ケータイに続け! ワンセグ対応で活気づく次のデジモノは?
「どこでもテレビ」を実現する「ワンセグ」搭載の機器が人気だ。筆頭は携帯電話だが、それ以外にも携帯オーディオ、電子辞書など、さまざまなジャンルにワンセグが浸透しつつある。なかでもDVDプレーヤーは、ポータブルタイプの2割強がワンセグに対応するなど、隠れた人気製品になっている。「BCNランキング」で、広がりを見せるワンセグ対応機器についてまとめた。
「どこでもテレビ」を実現する「ワンセグ」搭載の機器が人気だ。筆頭は携帯電話だが、それ以外にも携帯オーディオ、電子辞書など、さまざまなジャンルにワンセグが浸透しつつある。なかでもDVDプレーヤーは、ポータブルタイプの2割強がワンセグに対応するなど、隠れた人気製品になっている。「BCNランキング」で、広がりを見せるワンセグ対応機器についてまとめた。
●携帯電話とPC用チューナーでほぼ9割、残りが1割弱のワンセグ勢力図
昨年4月のスタート以来、注目を集めている「ワンセグ」。ここにきて対応携帯電話や専用のハンディテレビなどのラインアップが充実しはじめ、電車の中でテレビを楽しむ通勤客を見かけることも多くなってきた。主流は「AQUOSケータイ」をはじめとする携帯電話だ。
さらに、店頭ではバッファローの「ちょいテレ」をきっかけにしたPCに接続して使うタイプの「ワンセグチューナー」も人気が高い。一方、そのほかのジャンルでも、ワンセグを受信できるワンセグチューナーを搭載した製品が増え始めている。そこで、6月の「BCNランキング」から「ワンセグ対応機器」を抜き出して集計し、計7種類のジャンルごとに「勢力図」を描いてみた。
1位は、やはり携帯電話。全体の65%と圧倒的な強さを見せた。2位は、パソコンのUSBポートやPCカードスロットに接続して使用するワンセグチューナー。在庫切れの店舗が続出した、発売当初ほどの爆発的な勢いはないが、PC周辺機器の一ジャンルとしてすっかり定着したようだ。シェアは21.1%。ワンセグケータイとPC用のワンセグチューナー、この2ジャンルだけで86.2%と9割に迫る。
以下、ポータブルDVDプレーヤーが6.4%、ノートPCが2.7%、電子辞書が2.2%、携帯オーディオが1.6%、ポータブルテレビが1.0%と続く。このうち、携帯オーディオは東芝、電子辞書はシャープのみが製品化している状況だ。ポータブルDVDプレーヤーとポータブルテレビには多くのメーカーが参入し、選択肢は意外に多い。
注目は、携帯電話のように持ち歩ける「ポータブルテレビ」。4型ワイド液晶を搭載した、業界初のワンセグ専用テレビBLUEDOT「BTV-400K」などの専用タイプ、AM・FMラジオに加え、ワンセグが受信できるポケットサイズのソニー「XDV-100」などの兼用タイプが混在し、専用タイプは比較的安め。現状はニッチな市場だが、今後の伸びが期待できそうだ。
●6月の総合トップは録画非対応のお手頃ワンセグケータイ「F904i」
携帯電話は、唯一の2桁シェアを獲得した1位のNTTドコモ「F904i」(富士通)をはじめ、2位の「W52SA」(三洋電機)、3位の「W52H」(日立製作所)、8位の「W53T」(東芝)、9位の「912SH」(シャープ)など、6月に発売されたばかりの新モデルが好調。7月以降、発表済みで未発売だったワンセグ対応端末も加わり、ますます「ワンセグ」が広まりそうだ。28位には、携帯電話事業に新規参入し、3月31日から定額制データ通信サービスを開始したイー・モバイルのシャープ製端末「EM・ONE(S01SH)」も入った。なお、「F904i」はワンセグは視聴のみで、録画機能は搭載しない。
●ポータブルDVDプレーヤーで高まるワンセグ人気
集計対象をポータブルDVDプレーヤー、ノートPC、電子辞書、携帯オーディオ、ポータブルテレビに絞ると、1位は前述のポータブルDVDプレーヤー「SD-P70DT」、2位はシャープの電子辞書「PW-TC900」、3位は松下のポータブルDVDプレーヤー「DVD-LX87-S」だった。上位に入っていた携帯電話、ワンセグチューナーが抜けた分、「その他」のトップ10に6機種も登場してひときわ目立つ存在がポータブルDVDプレーヤー。ポータブル機のなかで、標準でワンセグに対応するモデルが占める割合は実に24.9%にものぼっており、これからの標準機能になりそうな勢いだ。
「SD-P70DT」は、ポータブルDVDプレーヤー全体でも販売台数シェア8.8%で2位を獲得。東芝の直販サイト「Shop1048」では4万2800円で販売されている比較的高めの製品だけに、そのシェアの高さは驚異的だ。ちなみに、平均単価はワンセグ非対応モデルの1万円台後半に対し、ワンセグ対応モデルはその2倍以上の3万円台後半。ワンセグ対応モデルを選ぶかどうかで、予算は大きく変わってくる。
実際、ある量販店では、ポータブルDVDのプライスカードに「ワンセグチューナー内蔵」または「ワンセグ非対応」と大きく書いたシールを貼り付け、違いを明確にしていた。また別の店では、ポータブルDVDプレーヤーを中心に、ワンセグ対応ポータブルテレビ、電子辞書などを一か所にまとめた展示を行っていた。ワンセグに興味を持っているなら、ぜひこうしたコーナーにも足を向けてみよう。
●「見るワンセグ」対「録るワンセグ」 好みはどちら?
