ソニー・エリクソン、ドコモ向け携帯の開発見直しへ、端末市場の飽和にらみ
ソニー・エリクソンが端末を供給しているのは、国内向けではドコモとau(KDDI)。au向け端末では親会社のソニーが音楽配信事業で提携していることから「従来どおりのビジネスを継続する」(ソニー・エリクソン広報)一方、ドコモ向けでは「市場環境を見るとともに、開発リソースの効率化を図るため見直す」(同)計画。具体的な内容については明らかにしていないが、機種数を減らすなどの絞り込みを検討しているものとみられる。
国内の携帯電話市場は契約者が1億人を突破し、新規の需要は難しい状況。また、携帯各社が従来の販売奨励金を廃止し、端末価格は高いが料金が安いプランを次々と導入。今後は携帯電話の買い替えサイクルが2年程度に伸びることで端末の出荷数も減少することが見込まれている。こうしたなか、約100億円にも上ると言われる、端末1台あたりの開発費用の投資と回収はメーカーの重荷になっており、こうした点もソニー・エリクソンが商品戦略見直しを余儀なくされた要因と言えそうだ。
ソニー・エリクソンはソニーとスウェーデンの通信機器メーカー、エリクソンが折半出資して01年に設立した携帯電話会社。海外ではソニーの音楽プレーヤーのブランドを冠し、高音質な音楽再生ができる「ウォークマンケータイ」やデジタルカメラのブランド名を使いカメラ機能を強化した「Cyber-shotケータイ」などで人気を集めている。同端末は国内でも投入。08年2月の「BCNランキング」の携帯電話販売台数で同社はシェア6.4%を獲得している。