マイクロソフト、地デジ視聴をOS標準搭載へ
地デジ放送の視聴・録画は、「Vista」のマルチメディア機能「Windows Media Center」の拡張版「同 TV Pack」を開発し、OSに標準搭載することでサポートする。地デジ放送を視聴・録画できるPCはあるが、各メーカーがそれぞれ専用ソフトを開発してPCに搭載することで可能にしていた。今回OSレベルで処理することで、各PCメーカーは個別にソフトを開発する必要がなくなり、手間とコストを抑えることができる。また、「起動時間やチャンネル変更の時間が短縮できるなど操作性が向上した」と、ユーザーにとってもメリットがあることを強調している。
「TV Pack」を搭載する「Vista」モデルは、上位版「Home Premium」と「Ultimate」の2モデルだけに限定する。「TV Pack」搭載OSのパッケージソフトは販売せずに、PCメーカーへの提供だけにとどめるため、ユーザーはこの新機能を利用したい場合は、対応PCを購入するしかない。現時点で「TV Pack」を備える「Vista」PCの発売が決まっているのは、富士通とマウスコンピュータ、ソーテック、エプソンダイレクトの4社で、年末に発売する予定だ。
佐分利ユージン・執行役常務ビジネス&マーケティング担当は、「『Vista』の出荷前からテレビ番組を楽しめるための機能を意識していた。地デジ放送の視聴・録画機能をOSがネイティブ(標準)サポートすることで、PCで地デジを楽しむ層を広げることができる」と説明している。
一方、笠原健司・デジタルエンターテイメントパートナー統括本部本部長は、「テレビチューナー搭載PCはアナログチューナー搭載モデルの落ち幅を、デジタルチューナー搭載モデルが補っていない。OSで標準搭載することでテレビパソコンの市場を活性化させたい」と狙いを語った。
※週刊BCN 2008年6月23日付 Vol.1240より転載