから、女性や高齢者を中心に人気を博した。また、サイズが幅126.5×高さ94.2×奥行き65mm、重さは510gと小型・軽量な点も人気を集めていたようだ。
「D40x」は、今回5位に入っている「D40」の兄弟機。「D40」に比べ、画素数を1020万画素に向上させたほか、シャッターのメカニズムなどは同社の中級機の一眼デジカメ並みに変更。そのため「D40」と本体サイズは同じだが価格は高めになった。
しかし「撮った写真を大きくプリントしたい」「写真は高精細なほうが好み」といった理由で「D40」購入に二の足を踏んでいた人にはうってつけの機種だ。筆者の知人はまさにそういった理由で「D40x」を購入。「カメラはよくわからない」という理由で、購入するときに量販店の売り場に無理やり連れて行かれたのも今ではいい思い出だ。
「EOS 40D」は、キヤノンが中級者向けに発売したデジタル一眼レフ。前モデルの「30D」では820万画素だった有効画素数は 1010万画素に増え、画像処理能力が2倍に向上した映像エンジン「DIGIC III」を搭載。前モデルの「30D」が、さらにその前のモデル「20D」から画素数や映像エンジンなどを据え置いたマイナーチェンジモデルだったことから「30D」は買い控えたユーザーもフルモデルチェンジした「40D」の購入に走った背景があり、好調な売り上げを記録した。
4位 ニコン D80
「D80」も、おもに中級者をターゲットにした機種。有効1020万画素のCCDを搭載し、新開発の画像処理回路で、なめらかな階調の画像撮影ができるほか、処理速度の高速化、省電力化を図った。06年9月1日の発売から最初の週は売上好調だったが、直後にキヤノンの「EOS KissデジタルX」が登場したことやボディの重さが585gとほかの機種と比べるとやや重めなことから苦戦していた。しかし、その後は堅調な売り上げを維持し、この時期でも4位にランクインする結果となった。
5位 ニコン D40
「D40」は、発売当時、ボディの実勢価格が6万円前後で、デジタル一眼レフの価格破壊を起こしたカメラとして大人気を博した。また、一眼レフはカメラ上級者向けというイメージを覆し、女性やファミリー層といった初心者もターゲットに設定したことで、コンパクトカメラからの乗り換え需要などを喚起した。
画素数は610万と当時としても少々物足りず、AFの測距点が3点しかないなど、機能的な制限はあるが、一眼レフの敷居を下げ、近年誰もが気軽に一眼レフを購入するようになった土台を作った製品だ。06年12月の発売ながら、この当時のランキングでTop5入りを果たしているところに根強い人気を感じることができる。このカメラからデジタル一眼レフを始めたという人も多いのではないだろうか。
いかがだっただろう? 現在のランキングと比べてみると機種の顔ぶれこそ違えど、当時からキヤノンとニコンの2社が激しい争いを繰り広げながら、市場をリードしているのは変わらない。最近では動画撮影機能まで搭載したモデルが登場するなど、デジタル一眼レフの世界はますます広がっている。相変わらず目が離せない市場ではあるが、時にはこうして以前のランキングを眺めてみるのも面白いだろう。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。