シャープ、108V型液晶を松竹のシネコンに納入、マスコミ見学会を開催

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2008/07/18 17:33

 シャープは7月18日、世界最大の108V型液晶ディスプレイを松竹が運営するシネマコンプレックス「新宿ピカデリー」に納入し、マスコミ向けの見学会を開催した。

 シャープが開発した108V型の液晶ディスプレイは、業務用で同社の亀山第2工場で使用する第8世代マザーガラスから1面取りできる最大サイズの液晶パネルを使用。表示エリアは約2畳分に相当する。


 解像度は1920×1080画素で、コントラストが高いのが特徴。サイズは高さ1.5×幅2.5×奥行き0.2m、本体のみの重さは約195Kg。松竹では7月19日にオープンする11階建てのシネコン「新宿ピカデリー」の情報表示用のディスプレイとして使用。3階のメインロビーに設置した。


 また、館内のチケットカウンターやメニューボードなどの表示用にもシャープ製の液晶ディスプレイを採用。65V型を10台、52V型を2台、46V型を4台、37V型を10台、10.4V型を24台と、合計51台の液晶ディスプレイを導入した。


 新宿ピカデリーは、10スクリーンと総席数2237席を備える都心最大級のシネコン。世界初となる1室で3万円のプライベートルーム型バルコニー席「プラチナルーム」や、1席5000円の「プラチナシート」なども用意した。

 松竹の樫村暢彦・映像本部映画興行部マネージャーは「新宿ピカデリーのデザインコンセプトは『真っ白なシアター』。映画の魅力を最大限に引き立たせるキャンバスをイメージした。白を基調とした明るい空間で、シャープの液晶は高コントラストの表示ができるだけでなく、大型で遠くからでもしっかりと情報を認識できる」と、採用理由を説明した。


 加えて、「これまでは映画の情報を提供するのに紙やポスターを使って張り替えによる手間が発生していたが、それを省力化することができる。また、予告編などを流すことで映像芸術としてのミュージアム効果も期待したい」と話した。


 一方、シャープの名井哲夫・情報通信事業本部副本部長は「業務用の大型ディスプレイは、店舗やイベント、オフィスや教育現場での使用など、多様なソリューションに向いている。09年に堺工場が稼動した後は、グローバル展開も視野に入れて、供給を増やしていきたい」と、今後の業務用ディスプレイ戦略を述べた。