ジョブズが魅せたnanoとtouchの進化のカタチ――新iPodの発表会
米アップルは9月9日、サンフランシスコでマスコミ向けのイベントを開催し、スティーブ・ジョブズCEOが、新しいiPodやiTunes 8を発表した。これを受けてアップルジャパンでは10日、米国でのイベントの中継録画をアップルストア銀座でマスコミ向けに上映し、新iPodシリーズなどを披露した。そこで、ジョブズCEOの発表の模様などを中心に駆け足でお伝えしよう。
ステージに登場したジョブズCEOはまず、好調なiTunesビジネスの実績を披露した。iTunesストアには現在、850万曲の楽曲、3万本以上のTVエピソード、2600本以上の映画を取りそろえており、ウォルマートなどの小売店も含めて、米国ではナンバー1の音楽ストアに成長したと告げた。
そして、iTunesの新バージョン「iTunes 8」を発表した。アルバムアートをタイル状に並べて表示することができるようになった。そして、「Genius(ジーニアス)」と呼ぶ新しい機能が搭載された。
「Genius」は、曲を聴いている最中に、その曲とマッチした曲を自動的にピックアップして、新しいプレイリストを作成してくれるというもの。同じアーティストやジャンルの曲、というわけではなく、あくまで雰囲気やテイストがマッチしている曲をピックアップする機能だ。
iTunes 8の「Genius」ボタンを1回クリックすると、HDDに保存してあるiTunesのライブラリの中から曲をサーチし、さらにもう1回クリックすると、今度はiTunesストアの中からもマッチした曲をサーチして、iTunes 8の右ペインに表示する。「Genius」は学習機能を備えていて、使えば使うほど、「マッチした曲」の精度が上がっていくという。
さて、いよいよ新iPodの発表だ。ジョブズCEOは、「ミュージックプレヤー市場で、iPodは73.4%のシェアを獲得している」ことを告げ、多くのサードパーティーからスピーカーやケースなどの周辺機器が多数販売され、「iPodは、すばらしいエコシステムを構築している」と語った。多くの熱心なiPodファンがいて、「なかには、アップル社が正式発表する前に、新しいiPodを公開してくれる人たちまでいる」とちょっと皮肉も。iPodシリーズは、これまでに累計1億6000万台以上の販売を記録しているという。
iPodシリーズの原点ともいえる「iPod Classic」は、これまで薄型と厚型の2つのバリエーションがあったが、薄型のほうが人気だったので、薄型1タイプだけにして、容量を従来の80GBから120GBにアップし、価格は据え置きでリニューアルした。
「iPod nano」は、縦型からスタートして、第3世代でスクエアなプロポーションになったが、新しい第4世代では再び縦型デザインに変更された。ただし、エッジ部分は第3世代のように丸みを帯びた処理が施され、垂直方向から見ると、楕円形を薄く引き延ばしたように見える。また、液晶サイズは第3世代と同様に2インチサイズをキープ。そのため、第1、2世代の縦型nanoと比べると、液晶画面がかなり大きく見える。
この第4世代「iPod nano」には、新たに加速度センサーが搭載された。本体を横向きに持つと、プレイリストがカバーフロー表示になる。また、加速度センサーを利用して、曲の再生中に本体を振ると「シャッフル」機能がき、再生される曲が切り替わるギミックも搭載されている。さらに、「Genius」機能も搭載されていて、iTunes 8と同期しなくても、「iPod nano」単体で、本体に収録されている曲を対象とした「Genius」のプレイリスト作成ができるようになっている。
ポケットから新しい「iPod nano」を取り出したジョブズCEOは、「iPod史上もっとも薄いiPod。画面もとても美しい」とその薄さを強調し、アルバムアートのカバーフロー表示や、横位置での写真表示をデモしてみせた。
続いて、第2世代の「iPod touch」を発表した。今度の「iPod touch」には、ボリュームコントロールボタンとスピーカーが搭載された。もちろん、新しいnanoと同様に、加速度センサーと「Genius」機能も搭載されている。そして、極限までボディの厚みを抑えたデザインになった。
