日立、超薄型液晶テレビWooo UTでネット対応・HDD内蔵の新モデル
「UTシリーズ」は、超薄型パネルとチューナーを分離したほか、独自の熱解析技術の応用などで、最薄部で3.5cmを実現した超薄型の液晶テレビ。今回は32V、37V、42V型の3機種をラインアップした。
全モデルで地上アナログと地上・BS・110度CSデジタル放送に対応。37、42V型では水平1920×垂直1080画素のフルハイビジョン(フルHD)パネルを採用した。カラーはブラックとホワイト。実勢価格は32V型が27万円前後、37V型が34万円前後、42V型が44万円前後の見込み。
「UT-XP770」では、チューナー部「Wooo ステーション」に250GBのHDDを内蔵し、テレビ番組を直接録画できるようにした。別売りの着脱式HDD「iVDR-S」を使って録画もできる。映像の記録に高圧縮技術「XCodeHD」を採用。250GBのHDDで、500GBの容量と同等の録画が可能。地上・BSデジタルハイビジョン画質のTSEモードでは約50時間を録画できる。
ネット接続にも対応。日立ではUTシリーズ用のインターネットサービス「Wooonet」を6月から開始。「UT-XP770」から専用のポータルサイトにアクセスすると、映像配信サービス「アクトビラ」や、「UT-XP770」シリーズ同士でデジタルカメラやビデオカメラで撮影した映像をやり取りできる「ビデオdeメール」などが利用できる。
Wooonetの利用料は無料。「ビデオdeメール」は月額315円程度の料金を想定している。インターネット接続サービスは通信会社との利用契約が別途必要。
日立では「UT-XP770」で「日本全国壁貼り計画」を合言葉にテレビの壁掛け利用をユーザーにアピール。従来のフロアスタンドと壁掛けユニットに加え、新たに壁にぴったりつけて設置する壁寄せスタンドをオプションとして発売する。価格は2万9800円。
吉野正則・コンシューマ事業グループマーケティング事業部商品企画本部長は「チューナーにHDDを内蔵したことにより、レコーダーとのリンク機能では絶対にできない使い勝手を実現した。今回の新製品でUTシリーズのコンセプト『レイアウトフリー』の新しい提案ができた」と強調した。
同時に、プラズマテレビとスタンダードタイプの液晶テレビでも、新モデル「02シリーズ」を発表した。価格はいずれもオープン。「02シリーズ」は全機種で地上アナログと地上・BS・110度CSデジタルチューナーを内蔵し、「iVDR-S」用のスロットを搭載する。
プラズマテレビでは、フルHDに対応した50V型「P50-XR02」、フルHD非対応の42V型と50V型の「HR02シリーズ」の2機種3モデルを発売する。実勢価格は「P50-XR02」が50万円前後で、「HR02シリーズ」の42V型が26万円前後、50V型が36万円前後の見込み。4月26日に発売する。
「XR02」では、背景輝度を低減し、パネルの隔壁構造をボックス型にしたことによるムダのない発光が特徴の「ボックス・リブ構造」と呼ぶパネル構造を採用した新開発「1080HDフルブラックパネル」を搭載。
30000:1の高コントラスト比を実現し、はっきりとした黒色が表示できるようにしたほか、白色の表現力も向上させたという。本体に250GBのHDDを内蔵しており、テレビに番組の録画も行える。
液晶テレビのラインアップは、フルHD対応で37V型と42V型の「XV02シリーズ」と、フルHD非対応の32V型「L32-HV02」の2機種3モデル。実勢価格は「HV02シリーズ」の37V型が24万円前後、42V型が34万円前後、「L32-HV02」が17万円前後の見込み。6月7日に発売する。
そのほか、日立マクセル製の外付けHDD「iVDR-S」で、従来の80GB、160GBモデルに加え、新たに120GB、250GBモデルを追加し、5月23日に発売すると発表した。実勢価格は120GBモデルが2万円前後、250GBモデルが3万円前後の見込み。
大沼邦彦・執行役副社長・コンシューマ事業グループ長&CEOは同社のテレビ事業について「日立のブランド戦略の中核となる不可欠な事業。高付加価値製品の創出で収益は確保できる。今後もユーザーに喜んでもらえるような、見やすく使いやすいテレビを提供していきたい」と述べ、新製品で赤字の薄型テレビ事業の業績回復に自信を示した。