マイクロソフト、「Vistaで地デジ」を実現、PCメーカー向けにソフト提供
データ放送やEPG番組表の表示のほか、番組のキーワード検索、タイムシフト再生にも対応。Windows Vistaのサイドバーのガジェットとも連携する。なお今のところ、パッケージ版での発売や、現行ユーザーに向けた拡張機能提供の予定はないという。
発表会で佐分利ユージン・執行役常務ビジネス&マーケティング担当は「今後のコンシューマー市場においてはコンテンツがキーになってくる。一番多くの人が見ているコンテンツはやはりTV。OSレベルで地デジをサポートすることにより、デジタルTVの新たな視聴スタイルのドライバとなるだろう」と挨拶した。
現時点で提供が決定しているPCメーカーは富士通、マウスコンピューター、エプソンダイレクト、ソーテックの4社。独自に専用視聴ソフトを開発する必要がなくなったため、開発コストの低下にもつながるという。また、テレビ朝日、東京放送、日本テレビ、NHK、フジテレビの各放送局が「Windows Media Center TV Pack」向けに対応コンテンツの提供を行う。ガジェットのサイドバーから番組ウィンドウを起動したり、番組視聴中に放送内容に関する詳細の確認や、商品購入ページへのジャンプといった、放送と連携したサービスを提供していく予定。
佐分利氏は「OSレベルで地デジをサポートすることにより、PCのボリュームゾーンといわれる15万円前後の普及モデルでも地デジが視聴できるようになる。より多くのユーザーにPCでの地デジ視聴機会ができるとともに、新しいビジネスモデルの展開も出てくるだろう」との見通しを語った。
発表会に招かれた総務省の吉田博史・情報通信政策局地上放送課長は「現在までに、地デジチューナーを搭載したPCの出荷台数は109万台。今回またさまざまな可能性を見せてもらい、この『109万』という数字がどれだけ伸びるかを期待させてもらえた。放送と通信が、デジタルという技術を通じて発展し、新しい生活スタイルが広がっていくことを願っている」と挨拶した。