キヤノン、デジ一眼「EOS Kiss」に1220万画素の後継機「X2」、「X」も併売

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2008/01/24 20:27

 キヤノンは1月24日、初心者向けのデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss Digital」シリーズの新モデルとして「キヤノン EOS Kiss X2」を3月下旬に発売すると発表した。価格はオープンで、実勢価格はボディのみが9万円前後、標準ズームレンズが付属する「レンズキット」が10万円前後、標準ズームと望遠ズームレンズの2本が付属する「ダブルズームキット」が13万円前後の見込み。

 06年9月に発売した「キヤノン EOS Kiss Digital X」の後継機。1010万画素だった有効画素数を1220万画素に拡大し、映像エンジン「DIGIC III」を搭載した。撮像素子は22.2×14.8mmのCMOSセンサー。連続撮影速度を毎秒3コマから3.5コマに高速化し、連続撮影枚数もJPEG撮影時で53枚と約2倍に増やした。ボディの軽量化も実現し、475gと従来機より約35g軽くなった。また、対応メモリカードをコンパクトフラッシュからSDカードに変更した。


 「EOS Kiss Digital」シリーズは、03年発売の初代「EOS Kiss Digital」、05年発売の2代目「EOS Kiss Digital N」、06年発売の3代目「EOS Kiss Digital X」と、いずれも製品名の中にデジタルカメラであることを示す「Digital」が入っていた。しかし、デジタルカメラの普及が進み、すでに当たり前になったと判断。新モデルでは「EOS Kiss X2」と製品名から「Digital」を外した。


 「EOS Kiss X2」は、従来モデルよりも高画素化しながら、新しいノイズ除去回路の搭載や半導体製造工程の改良などで低ノイズを実現したという。上位モデルに搭載されている高感度撮影や長秒時撮影時のノイズを低減させる「ノイズ低減」機能や、高輝度側のダイナミックレンジを1段階分拡大して白トビを抑える「高輝度側・階調優先」機能も搭載した。

 また被写体の明るさとコントラストを解析し、逆光時などに暗い部分を自動的に明るく自動補正する「オートライティングオプティマイザ」機能も搭載した。液晶画面には3.0型に大型化した23万画素の液晶モニタを備える。さらにモニタを見ながら撮影できるライブビュー機能も新たに搭載した。

 ライブビュー機能は07年5月に発売したプロ向け一眼レフ「EOS-1D Mark III」から搭載しているが、「EOS Kiss X2」ではライブビューを表示したままオートフォーカスが行える「ライブモード」を新たに追加した。また、総合的なセンサーダスト対策「EOS Integrated Cleaning System」も採用。カメラ内部のゴミ発生を抑える機構や素材を使いながら超音波振動でゴミを振るい落とす、「セルフクリーニングセンサーユニット」などを内蔵する。

 オートフォーカス時の測距点は9点で、中央にはF2.8対応センサーを水平方向に、F5.6対応センサーを水平・垂直方向に配置した。ISO感度は100-1600。本体サイズは幅128.8×高さ97.5×奥行き61.9mm。

 併せて一眼レフカメラ用の望遠レンズを2本発表した。「EF200mm F2L IS USM」は4月下旬に発売予定で税別価格は85万円、「EF800mm F5.6L IS USM」は5月下旬の発売予定で税別価格は175万円。


 会見では、従来モデルの「EOS Kiss Digital X」も販売を継続すると発表。07年、デジタル一眼レフカメラの販売台数でトップシェアをニコンに奪われた同社だが、ボリュームゾーンの初心者向けモデルを2機種ラインアップすることで、トップシェア奪還を狙う。

 キヤノンマーケティングジャパンの村瀬治男社長は「昨年は初心者向けのモデルのタイミングが合わず、トップを明け渡したが、(デジタル一眼の)入門機の代名詞といえる『Kiss』シリーズの新モデルで08年は必ず1位を獲得する」と意気込みを語った。