写真の祭典PIE2008、謎のモックアップから電子水準器、3D似顔絵まで……
●オリンパス、ショーケースの中に「E-510」の後継機?
オリンパスのブースでは、「E-510」の後継機とおぼしきカメラのモックアップが展示されていた。残念ながら、スペックその他詳細はまったく不明。オリンパス担当者に尋ねても、答えは返ってこない。外観から想像すると、ライブビュー時のコントラストAF機能や、撮影時のダイナミックレンジを拡大するシャドーアジャストメントテクノロジーなど、E-420と同等機能を搭載しているのではないかと思われる。モードダイヤル、コマンドダイヤルのデザインが変更されて、少し高級感が増したようだ。ボタン類の配置はとくに変更されないようだ。
前面の印象はE-510と変わりない。手ブレ補正機能搭載を示す「IS」のロゴがあるが、E-3並の補正機能にスペックアップしているのかどうかが気になるところ。ケース内の鏡に映った背面を観察すると、ボタン類の配置はE-510と同じ。液晶モニタは、少し大きくなっているような感じもするが、3型ではなさそう。どうやら、E-420と同じ2.7型になるのではないだろうか。
●トキナー、超広角ズームやマクロレンズを出品
トキナーブースでは、11-16mm F2.8のAT-X 116 PRO DX、35mm F2.8 MacroのAT-X M35 PRO DXが手にとって試せるように出品されていた。AT-X 116 PRO DXは、超広角を実現したF2.8通しのズームレンズ。このレンズから、AT-X PRO DXシリーズのレンズ表記は、従来のゴールドからシルバーカラーに変更されている。
●スリック、1kgを切る軽量カーボン三脚が目玉
スリックの今年のイチオシは、重量1kgを切るカーボン製三脚「Ultra 1」シリーズ。従来のカーボン製三脚は、2kg前後が一般的だった。それでも、かつてのスチール製三脚に比べればはるかに軽いのだが、さらに1kgを切ることを目標に開発されたのが、「Ultra 1」シリーズだ。エレベーターをなくす代わりに、十分な全高を確保して、全体の重量軽減を実現している。ユーザーからのフィードバックをもとにエレベーターは必要ないと判断したという。
●タムロン、手ブレ補正機能内蔵レンズを振動台に載せて補正体験も
タムロンが、カウンターに実機を並べてアピールしていたのが、「AF28-300mm F3.5-6.3 XR Di VC」と「SP AF70-200mm F2.8 Di」。「AF28-300mm F3.5-6.3 XR Di VC」は、広角28mmから望遠300mmまでをカバーする超高倍率のズームレンズ。しかも、タムロン独自の光学式手ブレ補正機能(VC)を搭載する。ブースでは、振動台に乗せた同レンズで撮影したスルー画像をモニタに表示して、手ブレ補正効果を確認できるデモンストレーションを行っていた。その手ブレ補正効果は、最大でシャッター速度約4段分になるという。
「SP AF70-200mm F2.8 Di」のほうは、ポートレート撮影などで人気の高い開放F2.8通しの70-200mmズームレンズだ。残念ながらこちらは、手ブレ補正機能は搭載されていないが、同クラスのレンズとしては非常に軽量コンパクトに仕上がっており、手持ちで使ってもバランスが良いのが特徴だ。
●ハクバ、内蔵ストロボ用デフューザー
ハクバ写真産業で目立ったのは、今年1月に発売した内蔵ストロボ用デフューザーだ。デジタル一眼などのポップアップストロボに装着して利用する。カメラ内蔵のポップアップストロボを使う際に、顔が飛び気味になったり、いやな陰が出てしまったりすることがある。そんなとき、ストロボの光を拡散して、柔らかな光を作り出すのがデフューザー。しかし、ポップアップストロボに装着できるようなデフューザーはあまりなかった。
ハクバのビルトインストロボデフューザーは、薄いプラスチック製で、ベロクロでポップアップストロボに装着するようになっている。カメラメーカーごとに、S、M、Lの3サイズをラインアップ。折りたたむと1枚のシート状になるので、携帯するのにも便利ブースでは、その効果を試せるように、モデルを使った撮影コーナーが用意されている。
●ベルボン、ハイアングルカーボン三脚と電子水準器
ベルボンは、カーボン製三脚「エル・カルマーニュ」の新作を展示していた。従来よりも全高を高めたのが特徴だ。雲台にカメラやデジスコを取り付けた際に、腰をかがめずに使えることを目指して開発したという。最近、バードウォッチングや野鳥の撮影が人気だが、従来の三脚ではどうしても全高が足りず、腰をかがめてレンズを覗き込むことになっていたという。その姿勢で長時間の野鳥観察はさすがにつらい。そこで、腰を伸ばしたままで使える高さの三脚が求められていたそうだ。新作の「エル・カルマーニュ」は3タイプで、いずれも目線の高さまで全高を確保した点が大きな特徴だ。
また、カメラのホットシューに装着して使用する「電子水準器」も参考出品されていた。これまで水準器というと、気泡の位置で水平・垂直を見るものばかりで、使いにくかった。気泡では水平を決めるのが難しく、夜景撮影などでは視認性も悪いという難点がある。一方、ニコンD3やリコーGR DIGITAL IIには電子水準器が搭載されており、こちらは好評だ。ベルボンの電子水準器は、どのカメラでも使える便利な水準器。LEDライトの位置と色で水平が確認できる。
使い方は簡単で、カメラのホットシューに取り付けるだけ。LEDライトが左右どちらかの側で赤色に点灯しているときは、点灯している側にカメラが傾いていることになる。LEDライトが中央で緑色に点灯すると、水平だ。電源オン・オフのスイッチは2段階式で、大まかな水平を感知するレベルと、より厳密な水平感知するレベルを使い分けることができるようになっている。また、この電子水準器は、カメラを縦位置にしたときも水平を感知することができる。まもなく発売で、価格は4000円程度の予定。
●日興インターナショナル、自分の顔を3Dでクリスタルの中に描いて2000円
その他、目を引いていたのが日興インターナショナルのブース。3Dカメラで撮影した顔写真を、その場でクリスタルガラスの角柱の中に3D画像として定着させる、いわば3D似顔絵。機器自体は、一式で850万円ほどするものだそうだが、会場では2000円で、自分の顔を埋め込んだクリスタルガラスを制作してもらえる。所要時間は2分ほど。PIE2008の来場記念としていかがだろうか?