スタイルと個性で選ぶ! 出揃ったデスクトップPC春モデル

特集

2008/03/12 00:17

 新生活を迎えるこのシーズン、デスクトップPCの08年春モデルが出揃った。家電量販店のPC売り場にも個性的なモデルが並んで春商戦もたけなわ。そこで今回は、最新モデルの特徴や傾向をスタイルで分類し代表的な製品を紹介してみよう。

●手軽に移動できるのが特徴――[コンパクト&スリムタイプ]

 デスクトップPCといえば、机に置いたらそれっきり動かさないもの、と思い込んでいる人が多いかもしれない。しかし最近では簡単に持ち運びができるコンパクトタイプのデスクトップPCが登場し人気を集めている。A4ノート並みの省スペースで設置でき、持ち運び用のハンドルを備えているのがこのモデルの特徴だ。デスクトップPCの高性能とノートPCの機動性を兼ね備えているので、設置環境に左右されずテレビやインターネットが家中好きなところで楽しめる。

 例えばソニーの「VAIO typeL VGC-LJ51」シリーズは、デスクトップPCには珍しいバッテリーを内蔵。コンセントを繋がなくても約2.5時間駆動でき、場所を選ばず使えるのが特徴だ。ノートPCのような開閉式のキーボードを搭載し、移動するときはキーボードも一緒に持ち運べる。キーボードを収納すれば奥行きは約14cmに収まる省スペース設計だ。また、ブレイジングレッドやフロスティピンクなど、デスクトップPCには珍しい豊富なカラーバリエーションを揃える。


 またNEC「VALUESTAR N」は、ディスプレイ上部には、持ち運びに便利なフレックスバーと携帯電話や周辺機器を収納できる「ガジェットポケット」を備える。ワイヤレスのキーボードとマウス、リモコンも付属し、キーボードは本体の下に完全に収納できるので、こちらもスペースをとらない。17型ワイドと15.4型ワイド、2つのディスプレイサイズがあり、スペースに応じて選択できる。


●高画質の大きな画面が魅力――[ディスプレイ一体型]

 ディスプレイ一体型は、地デジ・BS・110度CSデジタルチューナーを搭載するモデルや、Blu-rayディスク(BD)ドライブを搭載するモデルなど、AV機能を充実させたモデルが多いのが特徴だ。PCとしてだけでなく、テレビやレコーダーなどプライベート用AV機器としての使い方もできる。

 22型ワイド液晶を搭載したNEC「VALUESTAR W VW790/LG」は、光学ドライブにBDドライブを採用。静音性能にも優れているので、ハイビジョン映像も動作音を気にせず快適に楽しめる。


 富士通「FMV-DESKPOWER LX70Y/D」も22型ワイドの液晶ディスプレイを採用。地上・BS・110度CSデジタルチューナーを備え、テレビとしても十分に活用できるほか、500GBの内蔵HDDには最大61時間のハイビジョン録画ができレコーダーとしても活用できる。



___page___
 DELL「XPS One」とアップル「iMac MA877J/A」は、ディスプレイにPC本体の機能を埋め込んだオールインワン・デザインで人気を集めている。20インチ以上のディスプレイを採用しながら、本体の奥行きは少し厚めのモニターほどしかない。一人暮らしのような狭い部屋で、比較的大きな画面を楽しみたいユーザーにオススメのモデルだ。


●低価格とハイスペックを両立する―[独立型]

 ディスプレイ一体型の人気に押され気味だが、基本スペックの高さを重視するなら、PC本体にディスプレイを外付けする従来タイプの独立型がオススメ。汎用ケースやマザーボードが自由に使えるため、高性能なCPUやグラフィックボードを搭載したモデルが多い。とくに海外メーカーやショップモデルなどでは、基本スペックが高く、コストパフォーマンスに優れているモデルも多いので是非チェックしたい。

 例えばeMachines「J4501」は、デュアルコアCPUに2GBのメモリを搭載。さらに、地上デジタルチューナーを内蔵しながら、10万円前後で購入できる。低価格、高スペックを実現した1台だ。またGateway「GT5240j」は、CPUに最新のインテル Core2 Quadプロセッサーと3GBの大容量メモリを搭載し、価格は10万円台前半。いずれもディスプレイは別売りだが、スペック重視のユーザーにはかなりのお得なモデルといえる。


●BDドライブ搭載の最新モデルも登場――[リビングPC]

 「リビングPC」とは、薄型テレビとHDMIケーブルで接続して使用するPCのことで、テレビの画面でインターネットや動画編集、写真閲覧を楽しむことができるのが特徴だ。リビングのインテリアに合ったコンパクトな形状や、テレビとPCの両方の操作ができるリモコンを付属するなど、リビングでの利用を意識した仕様になっている。

 富士通の「FMV-TEO90Y/D」は、BDドライブを搭載したほか、松下の薄型テレビ「VIERA」に加え、シャープの液晶テレビ「AQUOS」とのリンク機能にも対応した。地上・BS・110度CSデジタルチューナーを2基ずつ内蔵するので、デジタル放送の2番組同時録画ができる高機能マシン。


 ソニーのリビングPC「TP1」シリーズには、BDドライブを搭載した「VGX-TP1DTW」が新たに加わった。ムーブ機能を備え、ハイビジョン映像を高画質のままBDに残せる。500GBの内蔵HDDには、約61時間のデジタル放送を保存できる機能も備えている。


 どちらの製品もOSにWindows Vista Home Premium、メモリ2GBを搭載し、PCとしても高い性能を誇る。薄型テレビでインターネットを楽しむという新しいスタイルとして今後定着しそうだ。

 このところPCといえば、省スペースですむノートタイプが人気。しかしデスクトップ機にも、利用シーンに応じて選べる魅力的な製品が増えてきた。持ち歩く必要がなければバリエーションが拡大したデスクトップモデルを選択肢に入れてみるのもいいだろう。