シャープ、電子辞書の新ブランドと、コンテンツダウンロードサイトを開設
電子辞書の新ブランドとして展開する「Brain」は、カラー液晶を搭載し、「カラーで楽しむ、学ぶ、発見する」をコンセプトに開発した電子辞書。シャープの大畠昌巳・執行役員情報通信事業本部長は新ブランドについて、「ブレーンとは、顧問や参謀という意味を持つ。電子辞書を、言葉を調べるだけのツールとしてだけでなく、楽しむや学ぶなど便利で役立つツールにしたい、という思いを込めて名付けた」と説明した。
本体には、同社が強みとする液晶パネル技術を採用した5型HVGAカラー液晶を搭載。省電力化設計で、現行モデルの約3倍にあたる80時間の連続表示を実現した。カラー画面の利点を生かして、地図や画像などのビジュアルから検索を行う「カラー図鑑」機能を新たに追加。植物や動物などのカテゴリを選択すると、それに該当する写真を表示、気になる写真を選択すれば、写真から逆引きして名称や意味を調べることができる。
そのほか、独自の機械翻訳技術を応用した「会話アシスト」機能を用意。2-3語の日本語キーワードから、旅行などに適した英語と中国語の例文を検索でき、なおかつネイティブ音声で発音してくれる。電子辞書の購入理由に、「海外旅行で活用したい」というニーズが多いことから、同機能を追加したという。
本体サイズは、幅145×奥行107.95×高さ21.5mm、重さ約360g。100MBの本体メモリを内蔵する。両モデルとも、国語辞典「スーパー大辞林」、英和辞典「ジーニアス英和辞典」、英英辞典「オックスフォード現代英英辞典」、百科事典「ブリタニカ国際大百科事典」などを収録。「PW-AC880」は、そのほか「大人のIQテスト」や「脳を鍛える大人の計算ドリル」など、学習コンテンツを多く搭載する。本体カラーは、「PW-AC880」がクリアシルバー、ノーブルブラック、ワインレッドの3色を、「PW-AC830」がクリスタルホワイト、コズミックブルーの2色を用意する。
また、「Brain」シリーズの発売に合わせて、電子辞書のコンテンツをダウンロード販売するサイト「ブレーンライブラリー」を開設する。付属するソフトをインストールしたPCを経由することで、本体かSDメモリーカードに転送することができる。
同社は電子書籍で活用していたXMDFフォーマットを、辞書コンテンツ用に機能拡張。これにより、同社が運営する電子書籍サイト「Space Townブックス」のコンテンツを、電子辞書でも展開できるようになった。開設当初は、専門辞書や図鑑、英語学習教材など約60の電子辞書コンテンツと、「Space Townブックス」からの約1万9400コンテンツを用意する。2010年には計2万5000冊、2015年には計5万冊の電子コンテンツをラインアップする予定だという。