松下、北京五輪商戦を狙い、解像度・色再現性を強化した新型「VIERA」

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2008/03/06 21:01

 松下電器産業は3月6日、薄型テレビ「VIERA(ビエラ)」の新製品を発表した。プラズマテレビが42-50V型で3シリーズ8機種、液晶テレビは32-37V型で2シリーズ4機種の合計12機種を4月10日から順次発売する。価格はすべてオープン。

 プラズマ、液晶の全モデルに、水平1920×垂直1080画素のフルハイビジョン(フルHD)パネルを採用。北京五輪での需要をにらみ、動画解像度を大幅に向上。大画面モデルとフルHDを武器にオリンピック商戦に挑む。同時に、HDMI端子でHDD-DVDレコーダーやサラウンドシステムと結び、リモコン1つで機器を操作できるリンク機能「ビエラリンク」を強化した。

 プラズマテレビは、最上位モデルの「PZ800シリーズ」をはじめ、スタイリッシュモデルの「PZ85シリーズ」、スタンダードモデルの「PZ80シリーズ」をラインアップした。全シリーズで900本以上の動画解像度を持つ新開発のプラズマパネルを採用。予備放電を抑えることで30000:1の高コントラストを実現。動画用広色域色空間の国際規格であるxvYCC準拠の「x.v.Color」にも対応した。

 「PZ800シリーズ」では、50V型、46V型、42V型の3機種を発売する。パネルは前面が段差のない1枚のガラスだけの形をしたデザインを採用。色域面積比は約120%で、現在のデジタルシネマで使用している色域をほぼカバーするという。

 また、デジタルシネマの映像を表示する際に、通常は圧縮される色域を復元して映し出す「カラー リマスターシステム」で、質感の高い色表現が可能になった。地上・BS・110度CSデジタルチューナーは2基搭載する。実勢価格は50V型が50万円前後、46V型が43万円前後、42V型が37万円前後の見込み。発売日は4月20日。

 「PZ85シリーズ」は壁掛けなどを想定したモデルで、46V型と42V型を4月20日に発売する。地上・BS・110度CSデジタルチューナーを1基搭載。実勢価格は46V型が38万円前後、42V型が37万円前後の見込み。

 普及モデルの「PZ80シリーズ」は50V型、46V型、42V型を販売する。カラーはブラックとシルバーの2色。実勢価格は50V型が43万円前後、46V型が36万円前後、42V型が30万円前後の見込み。4月20日に発売する。

 一方、液晶テレビでは、「LZ85シリーズ」と「LZ80シリーズ」の2シリーズを揃えた。ともに視野角が上下左右178度の「フルハイビジョン IPSαパネル」を採用。表示する映像に合わせて、コントラストやバックライトの明るさを調整する「フルハイビジョン 新WコントラストAI」を搭載しており、10000:1の高いコントラスト比を実現した。

 「LZ85シリーズ」は、毎秒60コマの映像信号を補間し、2倍の120コマにすることで、スポーツなどの速い動きの映像でも滑らかに表示する「フルハイビジョン 新 Wスピード」技術を搭載した。地上・BS・110度CSデジタルチューナーを1基搭載。37V型と32V型をラインアップし、実勢価格は37V型が26万円前後、32V型が22万円前後の見込み。4月20日に発売する。

 「LZ80シリーズ」は普及モデルで、37V型と32V型を販売する。地上・BS・110度CSデジタルチューナーを1基搭載。4月20日に発売し、実勢価格は37V型で24万円前後、32V型で20万円前後の見込み。

 「ビエラリンク」の強化では、HDD-DVDレコーダーと連携し、視聴中の番組を一時停止し、中断箇所から視聴を続けられる「番組キープ」や、見ている番組に応じてサラウンドシステムのサウンドモードが自動で切り替わる「番組ぴったりサウンド」など、機能を拡大した。

 発表会にはCMキャラクターで女優の小雪さん、綾瀬はるかさんも登場。小雪さんは「今回のビエラは大画面と高画質を両立していて素晴らしい。オリンピックは自宅でくつろぎながら、ビエラの大画面で楽しみたいです」と感想を述べた。綾瀬さんは「画面や音楽が、シーンに応じて自動的に切り替わるのがすごい。私も活用したいです」と話した。

 西口史郎・パナソニックマーケティング本部本部長は「北京五輪を契機にフルハイビジョンビックバンがますます加速する。大画面でフルHDのビエラで、オリンピックの感動を家族で分かち合って欲しい」とアピールした。また、「オリンピックがある年で、テレビが売れなかったことはない。地上デジタル放送への移行が本格化することも予想され、テレビ市場は一気に盛り上がるだろう」と販売に自信を見せた。