オリンパスと松下、デジタル一眼の新規格「マイクロフォーサーズ」を策定
フランジバック(マウントとイメージセンサーの間隔)をフォーサーズシステムの半分に短縮。マウントの外径も約6mm小さくした。また、マウントの電気接点数を従来の9点から11点に増やした。専用のアダプターを使うことでフォーサーズ対応の交換レンズを利用することもできる。
フランジバックを短縮することで、カメラボディの薄型化を可能にした。マウント外径の縮小との組み合わせ効果で、特に広角の交換レンズを薄く超小型にできるという利点がある。また、マウントの電気接点数の増加によってカメラとレンズの連動性も高め、動画撮影が可能なデジタル一眼レフの開発も視野に入れる。
一方、撮像素子の大きさはフォーサーズと同じ。35ミリフィルムの半分の対角長をもつ、3分の4型のイメージセンサーを使用する。レンズでとらえた画像を見るための光学ファインダー用ミラーは搭載せず、液晶ファインダーで被写体を確認して撮影する。そのため、「正確には、デジタル一眼レフ並みの画質で撮影できるレンズ交換式デジタルカメラシステム」(小川治男・オリンパスイメージングSLR事業本部本部長)と説明している。
オリンパスと松下は「デジタル一眼レフ市場を活性化する更なる提案」(大久保雅治・オリンパスイメージング社長)として、マイクロフォーサーズに対応したカメラと交換レンズの早期商品化を目指す。商品の内容や価格は未定。ただ、「いろんな形態の商品展開ができる」(吉田守・松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社副社長)として、新規格を使った薄型・軽量のデジタル一眼レフだけでなく、レンズ交換式の薄型コンパクトデジタルカメラなどの開発も視野に入れている。
2社によるとデジタル一眼レフ市場はコンパクトデジカメから乗り換えるファミリー層や女性ユーザーが拡大しているが、価格以外で「カメラボディが大きくて重い」「簡便さ・気軽さに欠ける」という点で、購入を控えている人が多いという。両社は新規格を採用した「薄くて軽い」デジタル一眼で、これまで尻込みしていた初心者層を開拓。シェア拡大につなげてデジタル一眼市場で2強のニコン、キヤノンを追撃する。