日立、チューナーを切り離した最薄部3.5cmの液晶テレビ3機種
超薄型パネルモジュールと熱解析技術、超薄型電源を採用し、構造設計を見直したことで、最薄部3.5cm、最厚部3.9cmの薄さを実現。32V型以上の一般家庭用ハイビジョン液晶テレビのモニタ部としては世界最薄という。モニタとテレビチューナー部を分離させる新構造で軽量化を図ると同時に、設置の自由度も高めた。液晶パネルは、新たに開発したIPS方式の「IPSαパネル」を搭載。視野角は上下左右とも178度、コントラスト比は10000:1。スピーカーは、薄型に適した出力6W+6Wのボックスタイプのスピーカーを採用した。
テレビ番組は、分離したモニタとテレビチューナーなどを内蔵した付属の機器「Wooo ステーション」をHDMIケーブルで接続して映し出す仕組み。ケーブル1本で「Wooo ステーション」と接続することで、モニタの背面部分をすっきりさせ、「部屋の中央に設置しても見た目が悪くない」(山内浩人・コンシューマ事業グループ商品企画本部)ように工夫した。
「Wooo ステーション」には、地上アナログと地上・BS・110度CSデジタルチューナーを内蔵し、別売りの着脱式HDD「iVDR-S」に対応した「iVポケット」とSD/MMCメモリカードスロットを搭載。「iVDR-S」にテレビ番組を録画することもできる。HDMI入力端子3基をはじめ、D4/コンポーネント入力端子、LAN端子なども備え、HDD-DVDレコーダーなどの周辺機器の接続を容易にした。本体サイズは幅29.7×高さ6.6×奥行き22.2cm、重さは2.8kg。
また、別売りのワイヤレスユニット「TP-WL700H」を使えば、HDMIケーブルを使わずにハイビジョン信号を伝送し、モニタと「Wooo ステーション」を無線で接続できる。モニタと「Wooo ステーション」にそれぞれワイヤレスユニットをつなげる仕組みで、最大9m離れた場所から伝送可能。
ラインアップは、32V型「UT32-HV700」、1920×1080画素のフルハイビジョンに対応した37V型「UT37-XV700」、同42V型「UT42‐XV700」の3機種。いずれも「Wooo ステーション」とテレビスタンドが付属する。また、32V型のみブラック、ホワイト、レッド、ブルーの4色のカラーバリエーションモデルを揃えた。レッドとブルーは限定生産。
発売は、32V型が12月15日、37V型が08年2月上旬、42V型が08年4月上旬。価格はすべてオープンで、実勢価格は32V型が23万円前後、37V型が33万円前後、42V型が43万円前後の見込み。32V型では、「現状の売れ筋機種に比べて5万円程高い価格設定」(山内氏)という。別売りのワイヤレスユニット「TP-WL700H」もオープンで、実勢価格は9万前後の見込み。日立では、全販売台数のうち「10?15%はワイヤレスユニットを同時購入する」(山内氏)と予測する。
オプションとして、ワイヤレスユニットのほか、フロアスタンドと、固定型と角度調節が可能な可変型の壁掛けユニット2モデルを用意する。壁掛けユニットは新開発の金具を用い、壁からモニタまでの距離が固定型で6cm、可変型で7cm。価格はフロアスタンドが1万9800円、壁掛けユニットは可変型が1万7500円、固定型が9800円。
江幡誠・執行役常務コンシューマ事業グループ長兼CEOは、「高画質化と薄型化、高機能化という相容れない要素を兼ね備えるためには、モニタとテレビチューナーなどを内蔵したコントロール部分を切り離すことが最良と考えた」と説明。また、「当初の見通しではクリスマス商戦に間に合わなかったが、どうしても間に合わせたく、日立グループのリソースを集中させてこの時期に商品化できた。プラズマテレビに比べて日立の存在感が薄かった液晶テレビで、他社にはない技術優位性を示したかった」と開発秘話を語った。
日立製作所=http://www.hitachi.co.jp/
「Wooo」=http://av.hitachi.co.jp/tv/
■関連記事
本日の機種別ランキング【液晶テレビ】
日立、交換式HDD「iVDR」対応の60V型プラズマテレビとデジタルチューナー
日立、リムーバブルHDD採用の薄型テレビ「Wooo」、録画容量拡張も手軽に