広がるワンセグテレビ、3型台・1万円台のお手軽機種が人気

特集

2008/04/07 01:13

 ワンセグテレビの種類が豊富になってきた。移動端末という特性を生かした防水タイプやFM・AMラジオチューナー付き、中にはいま注目の有機ELディスプレイを採用するモデルも登場している。「BCNランキング」で売れ筋をチェックした。

●ワンセグ以外の機能が多彩に、有機EL採用やラジオチューナー搭載など


 06年4月に開始した移動端末向けの地上デジタル放送「ワンセグ放送」。今では携帯電話の多くでワンセグ機能が搭載され、大変身近なサービスになった。さらに、ワンセグ放送が視聴できる専用端末「ワンセグテレビ」は、家電量販店を訪れると専用コーナーを設けるところもあり、個性溢れるモデルが並ぶ。

 3月に最も人気があったのは、三洋電機の3.5型「LVT-ND35(S)」。機種別販売台数シェアは26.9%。字幕表示や電子番組表(EPG)に対応する。2位はDXアンテナの2.5型「LVS-31」でシェア14.2%。主音声・副音声の切り替えや表示の拡大が行える。


 このほか、ワンセグ機能以外の特徴をもつものとして、ソニーのFM・AMラジオチューナーを搭載する「XDV-100(S)」がある。2.83型液晶画面を採用し、チャンネル送りがしやすいジョグレバーを備える。こうしたラジオチューナー搭載モデルは中高年男性に人気があるそうだ。ランキングは5位でシェア5.7%。ロジテックの「LTV-1S700WP」は、7型ワイド液晶の大型画面で台所やお風呂でも使える防水タイプ。防滴リモコンも付属する。ランキングは7位でシェア5%。


 なお、トップ10入りは果たさなかったが、08年3月に発売したばかりの加賀ハイテックの「KTEL-30W」は、3型ワイド画面に有機ELディスプレイを採用したモデル。また変わり種として、若い男性に人気なのが「ツンデレテレビ」としておなじみの、イー・レヴォリューションの2.7型「SEG-1000」シリーズ。VOICEモードを使用すると女性の声で話しかけ、「ツン」「ツンデレ」「デレ」の変化が操作時に楽しめる。

●新規メーカーが次々に参入 人気のサイズは3型台


 ワンセグテレビが初めて販売された07年1月以降、新規参入が相次いでいる。3月のメーカー別販売台数シェアトップ5を見ると、1位は07年夏頃に販売を開始した三洋電機で37.1%。2位で14.2%のDXアンテナも07年冬頃に加わった。そのほか、3位はソニーで13.2%、4位はBLUEDOTで7%、5位はモバイル放送で5.7%。


 売れ筋の画面サイズは、メーカーの新規参入時期によって変動はあるが、3月の場合、1位は3型台で販売台数シェアは43.8%。次いで3型未満が28.4%、4型台が16.5%、7型台が11.4%。3型未満や3型台は小型で外出時に持ち歩くのに適している一方、7型となると結構大きく、室内の好きな場所に移動して視聴するのに便利だ。


 最後に税別の平均価格もチェックしよう。07年1月は2万円台後半だったが、およそ1年でゆるやかに下がり、08年3月は1万円台後半となった。これから新たにワンセグ機能付き端末を購入する場合は、他の機器と比べるとなかなか手頃な価格だ。

 現在ワンセグ放送を視聴するには、専用テレビのほか、既に主流となっている携帯電話や携帯オーディオ、電子辞書、ポータブルDVDプレーヤーなど、さまざまな選択肢がある。また、チューナー内蔵タイプでなくても、PC専用の外付けチューナーという方法もある。外出先か自宅のどちらで使うか考慮した上で、自分のスタイルに合ったアイテムを選ぼう。(BCN・井上真希子)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで119品目を対象としています。