アジア最大の家電イベントCEATEC開幕、テレビの薄型争いなどが焦点に
今回は過去最多の895社・団体が集結、海外企業が全体の39%を占め国際的イベントの色合いが強まった。展示製品では、有機ELを使用した次世代薄型テレビや108V型などの超大型液晶テレビなど、ハイビジョンを謳う映像関連機器と、超薄型テレビが目立つ内容となっている。開催は2日から6日までで、登録来場者数は20万人を見込んでいる。
AV関連機器が集まった「デジタルネットワークステージ/ホーム&パーソナルゾーン」エリアでは、主要家電メーカーが存在感を発揮。ソニーは、有機ELパネルを採用した厚さ3mmの11V型テレビ「XEL-1」ほか、27V型の有機ELテレビを展示。また、サウンドエンターテインメントプレーヤー「Rolly」の専用デモンストレーションコーナーを開設し、実際に音楽にあわせて本体が動く様子を来場者に披露した。
シャープは、最薄部20mmの液晶テレビ、108V型の大型液晶テレビを公開。日立製作所も最薄部19mmの次世代薄型液晶テレビを公開し、「薄型の追求」がテレビメーカーの共通キーワードになっていることを鮮明に印象付けた。テレビ以外では、シャープがPLCアダプターを使ってインターネット上の映像を受信しテレビで視聴するHDD内蔵のセットトップボックス「IpSTB」を展示した。
東芝では、液晶テレビ「REGZA」シリーズや携帯オーディオプレーヤー「gigabeat」シリーズなどを展示。燃料電池や有機ELを使用した携帯オーディオも公開した。また、PCに搭載するカメラを使用して空中で手を動かして映像を再生・停止、音量を操作する「バーチャルリモコン」技術を体験できるコーナーも設けた。
一方、「電子部品・デバイス&装置」エリアでは、チューナーメーカーのDXアンテナが「DIR510」、マスプロ電工が「DT610」などの地上デジタルチューナーの新製品を展示。「デジタルネットワークステージ」エリアでは、携帯電話キャリアが最新技術を披露している。
NTTドコモは、人の体を通信媒体として情報をやり取りする「人体通信」の技術を公開。「人体通信」は、人間が持つ微弱電流を使って通信を行い携帯電話を取り出すことなく認証や決済が行えるテクノロジー。一例として、2つの携帯電話を使い、1つの携帯電話を持ちながらロックされたもう一方の携帯電話を持つと、人体通信で認証情報が送られロックを解除するデモを行った。
KDDIは、モバイルWiMAX(ワイマックス)の関連技術を展示。インテルのモバイルWiMAX機能を搭載したCPUや、CPUなどのモジュールを組み込んだノートPC、基地局に設置するアンテナなどを披露した。
「CEATEC JAPAN 2007」=http://www.ceatec.com/
■関連記事
ソニー、世界初の有機ELテレビ発売、技術のソニー復権をアピール
ソニー、音楽にあわせて踊って転がるオーディオプレーヤー「Rolly」
シャープ、最薄部20mm、コントラスト比10万:1の新パネル搭載試作テレビ公開
さながら「ハイビジョン祭り」のCEATEC、蛇行OKに成長したセイサク君も登場