ソニー、世界初の有機ELテレビ発売、技術のソニー復権をアピール
パネルには、独自の技術で開口率と光の取り出し効率を高めた自社開発の有機ELパネル「オーガニックパネル」を採用。有機ELは自発光方式のためバックライトが不要。そのため、液晶やプラズマテレビよりも薄型化が可能だが、ソニーではさらに、有機EL素子をパネル内に完全に固定する構造を開発することで、最薄部約3mmという超薄型パネルに仕上げた。
有機ELが電流をゼロにすると画面が完全に黒になるため、「最低でも1000000:1以上で自社の測定器を超えるコントラスト比」(白石由人・テレビ事業部E事業開発部長)を実現。明るさが異なる夜のネオン映像などでも、深い黒やくっきりとした陰影を表示できる。
NTSC比は110%で暗い映像でも色の崩れがないという。輝度は600cd/m2で、太陽光や金属の反射光、花火など強い輝度の映像も自然な再現が可能。応答速度は液晶を超えるマイクロ秒で、光の消灯時に黒色を挿入することで、スポーツなど動きの速い映像を、なめらかに映し出せるようにした。
テレビ機能も充実させた。地上・BS・110度CSデジタルチューナーを搭載するほか、地デジの室内アンテナを内蔵。ブラウザ機能、静止画専用画質モードといった液晶テレビ「BRAVIA(ブラビア)」に搭載する機能も盛り込んだ。LANを使って他の機器のコンテンツを楽しめる「ルームリンク」やデジタルテレビ向けネットサービス「アクトビラ ベーシック」にも対応する。本体サイズは287×140×253mm、重さは2.0kg。
発表会では中鉢良治社長が急遽登壇し、「今回の商品はテレビ市場における反転攻勢の旗印。これからもソニーらしい夢のあるとんがった技術を追求していきたい」と、意気込みを示した。
一方、井原勝美副社長は、「有機ELテレビが、すぐに液晶テレビに取って代わるわけではないが、液晶の次に位置づけられる非常に重要な技術。まずは年末商戦で未体験の高画質を体験してほしい。一か月2000台は十分に計算できる数字」と、年末商戦に向けての自信を見せた。
ソニー=http://www.sony.co.jp/
「XEL-1」=http://www.sony.jp/products/Consumer/oel/
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