ワイヤレスブロードバンド企画、「UQコミュニケーションズ」に社名変更
社名変更について、田中孝司社長は会見で「Universal Qualityという普遍的で高品質なデータ通信を提供する意味を込めた。Uにはユビキタス(Ubiquitous)、Qには大容量(Quantities)、高速(Quickness)という意味も含まれている」と説明した。
ワイヤレスブロードバンド企画は、KDDI、インテル キャピタル、東日本旅客鉄道(JR東日本)、京セラなど6社が共同で出資して設立したモバイルWiMAXの事業企画会社。今回、同社が事業会社化したことで資本金も増強した。出資会社と出資比率の変動はない。4月には本社を東京・千代田区から港区の「品川イーストタワー」に移転。人員も現在の34人から100人前後まで増やし体制を強化する。
UQコミュニケーションズは「MVNO(仮想移動体通信事業者)には積極的に回線を開放し、公平でオープンなかたちで展開していく」(田中社長)方針。田中社長は、「MVMOは新たなニーズを開拓してくれるため、業種業態問わず、広くパートナーシップをとっていきたい」と強調した。ライバルであるNTTドコモやソフトバンクなどから回線貸し出しの要望があった場合でも「分け隔てなくオープンに対応していく」(同)という
08年度は基地局の整備に注力する。09年2月までには1500局を設置する予定で、「基地局の設置は可能な限り前倒しする」(同)という。基地局の建設には12年度末までに合計で1500億円を投じる見込み。
また、採用する基地局メーカーなども発表。屋外基地局を富士通と韓国のサムスン電子、センターの設備は、ASN-GW装置を日立製作所、CSN装置を伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)に決定した。
端末について田中社長は、「ノートPC向けのデータカード端末などでサービスを提供する。インテルと通信技術を組み込んだCPUの共同開発や、UMPC(ウルトラモバイルPC)やMID(モバイルインターネット端末)なども販売していきたい」(同)と説明した。
同社では09年2月に東京23区や横浜を中心に試験サービスを開始。09年夏には東京、名古屋、大阪にエリアを拡大し商用サービスを始める。10年度末には全国の主要都市をカバーする計画。利用料金は、月額3200円前後を想定している。国際ローミングも視野に入れており、現在、韓国のKTや米スプリント・ネクステルと交渉を進めているという。