ワンセグ対応機器を購入する際に注意しておきたいのは、本体や画面の大きさだけでなく、録画機能の有無。録画できるかどうかで、使い方もずいぶん違ってくる。
「録画機能なしモデル」は、まさに持ち歩くテレビ。現在放送されている番組が視聴できればいい場合はこれで十分だろう。また自宅や入院先などでちょっとした自分専用テレビとして使う、といった用途も考えられる。ポータブルDVDプレーヤーや電子辞書などがこれに相当する。
一方、「録画機能ありモデル」は、持ち歩ける画面付きのレコーダーだ。放送を見るだけでなく、あらかじめ録っておいた番組を移動中に視聴することがあるなら重宝するだろう。時間の有効活用という意味で、忙しい現代人にはこのタイプの方がニーズが高そうだ。持ち運べる携帯電話やノートPCでは、受信状態の良い自宅で録画し、正常に受信できない電車内やビルの中で見るといった使い方もできる。
携帯電話、ワンセグチューナーは一部機種を除いて予約録画機能を搭載し、ワンセグの「いつでもどこでも見られるテレビ」の概念を「いつでもどこでも録画して観られるレコーダー」に拡張している。その他のワンセグ対応機器でも、ポータブルDVDプレーヤーを除けば、内蔵メモリやHDD、メモリカードスロットに挿入したメモリカードなどに録画できる場合が多い。
ワンセグの人気の秘密は、暇つぶしのながら視聴に加え、今まで難しかった見たい時に見たい番組を自由に持ち運べるという側面もあるのかもしれない。録画機能は今後、製品選択の大きなポイントになっていきそうだ。(WebBCNランキング編集部・嵯峨野芙美)
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・ 2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
社団法人デジタル放送推進協会=http://www.dpa.or.jp/
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「どこでもテレビ」を実現する「ワンセグ」搭載の機器が人気だ。筆頭は携帯電話だが、それ以外にも携帯オーディオ、電子辞書など、さまざまなジャンルにワンセグが浸透しつつある。なかでもDVDプレーヤーは、ポータブルタイプの2割強がワンセグに対応するなど、隠れた人気製品になっている。「BCNランキング」で、広がりを見せるワンセグ対応機器についてまとめた。
●携帯電話とPC用チューナーでほぼ9割、残りが1割弱のワンセグ勢力図
昨年4月のスタート以来、注目を集めている「ワンセグ」。ここにきて対応携帯電話や専用のハンディテレビなどのラインアップが充実しはじめ、電車の中でテレビを楽しむ通勤客を見かけることも多くなってきた。主流は「AQUOSケータイ」をはじめとする携帯電話だ。
さらに、店頭ではバッファローの「ちょいテレ」をきっかけにしたPCに接続して使うタイプの「ワンセグチューナー」も人気が高い。一方、そのほかのジャンルでも、ワンセグを受信できるワンセグチューナーを搭載した製品が増え始めている。そこで、6月の「BCNランキング」から「ワンセグ対応機器」を抜き出して集計し、計7種類のジャンルごとに「勢力図」を描いてみた。
1位は、やはり携帯電話。全体の65%と圧倒的な強さを見せた。2位は、パソコンのUSBポートやPCカードスロットに接続して使用するワンセグチューナー。在庫切れの店舗が続出した、発売当初ほどの爆発的な勢いはないが、PC周辺機器の一ジャンルとしてすっかり定着したようだ。シェアは21.1%。ワンセグケータイとPC用のワンセグチューナー、この2ジャンルだけで86.2%と9割に迫る。
以下、ポータブルDVDプレーヤーが6.4%、ノートPCが2.7%、電子辞書が2.2%、携帯オーディオが1.6%、ポータブルテレビが1.0%と続く。このうち、携帯オーディオは東芝、電子辞書はシャープのみが製品化している状況だ。ポータブルDVDプレーヤーとポータブルテレビには多くのメーカーが参入し、選択肢は意外に多い。
注目は、携帯電話のように持ち歩ける「ポータブルテレビ」。4型ワイド液晶を搭載した、業界初のワンセグ専用テレビBLUEDOT「BTV-400K」などの専用タイプ、AM・FMラジオに加え、ワンセグが受信できるポケットサイズのソニー「XDV-100」などの兼用タイプが混在し、専用タイプは比較的安め。現状はニッチな市場だが、今後の伸びが期待できそうだ。
●6月の総合トップは録画非対応のお手頃ワンセグケータイ「F904i」
