水に強い1000円台のモデルがトップ、価格の2極化が進むキーボードの売れ筋
●1位はロジクール、安価だが水に強いキーボード
9月の販売台数シェアでは、2月発売のロジクール「Classic Keyboard 200(iK-21BK)」が3.6%で1位を獲得。 10月15日時点でBCNが集計した市場推定価格(以下同)は1400円と安価なモデルながら水に強いのが特徴だ。
完全な防水加工ではないものの、液体が下に流れ落ちる「スピル・レジスタンス構造」をもち、水やコーヒーなどをこぼしても故障しにくい。またキートップにUVコーティングを施して耐久性を上げ、印刷された文字を消えにくくした。さらにデスクとキートップの角度が平行になる「ゼロディグリーティルト」というデザインで、長時間の使用時における手首への負担を軽減する。キーが108個の日本語配列。隣り合うキーの中心から中心までの距離を表すキーピッチは19mmでUSB接続タイプの標準的なキーボードだ。対応OSはWindows Vista、XP、2000、ME、98、Mac OS X。
2位は、同じくロジクールの「Cordless Desktop EX110(EX-110)」でシェアは3.4%で、市場推定価格は4600円。無線接続タイプのキーボードとマウスがセットになったモデルだ。キーの数などは「Classic Keyboard 200」と同じだが、キーボード、マウス共に無線でPCと接続するためケーブルが邪魔にならない。
3位?5位にはエレコムのオーソドックスなタイプのキーボードがランクイン。3位の「USBフルキーボード ライトグレー(TK-U12FYALG)」は日本語配列の108キー、19mmのキーピッチを採用し、キーボードからPC本体の電源のON/OFFやスリープモードの操作が可能な3つのホットキーを搭載。市場推定価格は1000円。4位はケーブルの長さが3メートルのタイプで市場推定価格は1900円。
6位はアップルが8月に発売した「Apple Keyboard (JIS)(MB110J/A)」。薄型のボディにアルミニウムを使用した高級感あるデザインが特徴だ。Macのみ対応のキーボードで、市場推定価格も6400円と高価にもかかわらず高いシェアを獲得した。対応OSはMac OS X v10.4.10以降。
●3000円未満が売れ筋、高価格の高性能モデルと2極化
今回のランキングを価格の面から見ると、10製品中7製品が推定価格3000円未満のキーボード。3000円以上は2位の「Cordless Desktop EX110」と6位の「Apple Keyboard (JIS)」、9位のバッファローコクヨサプライの「無線キーボード&マウスセット」だけだ。また全体を平均価格帯別で見てみると3000円までの製品が全体の65%以上を占めている。だいたいこのあたりが現在のキーボードの標準的な価格だといえそうだ。
しかし一方で高価なキーボードも販売されている。マイクロソフトの「Microsoft Natural Ergonomic Desktop 7000(WTA-00014)」は市場推定価格は1万2100円のキーボード。人間工学に基づいた設計で疲れにくい特殊なデザインを採用している。
ロジクールはブルートゥースを利用したコードレスキーボード「diNovo Edge(DN-1000)」を発売。光沢処理を施した半透明の黒色アクリル板を使い、本体の厚さが19mmという薄さが特徴。キーボードの右側に指でなぞるだけでスクロール、選択、ポインター操作ができる円形のコントロールパッド「TouchDisc」を搭載する。市場推定価格が2万3000円という高級キーボードだ。これら高価格帯の製品は、販売台数としては少数派だが、機能だけでなくキータッチや使用感にこだわりをもつユーザーには支持されているようだ。
次に月次データでメーカー販売台数シェアの推移を見てみると、1位は20%以上の安定的なシェアを維持しているエレコム。1000-3000円前後と人気の低価格帯のキーボードを中心に販売しているのがその要因だ。2位グループが15%前後でサンワサプライとロジクール。ロジクールは1000円前後から2万円前後の高級キーボードまで幅広く販売している。5位につけているバッファローコクヨサプライ。8月にバッファローのPCサプライ部門とアーベルが合併してできた新会社だ。
最後にメーカー別の販売台数シェアと販売金額シェアを比較してみた。販売台数シェアではエレコムが1位を獲得したが、販売金額シェアは13.8%で3位。一方で販売金額シェアでは、比較的高級なキーボードを発売しているロジクールが19.2%で1位、マイクロソフトが16.7%で2位に入るという逆転現象が起きている。
販売台数シェアは、やはり数が出る3000円以下の安価でオーソドックスなタイプが中心だが、販売金額シェアで見ると高価なキーボードも根強い人気があるようだ。今後も低価格帯のオーソドックスなタイプと、高価格帯の高性能なキーボードという2極化は続きそうだ。(BCN・岡本浩一)
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