シャープ、パイオニアの筆頭株主に、資本・業務面で戦略提携へ
その一環で、シャープはパイオニアが実施する第三者割り当てで、新株式3000万の普通株式を発行。全株をシャープに割り当てシャープは全株引き受ける。この結果、パイオニアが調達する資金は414億円で、シャープはパイオニアの総株主の議決権数に対する割合が14.69%になり、筆頭株主となる。
資本提携では、このほかシャープが保有する発行済み普通自己株式1000万株を第三者割り当て増資でパイオニアに割り当て処分し、パイオニアが引き受ける。シャープの調達資金は197億円5000万円。お互いが株式を持ち合う形になり、パイオニアは今回の資本提携で、216億5000万円を調達し事業の運営資金に当てる。
業務提携では、次世代DVDなど4分野で両社の技術の相互利用による共同開発を進める。とくに映像分野では、パイオニアがシャープの液晶技術を活用して、「プラズマテレビに加え液晶テレビをラインアップに加える」(須藤社長)計画を明らかにした。また、次世代DVD分野では、シャープの青紫色半導体レーザーなどのデバイス技術と、パイオニアのドライブモジュール技術などの光ディスク技術を有効に活用した製品の開発を目指す。
今回の提携に関し、片山社長は「厳しいグローバル競争を勝ち抜くためには、技術革新をスピーディに進める必要があるが、自社ですべて賄おうとすれば膨大な時間とコストがかかってしまう。1+1が2以上になる相性の良い相手と組む必要性を感じていたなかで、音響やカーエレクトロニクス分野に強いパイオニアとは、相乗効果を図れると感じた」と説明した。
一方、須藤社長は、「一層の技術革新を図るために提携先を模索していた。これまで技術や業界動向などで情報交換する間柄で、自然発生的に両社から提携の話が持ち上がり、今回の話に至った」と述べた。また、シャープが筆頭株主になる経営の影響については、「独立経営を保持し経営統合もない」と強調した。
液晶テレビの投入によるプラズマテレビ事業について須藤社長は、「パイオニアの映像事業の中核はプラズマテレビで今後も変わりはない」と主張。プラズマを主軸にテレビ事業を推進する姿勢を示した。一方、シャープの片山社長はプラズマテレビの投入について「予定はない」と否定。提携後も液晶だけで薄型テレビ市場を戦う考えを明言した。
シャープ=http://www.sharp.co.jp/
パイオニア=http://pioneer.jp/
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