東芝、世界初の映像処理専用CPUを搭載したノートPC「Qosmio G50/F50」

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2008/06/23 15:12

 東芝は6月23日、世界初の映像処理用CPUを搭載したノートPC「Qosmio(コスミオ) G50」と「Qosmio F50」を7月下旬に発売すると発表した。ハイビジョン(HD)の普及が進むなか、「PC、映像、半導体技術を融合したHDコンテンツを自在に扱えるパソコン」(東芝)として、デスクトップPCに代わる家庭や個人向けの一台目PCとして売り込む。


 「G50」「F50」ともにCPUにインテルの次世代Core 2 Duoに加え、画像処理専用のCPU「Spurs Engine(スパーズエンジン)」を搭載。2つのCPUを使ってインターネットの閲覧や文書作成などの汎用処理と、映像編集などの処理を別々に行うようにすることで高速化を図った。

 「Spurs Engine」は、東芝がソニー、米IBMと共同で開発した高性能CPU「Cell(セル)」をベースにした映像処理CPU。「Cell」はソニーの家庭用ゲーム機「PLAYSTATION 3(PS3)」に搭載されている。東芝では「Cell」から演算機能のみを取り出し、PCの映像処理向けに開発した。4基のプロセッサーとMPEG-2、MPEG-4 AVC/H.264に対応した映像処理回路を内蔵。地上デジタル放送(地デジ)の高速録画や地上アナログ放送程度の映像をHD並みの高画質化が行える。

 「Spurs Engine」を使うことで映像を使った新たなインターフェイスも搭載した。その1つが映像の中から人の顔の画像だけを取り出して並べるアプリケーション「顔deナビ」。画面に録画した地デジ番組の出演者の顔や音声のハイライトシーンのグラフ、番組の内容を一定間隔ごとに静止画を表示。それぞれの項目をクリックするだけで、ユーザーが見たい場面をすばやく探して再生できるようにした。


 もう1つが「ハンドジェスチャーリモコン」。「Qosmio」の内蔵カメラに手を向けると、「Spurs Engine」が手の動きを認識してマウスの動作に変換。手のひらをかざすと動画の再生や一時停止、拳を回すとスクロール、親指を立てるとクリックといった操作ができる。


 「Qosmio G50」は18.4型のWUXGAの液晶ディスプレイを搭載。CPUは次世代Core 2Duoで、メモリは2GB。グラフィックボードはNVIDIAのGeForce 9600M GT、光学ドライブはDVDスーパーマルチ。地デジチューナーを2基内蔵する。OSはWindows Vista Home Premium。キーボードには10キーを採用し、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN機能も備える。小型の地デジ用簡易アンテナとリモコンが付属する。


 ラインアップはHDD容量が500GBの「G50/98G」と250GBの「G50/97G」の2機種。価格はともにオープン。実勢価格は「G50/98G」が33万円台半ば、「G50/97G」は29万円台半ばの見込み。

 一方、「Qosmio F50」はディスプレイに15.4型のWUXGA液晶を採用。CPUは次世代Core 2Duo。HDDは250GBで、メモリは2GB。グラフィックボードはNVIDIAのGeForce 9600M GT、光学ドライブはDVDスーパーマルチ。地デジチューナーは2基搭載する。


 OSはWindows Vista Home Premiumで、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN機能を装備。小型の地デジ用簡易アンテナとリモコンが付属する。価格はオープン。実勢価格は25万円台半ばの見込み。

 同時に、ノートPC「dynabook(ダイナブック)」の新シリーズ「dynabook Qosmio FX」も発表した。従来機種よりもグラフィック機能を強化した機種で、ボードに「Qosmio」と同じ、NVIDIAのGeForce 9600M GTを採用した。


 ディスプレイは15.4型のWXGA液晶を搭載。CPUは次世代Core 2Duo、HDDが200GB、メモリが2GB。光学ドライブはDVDスーパーマルチで、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN機能も備える。地デジチューナーは内蔵しない。7月下旬に発売し、価格はオープン。実勢価格は20万円台半ばの見込み。