BCN、動き始めたオリンピック需要、テレビとレコーダーがともに好調

特集

2008/06/18 17:33

 BCN(奥田喜久男社長)は6月18日、「BCNランキング」を基に、08年1月1日から6月15日までのデジタル製品の販売動向調査結果を発表した。テレビとレコーダーが台数・金額ともに前年比を上回り、北京オリンピック需要が立ち上がり始めたことを明らかにした。

 テレビやパソコンなどデジタル家電の販売金額の前年同月比で算出する「BCN指数」が、4月を底に5月100.1%、6月上旬(1-15日合算)105.1%と増加。例年、需要の谷間になるこの時期に、今年はテレビとレコーダーが販売台数・金額ともに前年比を大きく上回った。会見でBCNの田中繁廣・チーフアナリストは、「ボーナス商戦を前倒しする形で、北京オリンピックの需要が立ち上がり始めたと推測できる」と分析した。


 ジャンル別では、薄型テレビが5月以降、販売台数・金額ともに前年同期比で07年の年末商戦を上回って推移。特に販売金額の伸び率が顕著で、5月が118.1%、直近の6月前半(1日-15日)でも124.6%と右肩上がりの傾向をみせている。プラズマテレビも6月前半は、金額で114.6%と初めての2ケタ成長を記録。薄型テレビのサイズ別では、液晶・プラズマテレビともに40-50型クラスが伸びをみせ、大型化が進んでいる。特に46型が構成比を伸ばし、田中チーフアナリストは「液晶・プラズマテレビともに、46型が下半期商戦の中心サイズとなるだろう」と予測した。

 DVDレコーダーは、新製品が出揃った5月を境にブルーレイディスク(BD)搭載モデルが本格的な普及期に入ったと指摘。5月は販売台数が前月比10.4ポイント増の106.9%、販売金額が同11ポイント増の118.6%だった。6月前半には、さらに販売台数・金額ともに前月比で20ポイント近く拡大。08年に入ってからは、台数ベースで前年割れが続いたが、5月以降にBDが需要拡大をけん引する形でプラスに転じた。7月もDVDレコーダー全体で販売台数が120%、販売金額でも125%前後の伸びを予測している。

 北京オリンピック後の販売動向について田中チーフアナリストは「各社、パネル生産や部品調達に対して慎重になっている。過剰在庫が発生して値崩れする、という心配はないものの、多少の落ち込みはあるかもしれない」とコメントした。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで119品目を対象としています。