製品ジャンルを横断した「ワンセグ対応機器ランキング」も算出してみた。なお、カラーバリエーションは合算して集計した。トップ10は、携帯電話とPC用のワンセグチューナーが独占。携帯電話は、1位から4位までと、6・8・9位の計7機種、ワンセグチューナーがI・Oデータ機器の「GV-SC200」を筆頭に計3機種がランクインした。さらに20位まで見ると、携帯電話が計14機種と強さが際立つ。携帯電話、ワンセグチューナー以外の製品では、東芝のポータブルDVDプレーヤー「SD-P70DT」の16位が最上位だった。
携帯電話は、唯一の2桁シェアを獲得した1位のNTTドコモ「F904i」(富士通)をはじめ、2位の「W52SA」(三洋電機)、3位の「W52H」(日立製作所)、8位の「W53T」(東芝)、9位の「912SH」(シャープ)など、6月に発売されたばかりの新モデルが好調。7月以降、発表済みで未発売だったワンセグ対応端末も加わり、ますます「ワンセグ」が広まりそうだ。28位には、携帯電話事業に新規参入し、3月31日から定額制データ通信サービスを開始したイー・モバイルのシャープ製端末「EM・ONE(S01SH)」も入った。なお、「F904i」はワンセグは視聴のみで、録画機能は搭載しない。
●ポータブルDVDプレーヤーで高まるワンセグ人気
集計対象をポータブルDVDプレーヤー、ノートPC、電子辞書、携帯オーディオ、ポータブルテレビに絞ると、1位は前述のポータブルDVDプレーヤー「SD-P70DT」、2位はシャープの電子辞書「PW-TC900」、3位は松下のポータブルDVDプレーヤー「DVD-LX87-S」だった。上位に入っていた携帯電話、ワンセグチューナーが抜けた分、「その他」のトップ10に6機種も登場してひときわ目立つ存在がポータブルDVDプレーヤー。ポータブル機のなかで、標準でワンセグに対応するモデルが占める割合は実に24.9%にものぼっており、これからの標準機能になりそうな勢いだ。
「SD-P70DT」は、ポータブルDVDプレーヤー全体でも販売台数シェア8.8%で2位を獲得。東芝の直販サイト「Shop1048」では4万2800円で販売されている比較的高めの製品だけに、そのシェアの高さは驚異的だ。ちなみに、平均単価はワンセグ非対応モデルの1万円台後半に対し、ワンセグ対応モデルはその2倍以上の3万円台後半。ワンセグ対応モデルを選ぶかどうかで、予算は大きく変わってくる。
実際、ある量販店では、ポータブルDVDのプライスカードに「ワンセグチューナー内蔵」または「ワンセグ非対応」と大きく書いたシールを貼り付け、違いを明確にしていた。また別の店では、ポータブルDVDプレーヤーを中心に、ワンセグ対応ポータブルテレビ、電子辞書などを一か所にまとめた展示を行っていた。ワンセグに興味を持っているなら、ぜひこうしたコーナーにも足を向けてみよう。
●「見るワンセグ」対「録るワンセグ」 好みはどちら?
ワンセグ対応機器を購入する際に注意しておきたいのは、本体や画面の大きさだけでなく、録画機能の有無。録画できるかどうかで、使い方もずいぶん違ってくる。
「録画機能なしモデル」は、まさに持ち歩くテレビ。現在放送されている番組が視聴できればいい場合はこれで十分だろう。また自宅や入院先などでちょっとした自分専用テレビとして使う、といった用途も考えられる。ポータブルDVDプレーヤーや電子辞書などがこれに相当する。
一方、「録画機能ありモデル」は、持ち歩ける画面付きのレコーダーだ。放送を見るだけでなく、あらかじめ録っておいた番組を移動中に視聴することがあるなら重宝するだろう。時間の有効活用という意味で、忙しい現代人にはこのタイプの方がニーズが高そうだ。持ち運べる携帯電話やノートPCでは、受信状態の良い自宅で録画し、正常に受信できない電車内やビルの中で見るといった使い方もできる。
携帯電話、ワンセグチューナーは一部機種を除いて予約録画機能を搭載し、ワンセグの「いつでもどこでも見られるテレビ」の概念を「いつでもどこでも録画して観られるレコーダー」に拡張している。その他のワンセグ対応機器でも、ポータブルDVDプレーヤーを除けば、内蔵メモリやHDD、メモリカードスロットに挿入したメモリカードなどに録画できる場合が多い。
ワンセグの人気の秘密は、暇つぶしのながら視聴に加え、今まで難しかった見たい時に見たい番組を自由に持ち運べるという側面もあるのかもしれない。録画機能は今後、製品選択の大きなポイントになっていきそうだ。(WebBCNランキング編集部・嵯峨野芙美)
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・ 2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
社団法人デジタル放送推進協会=http://www.dpa.or.jp/
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