RIMとドコモ、スマートフォン「Black Berry」本格展開に向け日本語版発売
「Black Berry」は、専用サーバーを使うことで、外出先から社内メールの送受信、添付ファイルやホームページの閲覧、イントラネットへのアクセスが可能な端末で、欧米を中心に全世界で900万人が利用している。暗号化に「AES」「トリプルDES」を使うことで通信の機密性を保持できる高いセキュリティ機能が最大の特徴。
国内ではNTTドコモの第3世代(3G)携帯電話「FOMA」のネットワークを利用した音声通話も可能で、欧米などで広く普及している通信方式「GSM」「GPRS」にも対応。ドコモの国際ローミングサービスを契約することで、海外でも音声通話とデータ通信ができる。
パソコンと同じ配列のキーボードを採用し、ディスプレイに横320ドット×縦240ドットのQVGA液晶を搭載。64MBのフラッシュメモリを内蔵する。サイズは高さ110×幅69.5×厚さ19.5mm、重さは約140g。
日本語版ではソフトウェアやドキュメント関連も日本語化。日本語入力にはオムロンソフトウェアのシステムを採用し、ローマ字で予測変換や次文節予測を使った日本語入力に対応した。端末とパソコンの連携ソフト「Black Berry Desktop Maneger」でもユーザーインターフェースを日本語にしたほか、ふりがな表示も可能になった。
「Black Berry Enterprise Server」は企業のグループウェアと端末を連携させるサーバーで、マイクロソフトの「Exchange」、IBMの「Lotus Domino」などに対応。日本語版ではユーザーインターフェースの日本語表示をはじめ、会社名や名前のふりがな同期機能も搭載した。
ドコモでは端末とサーバーをセットにして「Black Berry Enterprise Solition」として企業に売り込む。最小構成価格はソフトが20のユーザーIDで45万円、システム構築が100万円から。
発表会で、RIMのジョー・カチ日本担当担当副社長は「日本は大きな市場。ブラックベリーの日本語化はRIMとドコモに大きなビジネスの機会をもたらす」と抱負を述べた。一方、NTTドコモの山田隆持副社長は「世界で最も普及しているスマートフォンで企業のビジネス活性化につなげたい」と話した。
RIMは06年9月にNTTドコモから英語版の「Black Berry」端末と対応ソリューションを発売。すでに外国企業の日本法人などで導入が進んでいる。今回の日本語版投入を「日本での本格展開の第1弾」(戸田健・製品部門ディレクター)と位置づけ、日本企業への普及を加速させる。
当初は主に大企業を対象に販売するが、RIMが海外で発売している小規模事業者や一般向けのBlack Berry端末をふまえ、今後は「ドコモから要請があれば中小企業向けソリューションも提供していく」(同)考え。また、3Gの高速通信サービス「HSDPA」への対応については「今回のサービスで需要を見極めてから検討する」(同)としている。
リサーチ・イン・モーション(英語)=http://www.rim.com/
NTTドコモ=http://www.nttdocomo.co.jp/
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