日本HP、PCの店頭販売を再開、5万円台の超小型ノートを投入

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2008/06/13 13:36

――山下本部長に一問一答<br>
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP、小出伸一社長)のコンシューマ向けPC事業が5月に入って慌しい。3日、直販を貫いていた販売方針を転換し、6年ぶりに家電量販店での店頭販売も再開。21日には新商品として5万円台の超小型ノートPCを発表した。同社はコンシューマ市場から一度撤退したものの、2006年に再参入。それから約2年が経ち、世界シェアトップのPCメーカーが本格的に日本で動き始めた。山下淳一・モバイル&コンシューマビジネス本部本部長に戦略を聞いた。

──再参入から2年ほど経過した。この間をどう振り返る。

 「再参入当初、一度撤退した経験があるだけに、販売店からは『もうやめないよね?』などと言われ、心配をかけてしまっていた。まずは日本HPがコンシューマ向けPC事業を本気でやるという姿勢を示す必要があった。それだけでなく、日本市場の動向とニーズを把握するため、調査や研究を進めていた」

──直販だけの販売戦略から一転して、家電量販店での販売も開始した。

 「直販のカバー範囲は狭い。広くアプローチするには店頭チャネルが重要と前々から考えていた。5月に入って始めたのは準備が整ったということ。まずは、ビックカメラとヨドバシカメラ、ソフマップのほぼ全店舗で展開している」

──HP製PCを取り扱ってもらう家電量販店を増やす方針か。

 「拙速で拡大させるつもりはない。支援する体制が整っていなければ、販売店に迷惑をかけかねない。(現在取り扱っている)3社との結び付きを強めることが先決だ」

──PCは差別化がしにくい。特徴的なモデルを出さなければ、シェア拡大は難しい。

 「確かにそうで、後発の当社の商品を販売店に販売してもらい、消費者に購入してもらうためには、買い替え需要を促進して市場そのものを広げるような、魅力的なモデルを投入しなければならない。5月21日に発表した8.9インチモニタのミニノートPC『HP 2133 Mini?Note PC』、これがHPらしさを示した回答の1つだ。あれほどの高スペックモデルを、低価格で商品化できるのは、グローバルでPCビジネスを展開しスケールメリットを生かせるHPしかない。今回は超小型ノートPC分野での新商品だったが、年内にいくつか新モデルを発売する計画をもっている」

──世界シェアはトップながら、日本国内シェアは遠くおよばない。目標シェアは。

 「最優先でシェアを追い求めるつもりはない。まずは継続的に利益を出せる事業基盤を築きたい。日本は他国に比べて競合が多く、安定的に利益を出すこと自体がチャレンジだ。その壁をぶち破った後にシェアを追求する。シェア目標を明示する段階ではないが、個人的には7?8%なければ存在感は示せないと思っている」




週刊BCN 2008年6月16日付 Vol.1239より転載