また、Dockコネクタにセンサーを取り付けることなく、本体だけで「Nike+iPod」にも対応する。シューズのほうのセンサー(別売)さえ用意すれば、走行距離や消費カロリーなどチェックできる「Nike+iPod」が利用可能だ。
第1世代の「iPod touch」から引き続き、無線LAN機能を搭載。「App Store」から、さまざまなアプリケーションやゲームをダウンロードして楽しむことができる。ちなみに、「App Store」からは、これまでに1億本以上のアプリケーションがダウンロードされているという。
ここで、フィル・シラー上級副社長がステージに登場し、新しい「iPod touch」で、最新のゲームをデモしてみせた。加速度センサーが搭載されたことで、「iPod touch」でも、「iPhone 3G」とまったく同じように、本体を傾けて操作するゲームが楽しめるようになった。
再びステージに現れたジョブズCEOは、「新しい iPod touch は、アップル史上最高の音楽プレーヤーであるのはもちろん、愛好のビデオプレーヤーでもあるし、(異論を唱える人もいるかもしれないが)最高のゲームプレーでもある」と語った。
最後に、アップルの音楽関係イベントでは恒例となっている、有名アーティストのライブパフォーマンス。今回は、iTunesストアでもっとも多くダウンロードされているアーティストという紹介で、ジャック・ジョンソンがステージに登場。
ジャック・ジョンソンは「僕が1番だって? 嘘だろう、もっとほかに、U2とかがいるんじゃないか? ああ、そうか、彼らはグループだもんな。きっと1人だけのアーティストでは1番、ってことなんだろう」と冗談を言いながら、ギター弾き語りで3曲を披露した。
米国でのイベントの録画上映が終了したあとは、ハンズオンコーナーで、iTunes 8 や新しいiPodシリーズに触れることができた。スリムでカラフルな「iPod nano」もかなり魅力だが、「iPod touch」もなかなかオシャレ。
音楽を楽しむのが中心で、ファッションなどとのコーディネートで遊び心を表現したい人には、新しい「iPod nano」がおすすめだ。プレゼントとしても最適だろう。10日から発売になった「iPod nano」をいち早く手に入れようと、アップルストア銀座には、オープン前から行列ができていたほどだ。一方、音楽だけでなく、ビデオやゲームも楽しみたい人なら、新しい「iPod touch」できっと満足できるに違いない。(フリーライター・中村光宏)
ステージに登場したジョブズCEOはまず、好調なiTunesビジネスの実績を披露した。iTunesストアには現在、850万曲の楽曲、3万本以上のTVエピソード、2600本以上の映画を取りそろえており、ウォルマートなどの小売店も含めて、米国ではナンバー1の音楽ストアに成長したと告げた。
そして、iTunesの新バージョン「iTunes 8」を発表した。アルバムアートをタイル状に並べて表示することができるようになった。そして、「Genius(ジーニアス)」と呼ぶ新しい機能が搭載された。
「Genius」は、曲を聴いている最中に、その曲とマッチした曲を自動的にピックアップして、新しいプレイリストを作成してくれるというもの。同じアーティストやジャンルの曲、というわけではなく、あくまで雰囲気やテイストがマッチしている曲をピックアップする機能だ。
iTunes 8の「Genius」ボタンを1回クリックすると、HDDに保存してあるiTunesのライブラリの中から曲をサーチし、さらにもう1回クリックすると、今度はiTunesストアの中からもマッチした曲をサーチして、iTunes 8の右ペインに表示する。「Genius」は学習機能を備えていて、使えば使うほど、「マッチした曲」の精度が上がっていくという。
さて、いよいよ新iPodの発表だ。ジョブズCEOは、「ミュージックプレヤー市場で、iPodは73.4%のシェアを獲得している」ことを告げ、多くのサードパーティーからスピーカーやケースなどの周辺機器が多数販売され、「iPodは、すばらしいエコシステムを構築している」と語った。多くの熱心なiPodファンがいて、「なかには、アップル社が正式発表する前に、新しいiPodを公開してくれる人たちまでいる」とちょっと皮肉も。iPodシリーズは、これまでに累計1億6000万台以上の販売を記録しているという。
