第9回自動認識総合展、RFID体験コーナーなど、東京ビッグサイトで14日まで

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2007/09/13 18:29

 日本自動認識システム協会(JAISA)は、9月12日から14日までの3日間、国内唯一の自動認識技術・ソリューションの専門展示会「第9回自動認識総合展」を東京ビッグサイトで開催している。同イベントには196社8団体が出展、来場者はコンピュータ関連をはじめ、幅広い業種・職種に渡った。

 展示は「バーコード・2次元シンボル、RFID、バイオメトリクス、カードといったIDの最先端技術」「ID技術を活用した、業務の効率化、省力化・コスト削減、安全・品質管理、顧客サービスの向上のための自動認識ソリューション」の2本柱で構成。入場料は1000円だが、事前登録者と招待券持参者は無料で入場できる。



 一般消費者が利用することを想定した製品としては、大日本印刷(DNP)が、ICタグPOPカードを端末にかざせば、カードごとに異なる情報を表示する店頭プロモーションツール「スマートPOPシステム」を展示。会場では、実際に「完熟ホールトマトの商品説明」「トマト系/クリーム系に合うスパイス」に関するICタグPOPカードを用意し、それぞれのカードを端末にかざすと、レシピなどがモニターに表示されるといったデモンストレーションも行った。当該店舗のICタグ会員証をかざせば、「スパイスを2本セットで買うと50円引き」などの会員特典を表示させることもできる。



 このほか、化粧水の展示ボトルを持ち上げると、ボトルの底面に貼り付けられたICタグが反応し、モニターに化粧水の情報が自動的に表示されるデモも展示。モニターはタッチパネル操作に対応し、画面上の進むボタンに触れると当該商品のさらに詳しい情報を表示する。



 また、娯楽関連でRFIDを活用した事例として、ゲート認証システムや出退勤管理システム、工程実績収集システムなどを開発する吉川RFIDグループ(吉川工業、吉川アールエフシステム、吉川システックの3社)が、同グループのICチップを採用した大洋化学製の全自動麻雀卓「AMOS(アモス)」を展示した。



 「AMOS」は、点棒にICチップを埋め込んだのが特徴で、麻雀卓手前の点棒ケースに点棒を収納すると、自動的に得点を計算してパネルに点数を表示する。点棒ごとにケースを分けずに、種類の異なる点棒を混ぜて1か所に入れても計算。さらに、自分の点数だけでなく対戦相手の点数も表示されるため、「トップになるには誰からいくつ貰えばいいか分かり、配牌に集中できる」(吉川アールエフシステム・佐藤勇一取締役社長)という。



 このほか、交通機関やレジなどで使用するICカードに関する製品の展示もあり、鉄道信号や交通情報システム、AFC(自動料金収集)などに取り組む日本信号は、2枚のICカードの間に挟むことで表裏どちらのカードも使用できる、ICカードセパレートカード「SepaCa(セパカ)」を展示した。

 通常、JR東日本の「Suica」などのICカードは、2枚重ねた状態では使用できない。しかし、「セパレートカード」を間に挟めば、カード読み取り端末からの磁界を遮断し、端末側のカードだけを読み取ることができる。カードの価格は1枚1500円。



 また、特設テーマコーナーとして、大型ショッピングセンターを想定し、実際の店舗・倉庫・家電量販店などを再現して各種ソリューションの実証実験を体験できる「自動認識ソリューションモール ?あっ、ここにも自動認識?」を開設。公共施設でのRFID導入例として、日本マテリアル・ハンドリング協会と空港や工場の物流システムを開発する三機工業が共同で行う、図書館の貸出・返却システムが展示された。



 図書カードと書籍に貼り付けるラベルにICタグを利用し、貸出・返却の作業を自動化するもので、従来の係員による手動での対応に比べ、迅速に本の貸し出しや返却が行える。貸出の場合、図書カードの個人IDと借りたい書籍のラベルをそれぞれリーダーで読み取り、PC画面上の「貸出」を選択するだけで借りられる。一方、返却時は、図書カードを読み取った後、返却口に書籍を投函すると、返却口で自動的にラベルを読み取り、あらかじめICタグに登録された書籍の分類ごとに、ベルトコンベヤーで書籍が自動的に仕分けされていく。

 貸出・返却にかかる時間短縮のほか、図書館側にとっては、受付カウンターや書庫の人員を削減できるメリットもある。なお、この図書館貸出・返却システムは、07年中に長崎県立長崎図書館への導入が決定している。



自動認識総合展=http://www.autoid-expo.com/
日本自動認識システム協会(JAISA)=http://www.jaisa.or.jp/