米IBM、「Pulse2008」でサービスマネジメントとSOAの関連性を強調
基調講演の2日目、挨拶で登場したソフトウェアグループのアル・ゾラー・Tivoli担当ゼネラル・マネージャーは「サービスマネジメントとSOAは非常に関連性が深い」と先陣を切った。ゾラー・ゼネラル・マネージャーに代わって登壇したのは、グローバルコンサルティング・サービス・アンド・SOA担当のロバート・レブランク・ゼネラル・マネージャー。「SOAの推進力は何か」と問いかけたうえで、「競合他社はレガシーシステムをSOA化することに必死だ。しかし、このようなシステム構築の仕方はサービスマネジメントの観点でいえば、新しい問題が発生することになる。古い考え方を捨て、SOAとサービスマネジメントを関連づけることが望ましい」と話した。
ユーザー企業のシステム状況によっては、確かにレガシーシステムを徐々にSOA化することが適しているのかもしれない。しかし、あくまでもBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)を策定したうえでレガシーシステムの全面リプレースを行わないといった判断を下さなければならない。ユーザー企業によるビジネスモデル革新のなかで、最も重要になってくるのは、サーバーやストレージのコンピュータシステムだけでなく、ファシリティなど設備までも網羅したサービスマネジメント、というのがIBMの考えといえる。こうした結論につながることから、サービスマネジメントとSOAの関連性をアピールしており、「まるで従兄弟のようなもの」と、レブランク・ゼネラル・マネージャーは例えた。
さらに、基調講演では再保険会社のスイス・リインシュアランスがユーザー企業として登場。同社は、さまざまな管理プロセスの統合に向けてTivoli製品などを導入。IBMに全体的な信頼を寄せているという。クリストフ・ロハーCTOは、「抜本的なシステムを導入するには、自分がどこに進もうとしているのかを決めなければならない」と訴えたうえで、「ビジネス革新は、現段階で完成形というわけではない。これからも進めていく」と方針を示した。
さらに、米マイクロソフトの元エグゼクティブで「Room to Read」のジョーン・ウッドCEOがゲスト・スピーカーとして講演。ウッドCEOは、発展途上国などの子供を対象とした支援団体「Room to Read」を設立し、貧困地域での学校や図書館を建設に大きく貢献したほか、とくに少女の奨学金制度の設置を導いた立て役者として注目を集めている。講演では、自身の実績を語ることが中心だったため、今回のカンファレンスとは無関係の内容のようだったが、「夢を叶えるのは難しいかもしれないが、持たなければならない。夢とは目標達成であり、それはビジネスにも精通する」と表現。加えて、「(子供たちの無邪気な笑顔など)いかに最終的に楽観のイメージを浮かべられるかにかかってくる」と締めくくった。会場は感動の渦に包まれ、ほとんどの来場者がスタンディング・オベーションでウッドCEOを見送った。