あなたは長時間派? 簡単撮影派? 画質派? 目的で選ぶビデオカメラ
卒業式、入学式を迎える春は、デジタルビデオカメラを活用することが多いシーズン。各メーカーも、新機能を搭載した機種を次々に発売している。注目の新機能や、記録メディアの多様化などで、選択肢が多彩に広がるデジタルビデオカメラ選びのカンどころを紹介しよう。
●ビデオカメラ購入時のチェックポイント
最近のビデオカメラは、HDDをはじめ、フラッシュメモリやSDメモリなど、製品ごとの記録メディアが多様になっていることが特徴のひとつ。そこで注意しないといけないのが、採用するメディアによって録画時間が変わってくること。
一般的に、ハードディスクとメモリではハードディスクの方が記録時間は長い。内蔵メモリやSDメモリを採用した方が本体は軽くなるのだが、その分録画時間が短くなる。長時間撮影の途中で録画時間が足りなくなり、肝心のシーンを取り損ねるということにならないよう、ビデオカメラを選ぶ際には、録画可能時間とビデオカメラ本体の連続撮影可能時間をチェックしておきたい。
また、機能面では、各メーカーとも水平1920×垂直1080画素のフルハイビジョン(フルHD)撮影に対応したモデルを揃えており、一見すると製品ごとの特徴がわかりにくいかもしれない。そこで、今シーズンの注目機能をおさらいした後に、「長時間タップリと録画したい」「持ち運びやすい軽量タイプが欲しい」「撮るだけでなく、見るときも高画質を楽しみたい」といった3つのシーンごとにオススメのモデルを紹介しよう。
●デジカメでお馴染みの顔認識機能がビデオカメラにも登場
今春の新モデルに、デジタルカメラでお馴染みの「顔認識機能」を搭載した製品が登場した。被写体の顔を自動的に検出し、明るさを調整したり、逆光で撮影し顔が暗くなってしまった場合の補正などを行う機能だ。
ソニーの「HDR-SR11」は、ソニーの「ハンディカム」で初めて「顔検出機能(顔キメ ビデオ)」を搭載。動画撮影時に人物の顔に自動でピントを合わせ、色味や明るさを調整してくれる。人物を簡単に、キレイに撮りたいという人にピッタリの製品だ。
松下電器産業の「HS9」が搭載する「おまかせ顔認識」は、逆光で人物の顔が暗くなる場合も、ボタン1つで自動的に明るく補正し、顔と背景の両方をキレイに撮影できる。露出補正(AE)、コントラスト視覚補正、顔画質補正の3つを同時にバランスよく行うので、初心者でも簡単に利用できる機能だ。
卒業式や入学式は、撮影できる場所が限られている。思うように撮影ができない場面でユーザーをフォローできる顔認識機能搭載モデルの登場は「子どもの顔にうまくピントが合わない!」と悩んでいる人には朗報だ。
●タップリ撮りたい撮影時間重視派に
フルHD画質で撮影すると、撮影時間が足りなくなってしまうことがよくある。長時間の撮影がしたいユーザーは、大容量のHDDを搭載するモデルを選べば、画像を重視して撮影しても途中で録画可能時間が足りなくなるということにならない。
ソニーの「HDR-SR12」は、120GBのHDDを搭載しているため、フルHD画質で約14時間40分、最長では約48時間の録画ができる。録画した映像は、本体内で別売りのメモリースティックにダビングできるので、映像の整理や持ち運びに便利だ。
キヤノンの「ivis HF10」は、16GBの内蔵フラッシュメモリと別売りのSDメモリという二つの記録メディアに録画できるのが特徴。内蔵メモリの容量だけでは足りない場面も安心だ。また、SDメモリは、近年大容量化が進んでいる上、価格もどんどん下がってきているので、将来的にビデオカメラ用記録メディアの有望株といえる。
●軽量タイプを気軽に持ち運びたいという人には
松下の「SD9」は、記録メディアをSD/SDHCメモリだけに絞り、重量275グラムの軽量ボディを実現した。標準添付されている8GBのメモリには、フルHD画質で約2時間の映像を録画できる。また、液晶を開くだけで起動するクイック起動機能を搭載しているので、撮りたいシーンになったら即撮影を始めることができる。ビデオカメラの起動時間が遅く、撮りたい場面を取り逃すことが多かった人にオススメ。
東芝の「gigashot A100F」は100GBのHDDを搭載。フルHD対応のHDDビデオカメラとしては世界最小サイズ(幅78.1×奥行き135.4×高さ79mm)で、長時間撮影と持ち運びやすさを両立した。また、業務用のビデオカメラが採用する光学レンズを搭載。レンズサイズが35.9mmと大きいため、被写体までの距離が近くても、広がりのある映像が撮影できる。
●画質こだわり派に応える製品も登場
家庭用ビデオカメラでも、フルHD映像を撮影できるようになったことで、「画質にこだわりたい」というユーザーの要望に応える製品も登場している。
日立製作所の「Wooo DZ-BD9H」は60GBの内蔵HDDのほかに、BDドライブも搭載。フルHD画質でBDに直接録画できる。レンズも、色のにじみや歪みなどを抑えるフルHD対応の高性能タイプ。ディスクをそのままBDプレーヤーで再生できる手軽さも魅力だ。
日本ビクターの「Everio GZ-HD6」は、120GBのHDDを搭載したフルHD撮影対応モデル。同社が開発した「W倍密」機能により、世界で初めて1920×1080/60pの出力に対応。ビデオに記録した映像をテレビに表示する際に、斜め方向の輪郭線もくっきりと写し出す。家庭のテレビで上映会をしたいユーザーにピッタリの製品だ。
