マイクロソフト、北陸先端大と協業、「SoftGrid」を大学で初めて全学導入
学生へのサービス向上とソフトの投資抑制、ライセンス管理の軽減、コンプライアンス向上をめざす北陸先端大と、地域社会の発展および社会貢献、教育機関への製品浸透を進めているマイクロソフトと、両者の思惑が一致し提携に至った。
教育・研究環境の整備では、全学的・包括的な年間形式のライセンス契約を締結するもので、PCの台数ではなく、教職員と学生の人数でライセンス契約を行う。これにより教職員や学生が最新版のソフトを常に利用できるほか、学内PCだけでなく自宅のPCでもアプリケーションが利用できるようになる。初期費用も低く抑え、「コストは従来のライセンス契約に比べて62%削減できる」(松澤照男・情報科学センター長)という。契約期間は定めていないが複数年の契約になる見通し。
アプリケーションの効率的管理環境整備として、仮想化テクノロジー「Microsoft SoftGrid Application Virtualization(SoftGrid)」を導入。複数アプリの利用権限やライセンスの管理、言語・バージョン違いのアプリを集中的に管理する。「SoftGrid」を国内大学で全学的に導入するのは今回が初めて。北陸先端大は、全学生の18%が外国人留学生。また常勤教員も11%が外国人と、国際化が進んだ大学で、言語が異なるアプリの効率的管理が課題だった。
人材教育面ではインターンシップ制度を共同で推進する。マイクロソフトは、北陸先端大の学生をインターンとして受け入れ、最新IT技術の習得をサポート。「当初は1?3人の少人数で進め、1?3か月間を予定している」(中林秀仁北陸支店支店長)という。北陸先端大は、08年度からは新教育体系「新教育プラン」を実施予定で、学生が実社会のなかで、高度な科学者・技術者として成長するためのインターンシップを積極採用する方針を示していた。
ヒューストン社長は、「地域社会の貢献と発展をサポートするために昨年、北陸支店を開設した。今回の協業内容は北陸地域でやりたかったことの一例」と提携の意義を説明。一方、潮田学長は「情報基盤の整備とともに、インターンシップでマイクロソフトと組めることが重要なファクター。それを同時に進めることができたのは大変有意義」と話した。