難しくなんかない! 今日からはじめる無線LAN導入講座

特集

2007/08/16 11:40

 家で複数台のPCをもっているなら、それらを接続してホームネットワークを作ってみてはどうだろう。そのときにぜひ導入してほしいのが無線LANだ。しかし、無線LANは敷居が高いと思っている初心者が多いのも事実。そんな人たちに贈る「今日からはじめる無線LAN導入講座」。

無線LAN環境でデジタル製品をより便利に使う 

 ホームネットワークを組むメリットは、プリンタなど周辺機器の共有や、音楽ファイルなどのやりとりが簡単にできる点。テレビやHDD/DVDレコーダーなど、ホームネットワーク対応のデジタル家電を接続すれば、より便利になる。 

 ホームネットワーク環境はケーブルを使わない無線LAN(Local Area Network)がいい。通信が届く範囲ならどこでもネットワークに接続することができるうえ、ケーブルを取り回す必要がなく、部屋がスッキリとする。 



「親機」と「子機」が必要 

 家で無線LAN環境を組むには2つの機器が必要となる。モデム経由でインターネットに接続し、機器同士を相互接続する中継基地の「親機」と、PCに接続して親機とデータをやり取りする「子機」だ。なお最新のノートPCは、あらためて子機を接続しなくても無線LAN環境に対応する機種がほとんど。子機を購入する前に、自分のPCを確認しよう。

まず親機を選ぶ 

 まず親機を選ぼう。一般的には複数の端末を無線LANにつなぐ「無線LANアクセスポイント」と、ルータ機能を備えた「無線LANルータ」の2種類がある。すでに有線LANのルータをもっていたり、手もちのモデムにルータ機能がついていたりするなら、より安価な「無線LANアクセスポイント」を選ぼう。有線ルータやモデムと接続すれば、無線LANルータと機能は変わらない。

通信規格をチェック 

 無線LANにはいくつかの通信規格がある。親機と子機で、対応する規格が異なると、通信できないので注意が必要だ。 

 現在の主流は、「IEEE802.11b」(通信速度11Mbps、周波数帯2.4GHz)。街中の公衆無線LANサービスでも必ずサポートしている。 

 また、「IEEE802.11g」(通信速度54Mbps、周波数帯2.4GHz)も一般的だ。「IEEE802.11b」より通信速度が速い上位規格で、両者は互換性がある。 

 「IEEE802.11a」(通信速度54Mbps、周波数帯5.2GHz)は、先の2つと互換性がなく、普及率も低い。どの規格を選べばいいかわからなくなったら、I・Oデータ機器「WN-WAPG/R」やバッファロー「WZR-AMPG144NH」など、すべての通信規格をサポートする機種を選ぼう。 



有線LAN並みの高速通信「IEEE802.11n」 

 「もっと高速な無線LANはないの?」という上級者は「IEEE802.11n」に注目。有線LANと遜色ない通信速度144Mbps(理論値)で、インターネットだけでなくPC間の大容量データのやりとりにも威力を発揮する。本格的な普及はまだ先になりそうだが、今後の主流になる可能性は高いので、いまのタイミングで対応製品を選ぶのも手だ。バッファロー「WZR-G144NH」やコレガ「CG-WLBARGNL」が対応している。いずれも「IEEE802.11b」や「IEEE802.11g」にも対応し現状の環境でも安心して使える。 




ボタン一つで簡単設定

 無線LANルータはセキュリティやネットワークなどいくつかの設定が必要で、敷居が高いと感じる初心者もいるかもしれない。しかし、NECの「Aterm WR7870S」など最新の機種はボタン一つで自動設定する機能をもっている。

親機と子機で規格を揃える 

 親機の次は、子機の「無線LANカード」を選ぼう。PCに接続して、無線送受信機の役割を果たす機器だ。 

 選ぶにあたってまず注意しなくてはならないのが「親機と同じ規格に対応している機種を選ぶ」ということだ。現在発売中の機種の多くは、複数の通信規格に対応しているので、それらを選べば間違いがない。 

 それでも不安な人は、I・Oデータ機器「WN-GDN/R-U」など、無線LANルーターと無線LANカードがセットになった製品がおすすめだ。同じメーカーなので機種同士の相性がいいというメリットもある。

自分のPCに合った接続タイプを選ぼう 

 無線LANカードには「USB接続タイプ」「PCカードタイプ」「PCIカードタイプ」の3つの接続方式がある。ノートPCは「PCカードタイプ」を、デスクトップPCは「PCIカードタイプ」を使うのが一般的だ。前者はコレガ「CG-WLCB54GPX」、後者はバッファローの「WLI-PCI-G144N」などがある。また、PCの種類を問わずに簡単に接続できる「USB接続タイプ」もある。プラネックス「GW-US54Mini2W」が代表的な機種だ。



組むときは距離とセキュリティに注意 

 無線LANネットワークを組むにはいくつか注意点がある。まず最初に注意したいのが、親機と子機との距離だ。これは親機の伝送能力に左右される。ほとんどの機種は「伝送距離:150m」など具体的な数値をパッケージに記載しているので、購入前にあらかじめ確認しておくこと。伝送距離は親機と子機の間に遮蔽物があるかどうかでも変わってくる。親機と子機を別の部屋に置くなら、伝送距離が長い機種を選ぼう。 

 セキュリティ設定も重要なポイントだ。伝送データの暗号化「WEP」や親機に接続できる機器を限定する「MACアドレス設定」は必須。これを怠ると、外部から無線LANにアクセスされるだけでなく、ネット犯罪に利用されることもあるので注意してほしい。