16:9ディスプレイを備えるAVノートPC、エイサー「Aspire 6920」を試した
エイサーが4月に発売した「Aspire 6920」(AS6920G-832G32)は、縦横比16:9の16インチワイドという珍しいサイズの液晶ディスプレイを採用したAVノートPC。まさに「持ち運べるホームシアター」ともいえるハイスペックマシンだ。ノートPCで一体どこまで楽しめるのか? その実力を試した。
●16:9の液晶でハイビジョンコンテンツが画面一杯に
昨年ゲートウェイを買収したエイサーは、世界第3位のシェアを誇るPCメーカー。日本国内では知名度がやや低いものの、最近は魅力的な製品を相次いで投入し、人気が高まっている。なかでも、4月に発売したAVノートPC「Aspire 6920」は、16:9の16インチワイド液晶を世界で初めて搭載した注目のモデル。ハイビジョンテレビの視聴やブルーレイディスク(BD)のコンテンツを楽しむ際、画面いっぱいに表示できるのがウリだ。一般的な16:10のワイド液晶ディスプレイでは、表示エリア以外の上下が黒くなってしまう。一方「Aspire 6920」は、15.4型ワイド液晶と比較すると14%も広いサイズで迫力の映像を鑑賞できるのだ。
液量パネルは高い色再現領域を持つCineCrystalを採用しており、解像度は1366×768ドット。応答速度は8msで、動きの速い映画を再生しても、残像感はほとんどない。輝度は220カンデラと普通だが、映像は明るく鮮明だ。BDで映画をいくつか再生してみたが、細部まできっちり表現されており、空気感まで伝わる高画質に驚いた。
音の良さも上々。左右に配置したステレオスピーカーに加え、サブウーハーにTuba CineBass Boosterを搭載し、高品質なサウンドを再生する。最大音量まであげても、クリアでひずみも少ない。また、新しいDOLBY HOME THEATER技術により、臨場感のある音場を再現。5.1chのサラウンドはもちろん、2本のスピーカーやヘッドフォンでもサラウンド再生が可能なSound Space Expanderやドルビーヘッドフォンなど、ハイビジョンコンテンツにふさわしい音を再生できる。
●左側のコンソールで視聴コンテンツを一括コントロール
ボディは、曲線を多用したAV PCらしいオシャレなデザイン。天板はつやのあるブラックで、中央には「acer」のロゴを配置。電源を入れると、白く光るのがかっこいい。ブラックが基調のカラーにシルバーのパームレストがアクセントになっている。
液晶を開くと、目に飛び込んでくるのが、左サイドに浮かび上がる操作パネルだ。「Acer CineDash Media Console」で、コンテンツの再生や一時停止、早送りなどのほか、メニュー選択や音量調節も可能。キーボードやマウス操作なしに、映像の視聴に集中できるのがうれしい。コンソールの上には、電源ボタンが青く輝いている。さらに、ヒンジ部分にAC電源を接続すると、こちらもブルーにライトアップされ、エンターテイメントパソコンであることを意識させてくれる。ちなみに、ACアダプタは大きめの90Wタイプだ。
このコンソールを左に配置したことで、キーボードはやや小ぶり。キーピッチが18ミリとフルサイズよりややコンパクトなタイプだ。キータッチは押しごたえがあり、強く入力する人でも安心できる剛性を感じる。一方、タッチパネルは89×43ミリと大きく、右サイドにはスクロールバーが用意されている。パームレストとはなだらかな段差があり、操作感はなめらか。反応も上々だ。ボタンは左右がつながっているタイプで、クリック感は浅め。左ボタンでドラッグしながら、右クリックでキャンセルといった操作はできない。
●ヘビーな作業もこなす「全部入り」スペック
今回試用した「Aspire 6920」(AS6920G-832G32)は、CPUにCore 2 Duo T8300(2.4GHz)を採用し、2GBのメモリ、320GBのハードディスクを搭載する。グラフィックチップには、動画再生支援機能を備えるNVIDIA GeForce 9500M GSを採用し、処理量の多いブルーレイディスクタイトルもスムーズに再生できる。
光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブ。各DVDメディアの読み書きが可能でBDの再生にも対応する。ただし、CPRM方式でDVDに録画した地デジ番組を再生することはできない。著作権保護技術に対応したHDMI端子を備えているので、大画面テレビに映像を出力することもできる。
そのほか、30万画素のウェブカメラや6in1のメモリカードリーダーを搭載し、ビデオチャットもデジカメ画像の取り込みも簡単。ネットワーク機能はギガビットイーサネットとIEEE802.11a/b/gの3規格対応無線LANに加え、Bluetooth 2.0+EDRや56Kモデムも搭載するなど、まさに機能「全部入り」状態。さらにタッチパッドのボタン間には指紋認証デバイスを搭載しており、セキュリティも万全だ。
バッテリー駆動時間はカタログ値で約2.3時間。実際にベンチマークを取ったところ2時間8分だった。モバイルで利用するパソコンではないが、一時利用のために家庭内を動くだけなら十分だろう。
Acer独自のアプリケーション群を搭載しているのも、PCビギナーには心強い。電源管理やサウンドの設定をはじめ、指紋の登録やHDMIからの出力などをわかりやすいインターフェースでナビゲートしてくれる。動画や音楽の再生、アルバムの表示などを行うAV管理ソフト「Acer Arcade Deluxe」も使いやすい。ハイエンドのAVノートだと、40万円近くするのが普通だが、実売価格は19万円前後と手の届くレベル。パソコンでハイビジョンコンテンツを堪能できることを考えれば、お買い得といっていいだろう。(アバンギャルド・柳谷智宣)