外見は似ていても、個性溢れる機能を搭載しているモデルが続々登場するデジタルビデオカメラ。自分がどんな映像を撮りたいか、どんな場面で使うかのをよく考え、最適なモデルを選ぼう。(フリーライター・三浦優子)
●ビデオカメラ購入時のチェックポイント
最近のビデオカメラは、HDDをはじめ、フラッシュメモリやSDメモリなど、製品ごとの記録メディアが多様になっていることが特徴のひとつ。そこで注意しないといけないのが、採用するメディアによって録画時間が変わってくること。
一般的に、ハードディスクとメモリではハードディスクの方が記録時間は長い。内蔵メモリやSDメモリを採用した方が本体は軽くなるのだが、その分録画時間が短くなる。長時間撮影の途中で録画時間が足りなくなり、肝心のシーンを取り損ねるということにならないよう、ビデオカメラを選ぶ際には、録画可能時間とビデオカメラ本体の連続撮影可能時間をチェックしておきたい。
また、機能面では、各メーカーとも水平1920×垂直1080画素のフルハイビジョン(フルHD)撮影に対応したモデルを揃えており、一見すると製品ごとの特徴がわかりにくいかもしれない。そこで、今シーズンの注目機能をおさらいした後に、「長時間タップリと録画したい」「持ち運びやすい軽量タイプが欲しい」「撮るだけでなく、見るときも高画質を楽しみたい」といった3つのシーンごとにオススメのモデルを紹介しよう。
●デジカメでお馴染みの顔認識機能がビデオカメラにも登場
今春の新モデルに、デジタルカメラでお馴染みの「顔認識機能」を搭載した製品が登場した。被写体の顔を自動的に検出し、明るさを調整したり、逆光で撮影し顔が暗くなってしまった場合の補正などを行う機能だ。
ソニーの「HDR-SR11」は、ソニーの「ハンディカム」で初めて「顔検出機能(顔キメ ビデオ)」を搭載。動画撮影時に人物の顔に自動でピントを合わせ、色味や明るさを調整してくれる。人物を簡単に、キレイに撮りたいという人にピッタリの製品だ。
松下電器産業の「HS9」が搭載する「おまかせ顔認識」は、逆光で人物の顔が暗くなる場合も、ボタン1つで自動的に明るく補正し、顔と背景の両方をキレイに撮影できる。露出補正(AE)、コントラスト視覚補正、顔画質補正の3つを同時にバランスよく行うので、初心者でも簡単に利用できる機能だ。
卒業式や入学式は、撮影できる場所が限られている。思うように撮影ができない場面でユーザーをフォローできる顔認識機能搭載モデルの登場は「子どもの顔にうまくピントが合わない!」と悩んでいる人には朗報だ。
●タップリ撮りたい撮影時間重視派に
フルHD画質で撮影すると、撮影時間が足りなくなってしまうことがよくある。長時間の撮影がしたいユーザーは、大容量のHDDを搭載するモデルを選べば、画像を重視して撮影しても途中で録画可能時間が足りなくなるということにならない。
ソニーの「HDR-SR12」は、120GBのHDDを搭載しているため、フルHD画質で約14時間40分、最長では約48時間の録画ができる。録画した映像は、本体内で別売りのメモリースティックにダビングできるので、映像の整理や持ち運びに便利だ。
キヤノンの「ivis HF10」は、16GBの内蔵フラッシュメモリと別売りのSDメモリという二つの記録メディアに録画できるのが特徴。内蔵メモリの容量だけでは足りない場面も安心だ。また、SDメモリは、近年大容量化が進んでいる上、価格もどんどん下がってきているので、将来的にビデオカメラ用記録メディアの有望株といえる。
●軽量タイプを気軽に持ち運びたいという人には
松下の「SD9」は、記録メディアをSD/SDHCメモリだけに絞り、重量275グラムの軽量ボディを実現した。標準添付されている8GBのメモリには、フルHD画質で約2時間の映像を録画できる。また、液晶を開くだけで起動するクイック起動機能を搭載しているので、撮りたいシーンになったら即撮影を始めることができる。ビデオカメラの起動時間が遅く、撮りたい場面を取り逃すことが多かった人にオススメ。
東芝の「gigashot A100F」は100GBのHDDを搭載。フルHD対応のHDDビデオカメラとしては世界最小サイズ(幅78.1×奥行き135.4×高さ79mm)で、長時間撮影と持ち運びやすさを両立した。また、業務用のビデオカメラが採用する光学レンズを搭載。レンズサイズが35.9mmと大きいため、被写体までの距離が近くても、広がりのある映像が撮影できる。
●画質こだわり派に応える製品も登場
家庭用ビデオカメラでも、フルHD映像を撮影できるようになったことで、「画質にこだわりたい」というユーザーの要望に応える製品も登場している。
日立製作所の「Wooo DZ-BD9H」は60GBの内蔵HDDのほかに、BDドライブも搭載。フルHD画質でBDに直接録画できる。レンズも、色のにじみや歪みなどを抑えるフルHD対応の高性能タイプ。ディスクをそのままBDプレーヤーで再生できる手軽さも魅力だ。
日本ビクターの「Everio GZ-HD6」は、120GBのHDDを搭載したフルHD撮影対応モデル。同社が開発した「W倍密」機能により、世界で初めて1920×1080/60pの出力に対応。ビデオに記録した映像をテレビに表示する際に、斜め方向の輪郭線もくっきりと写し出す。家庭のテレビで上映会をしたいユーザーにピッタリの製品だ。
外見は似ていても、個性溢れる機能を搭載しているモデルが続々登場するデジタルビデオカメラ。自分がどんな映像を撮りたいか、どんな場面で使うかのをよく考え、最適なモデルを選ぼう。(フリーライター・三浦優子)