日立、超薄型モデルの強化とコスト削減で薄型テレビ事業の収益回復を目指す
日立製作所は2月8日、薄型テレビについての事業戦略説明会を開き、07年末に発売した超薄型液晶テレビ「Wooo UTシリーズ」などの超薄型テレビを09年にはプラズマでも展開すると明らかにした。赤字転落したデジタルメディア・民生部門のテコ入れのため、高付加価値モデルで1台あたりの単価を高める一方、営業などの固定費や製造原価、流通費用を削減。利益率を高める。同時にプラズマパネルの外販も進め、収益拡大を狙う。
同社の薄型テレビは、北米での販売が苦戦し収益が悪化したものの、中国は50V型を中心とするプラズマの販売が好調。日本では液晶テレビは伸びたが、大型テレビの需要が伸び悩んだという状況で、薄型テレビを含むデジタルメディア・民生部門で、08年3月期連結の営業損益が980億円の赤字になる見通しだ。
07年度の薄型テレビの売上台数は、プラズマ90万台、液晶80万台の計170万台だが、08年度にはプラズマ90万台、液晶120万台で合計210万台へと拡大する計画。付加価値商品による利益率の向上と固定費、製造、流通コストの削減の積み上げを合わせて、業績を改善。08年度には収支トントンにする考え。また、約300億円を構造改革費用として07年度の営業利益から捻出する。
商品力の強化では付加価値が高い「超薄型モデル」を、プラズマ、液晶合わせ32-60V型まで製品化して展開。価格下落を抑えるとともに粗利を増やす。まずプラズマでは、厚さ130mmのモデルを、42、50、60V型で08年に発売。CES 2008で発表した35mm厚モデルは09年に商品化し、10-12年には10mm厚モデルを投入する予定だ。また液晶では、32、37、42V型で展開する35mm厚の「Wooo UTシリーズ」を08年の主力商品に据え、09年には19mm厚、10-12年には15mm厚モデルを発売する。有機ELはサイズは未定だが3mm厚のモデルを10-12年に発売する計画。
さらに、プラズマパネルの高画質化や省電力化も図る。08年春に42、50V型の高コントラスモデルを発売。駆動方式を現行の「ALIS」から「プログレッシブ」に転換し、フルハイビジョン(フルHD)対応を進め、08年秋に投入する。また、09年春には発光効率を2.3倍に高めた低消費電力モデルを販売。10年にはプラズマすべてで消費電力を現行の半分まで削減する。
流通戦略では08年のエリア別台数構成比を、日本40%、中国・アジアが30%、北米20%、欧州10%と計画。日本では量販店、地域店での販売を強化する一方、中国では回転率の高い店舗に商品を集中的に供給する方針だ。北米は専門店や地域店ルートにテコ入れし、欧州は英国を中心に取引を拡大。一方で、コストがかさんでいた豪州は撤退する。また、海外では人材の現地雇用を進めることで人件費も抑える。
コスト削減については、固定費の30%カットを目標に営業費用を地域別に見直す。また製造コストは材料調達、設計、パネル加工の製造工程を改善することで20%以上の削減を見込む。今後主力とする超薄型モデルではパネル部とチューナー部の分離し、無線でつなぐモデルを想定していることから、パネルを日本、チューナー部を販売地域が手がけることで開発コストも抑える。流通費用は週単位での生産、在庫調整を徹底することで、06年度比でコストを30%削減する。
またプラズマパネルを中国や台湾などのメーカーに売り込み外販を積極的に展開する。08年度下期で50万台、09年度には120万台を計画。製造を担当する子会社、富士通日立製作所プラズマディスプレイの工場稼働率も7割から8割強まで高める方針だ。さらに日立は、4月1日に同社を完全子会社化し、社名も「日立プラズマディスプレイ」に変更する。
事業戦略を説明した江幡誠・執行役常務コンシューマ事業グループグループ長&CEOは「薄型テレビ事業はここ3年赤字が続いており、事業としては厳しい状況。コンシューマー事業は大変なことはいやというほどわかっている。今回の戦略もさまざまなリスクを十分検討して計画している」と述べた。
同社の薄型テレビは、北米での販売が苦戦し収益が悪化したものの、中国は50V型を中心とするプラズマの販売が好調。日本では液晶テレビは伸びたが、大型テレビの需要が伸び悩んだという状況で、薄型テレビを含むデジタルメディア・民生部門で、08年3月期連結の営業損益が980億円の赤字になる見通しだ。
07年度の薄型テレビの売上台数は、プラズマ90万台、液晶80万台の計170万台だが、08年度にはプラズマ90万台、液晶120万台で合計210万台へと拡大する計画。付加価値商品による利益率の向上と固定費、製造、流通コストの削減の積み上げを合わせて、業績を改善。08年度には収支トントンにする考え。また、約300億円を構造改革費用として07年度の営業利益から捻出する。
商品力の強化では付加価値が高い「超薄型モデル」を、プラズマ、液晶合わせ32-60V型まで製品化して展開。価格下落を抑えるとともに粗利を増やす。まずプラズマでは、厚さ130mmのモデルを、42、50、60V型で08年に発売。CES 2008で発表した35mm厚モデルは09年に商品化し、10-12年には10mm厚モデルを投入する予定だ。また液晶では、32、37、42V型で展開する35mm厚の「Wooo UTシリーズ」を08年の主力商品に据え、09年には19mm厚、10-12年には15mm厚モデルを発売する。有機ELはサイズは未定だが3mm厚のモデルを10-12年に発売する計画。
さらに、プラズマパネルの高画質化や省電力化も図る。08年春に42、50V型の高コントラスモデルを発売。駆動方式を現行の「ALIS」から「プログレッシブ」に転換し、フルハイビジョン(フルHD)対応を進め、08年秋に投入する。また、09年春には発光効率を2.3倍に高めた低消費電力モデルを販売。10年にはプラズマすべてで消費電力を現行の半分まで削減する。
流通戦略では08年のエリア別台数構成比を、日本40%、中国・アジアが30%、北米20%、欧州10%と計画。日本では量販店、地域店での販売を強化する一方、中国では回転率の高い店舗に商品を集中的に供給する方針だ。北米は専門店や地域店ルートにテコ入れし、欧州は英国を中心に取引を拡大。一方で、コストがかさんでいた豪州は撤退する。また、海外では人材の現地雇用を進めることで人件費も抑える。
コスト削減については、固定費の30%カットを目標に営業費用を地域別に見直す。また製造コストは材料調達、設計、パネル加工の製造工程を改善することで20%以上の削減を見込む。今後主力とする超薄型モデルではパネル部とチューナー部の分離し、無線でつなぐモデルを想定していることから、パネルを日本、チューナー部を販売地域が手がけることで開発コストも抑える。流通費用は週単位での生産、在庫調整を徹底することで、06年度比でコストを30%削減する。
またプラズマパネルを中国や台湾などのメーカーに売り込み外販を積極的に展開する。08年度下期で50万台、09年度には120万台を計画。製造を担当する子会社、富士通日立製作所プラズマディスプレイの工場稼働率も7割から8割強まで高める方針だ。さらに日立は、4月1日に同社を完全子会社化し、社名も「日立プラズマディスプレイ」に変更する。
事業戦略を説明した江幡誠・執行役常務コンシューマ事業グループグループ長&CEOは「薄型テレビ事業はここ3年赤字が続いており、事業としては厳しい状況。コンシューマー事業は大変なことはいやというほどわかっている。今回の戦略もさまざまなリスクを十分検討して計画している」と述べた。