ヤフーなど5社、「青少年ネット規制法案」に対する共同声明を発表

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2008/06/10 10:14

 ディー・エヌ・エー、ネットスター、マイクロソフト、ヤフー、楽天のインターネット事業者5社は6月9日、衆議院本会議で6日に可決された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案」について、共同声明を発表。表現の自由への制約や、フィルタリングの発展の阻害などの課題が多いことから、参議院において慎重な審議を図ることを求めている。

 声明では、例示といえども有害情報の定義をすることは、本来、国民それぞれの価値観によって判断されるべきものを国が決めることとなり、さらに削除などの努力義務を課していることと照らすと、表現の自由に及ぼす影響が大きい、としている。同様に、本法案が国に登録することを予定している「フィルタリング推進機関」についても、登録制度を通じて容易に国がフィルタリングの基準など表現の自由の制約につながるものへ関与できるとして懸念を表明している。

 また、内閣府に設置される「インターネット青少年情報対策・環境整備推進会議」が定める「基本計画」の中で有害情報の定義をしていくという自民党の動きに対し、実質的に国が有害情報を定義していく根拠を与える法律として位置づけていることは、法文上「例示」としながら国が深く関与しようとしていることに他ならず、これらの事実を国民に開示することなく法律案が成立することに憂慮を示した。

 フィルタリングは情報を遮断する道具ではなく、親権者に情報を管理してもらうための道具であるにもかかわらず、一律に情報を遮断することを想定してのフィルタリング強制は、フィルタリングの性格をゆがめるだけではなく、フィルタリングそのものの発展を阻害するものとして問題視している。