●16:9の液晶でハイビジョンコンテンツが画面一杯に
昨年ゲートウェイを買収したエイサーは、世界第3位のシェアを誇るPCメーカー。日本国内では知名度がやや低いものの、最近は魅力的な製品を相次いで投入し、人気が高まっている。なかでも、4月に発売したAVノートPC「Aspire 6920」は、16:9の16インチワイド液晶を世界で初めて搭載した注目のモデル。ハイビジョンテレビの視聴やブルーレイディスク(BD)のコンテンツを楽しむ際、画面いっぱいに表示できるのがウリだ。一般的な16:10のワイド液晶ディスプレイでは、表示エリア以外の上下が黒くなってしまう。一方「Aspire 6920」は、15.4型ワイド液晶と比較すると14%も広いサイズで迫力の映像を鑑賞できるのだ。
液量パネルは高い色再現領域を持つCineCrystalを採用しており、解像度は1366×768ドット。応答速度は8msで、動きの速い映画を再生しても、残像感はほとんどない。輝度は220カンデラと普通だが、映像は明るく鮮明だ。BDで映画をいくつか再生してみたが、細部まできっちり表現されており、空気感まで伝わる高画質に驚いた。
音の良さも上々。左右に配置したステレオスピーカーに加え、サブウーハーにTuba CineBass Boosterを搭載し、高品質なサウンドを再生する。最大音量まであげても、クリアでひずみも少ない。また、新しいDOLBY HOME THEATER技術により、臨場感のある音場を再現。5.1chのサラウンドはもちろん、2本のスピーカーやヘッドフォンでもサラウンド再生が可能なSound Space Expanderやドルビーヘッドフォンなど、ハイビジョンコンテンツにふさわしい音を再生できる。
●左側のコンソールで視聴コンテンツを一括コントロール
ボディは、曲線を多用したAV PCらしいオシャレなデザイン。天板はつやのあるブラックで、中央には「acer」のロゴを配置。電源を入れると、白く光るのがかっこいい。ブラックが基調のカラーにシルバーのパームレストがアクセントになっている。
液晶を開くと、目に飛び込んでくるのが、左サイドに浮かび上がる操作パネルだ。「Acer CineDash Media Console」で、コンテンツの再生や一時停止、早送りなどのほか、メニュー選択や音量調節も可能。キーボードやマウス操作なしに、映像の視聴に集中できるのがうれしい。コンソールの上には、電源ボタンが青く輝いている。さらに、ヒンジ部分にAC電源を接続すると、こちらもブルーにライトアップされ、エンターテイメントパソコンであることを意識させてくれる。ちなみに、ACアダプタは大きめの90Wタイプだ。
このコンソールを左に配置したことで、キーボードはやや小ぶり。キーピッチが18ミリとフルサイズよりややコンパクトなタイプだ。キータッチは押しごたえがあり、強く入力する人でも安心できる剛性を感じる。一方、タッチパネルは89×43ミリと大きく、右サイドにはスクロールバーが用意されている。パームレストとはなだらかな段差があり、操作感はなめらか。反応も上々だ。ボタンは左右がつながっているタイプで、クリック感は浅め。左ボタンでドラッグしながら、右クリックでキャンセルといった操作はできない。
●ヘビーな作業もこなす「全部入り」スペック
今回試用した「Aspire 6920」(AS6920G-832G32)は、CPUにCore 2 Duo T8300(2.4GHz)を採用し、2GBのメモリ、320GBのハードディスクを搭載する。グラフィックチップには、動画再生支援機能を備えるNVIDIA GeForce 9500M GSを採用し、処理量の多いブルーレイディスクタイトルもスムーズに再生できる。
光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブ。各DVDメディアの読み書きが可能でBDの再生にも対応する。ただし、CPRM方式でDVDに録画した地デジ番組を再生することはできない。著作権保護技術に対応したHDMI端子を備えているので、大画面テレビに映像を出力することもできる。
そのほか、30万画素のウェブカメラや6in1のメモリカードリーダーを搭載し、ビデオチャットもデジカメ画像の取り込みも簡単。ネットワーク機能はギガビットイーサネットとIEEE802.11a/b/gの3規格対応無線LANに加え、Bluetooth 2.0+EDRや56Kモデムも搭載するなど、まさに機能「全部入り」状態。さらにタッチパッドのボタン間には指紋認証デバイスを搭載しており、セキュリティも万全だ。
バッテリー駆動時間はカタログ値で約2.3時間。実際にベンチマークを取ったところ2時間8分だった。モバイルで利用するパソコンではないが、一時利用のために家庭内を動くだけなら十分だろう。
Acer独自のアプリケーション群を搭載しているのも、PCビギナーには心強い。電源管理やサウンドの設定をはじめ、指紋の登録やHDMIからの出力などをわかりやすいインターフェースでナビゲートしてくれる。動画や音楽の再生、アルバムの表示などを行うAV管理ソフト「Acer Arcade Deluxe」も使いやすい。ハイエンドのAVノートだと、40万円近くするのが普通だが、実売価格は19万円前後と手の届くレベル。パソコンでハイビジョンコンテンツを堪能できることを考えれば、お買い得といっていいだろう。(アバンギャルド・柳谷智宣)