iPodシリーズの原点ともいえる「iPod Classic」は、これまで薄型と厚型の2つのバリエーションがあったが、薄型のほうが人気だったので、薄型1タイプだけにして、容量を従来の80GBから120GBにアップし、価格は据え置きでリニューアルした。
「iPod nano」は、縦型からスタートして、第3世代でスクエアなプロポーションになったが、新しい第4世代では再び縦型デザインに変更された。ただし、エッジ部分は第3世代のように丸みを帯びた処理が施され、垂直方向から見ると、楕円形を薄く引き延ばしたように見える。また、液晶サイズは第3世代と同様に2インチサイズをキープ。そのため、第1、2世代の縦型nanoと比べると、液晶画面がかなり大きく見える。
この第4世代「iPod nano」には、新たに加速度センサーが搭載された。本体を横向きに持つと、プレイリストがカバーフロー表示になる。また、加速度センサーを利用して、曲の再生中に本体を振ると「シャッフル」機能がき、再生される曲が切り替わるギミックも搭載されている。さらに、「Genius」機能も搭載されていて、iTunes 8と同期しなくても、「iPod nano」単体で、本体に収録されている曲を対象とした「Genius」のプレイリスト作成ができるようになっている。
ポケットから新しい「iPod nano」を取り出したジョブズCEOは、「iPod史上もっとも薄いiPod。画面もとても美しい」とその薄さを強調し、アルバムアートのカバーフロー表示や、横位置での写真表示をデモしてみせた。
続いて、第2世代の「iPod touch」を発表した。今度の「iPod touch」には、ボリュームコントロールボタンとスピーカーが搭載された。もちろん、新しいnanoと同様に、加速度センサーと「Genius」機能も搭載されている。そして、極限までボディの厚みを抑えたデザインになった。
また、Dockコネクタにセンサーを取り付けることなく、本体だけで「Nike+iPod」にも対応する。シューズのほうのセンサー(別売)さえ用意すれば、走行距離や消費カロリーなどチェックできる「Nike+iPod」が利用可能だ。
第1世代の「iPod touch」から引き続き、無線LAN機能を搭載。「App Store」から、さまざまなアプリケーションやゲームをダウンロードして楽しむことができる。ちなみに、「App Store」からは、これまでに1億本以上のアプリケーションがダウンロードされているという。
ここで、フィル・シラー上級副社長がステージに登場し、新しい「iPod touch」で、最新のゲームをデモしてみせた。加速度センサーが搭載されたことで、「iPod touch」でも、「iPhone 3G」とまったく同じように、本体を傾けて操作するゲームが楽しめるようになった。
再びステージに現れたジョブズCEOは、「新しい iPod touch は、アップル史上最高の音楽プレーヤーであるのはもちろん、愛好のビデオプレーヤーでもあるし、(異論を唱える人もいるかもしれないが)最高のゲームプレーでもある」と語った。
最後に、アップルの音楽関係イベントでは恒例となっている、有名アーティストのライブパフォーマンス。今回は、iTunesストアでもっとも多くダウンロードされているアーティストという紹介で、ジャック・ジョンソンがステージに登場。
ジャック・ジョンソンは「僕が1番だって? 嘘だろう、もっとほかに、U2とかがいるんじゃないか? ああ、そうか、彼らはグループだもんな。きっと1人だけのアーティストでは1番、ってことなんだろう」と冗談を言いながら、ギター弾き語りで3曲を披露した。
米国でのイベントの録画上映が終了したあとは、ハンズオンコーナーで、iTunes 8 や新しいiPodシリーズに触れることができた。スリムでカラフルな「iPod nano」もかなり魅力だが、「iPod touch」もなかなかオシャレ。
音楽を楽しむのが中心で、ファッションなどとのコーディネートで遊び心を表現したい人には、新しい「iPod nano」がおすすめだ。プレゼントとしても最適だろう。10日から発売になった「iPod nano」をいち早く手に入れようと、アップルストア銀座には、オープン前から行列ができていたほどだ。一方、音楽だけでなく、ビデオやゲームも楽しみたい人なら、新しい「iPod touch」できっと満足できるに違いない。(フリーライター・中村光宏)